ウイスキー愛好家の間で、ここ数年熱狂的な視線を浴び続けているブランドがあります。それが、台湾発の独立系ボトラーズ「ザ・ウイスキーファインド(The Whiskyfind)」です。
かつてボトラーズといえば、スコットランドの老舗メーカーが主流でした。しかし、この台湾から現れた新星は、またたく間に世界のウイスキーシーンの最前線へと躍り出たのです。
なぜ、これほどまでに人々を惹きつけるのか。その秘密は、圧倒的な芸術性を誇るラベルデザインと、アジア人の繊細な味覚に寄り添った驚くべき樽選定のクオリティにあります。
今回は、ウイスキーファインドがなぜこれほど高い評判を得ているのか、その背景から絶対にチェックしておくべき人気シリーズまで、その魅力を余すところなくお届けします。
台湾から世界へ!ウイスキーファインド誕生の背景
ウイスキーファインドは、2014年に台湾で設立されました。創業者は、ウイスキーへの深い造詣と情熱を持つオーディン・チョウ(Odin Chou)氏です。
台湾という土地は、世界でも有数のシングルモルト消費国として知られています。愛好家のレベルが非常に高く、舌の肥えたファンが多いこの地で、オーディン氏は「ウイスキーに物語性を持たせ、多文化と融合させる」という全く新しいコンセプトを掲げました。
単に美味しい原酒を瓶詰めするだけなら、既存のボトラーズでも可能です。しかし、彼はウイスキーを一つの「作品」として捉えました。中身の液体のフレーバーが持つ個性を、視覚的なアートや歴史的な物語と結びつけることで、飲む人の想像力を書き立てる体験を提供し始めたのです。
この革新的なアプローチが、保守的だったウイスキー業界に新鮮な衝撃を与え、現在の確固たる地位を築くきっかけとなりました。
圧倒的な評判を呼ぶ「アート・ラベル」の魔力
ウイスキーファインドを語る上で絶対に外せないのが、その美しすぎるラベルデザインです。
多くのウイスキーボトルが文字中心のシンプルなデザインを採用する中で、彼らのボトルはまるで美術館に飾られている絵画のようです。特に、東洋の古典や神話、現代アートをモチーフにしたラベルは、コレクターたちの所有欲を激しく刺激します。
特筆すべきは、伝説的な漫画家である鄭問(チェン・ウェン)氏とのコラボレーションです。彼の描く力強くも繊細な武将の姿がラベルになったボトルは、もはやお酒の枠を超えた芸術品として扱われています。
しかし、単に見た目が良いだけではありません。ラベルに描かれたキャラクターや風景は、そのボトルに詰められたウイスキーの「性格」を表現しています。力強いピートが効いた原酒には荒々しい豪傑を、華やかでフルーティーな原酒には優雅な美女や瑞々しい風景を。視覚と味覚がリンクするこの体験こそが、世界中で高い評判を得ている理由の一つです。
アジア人の味覚に寄り添う究極の樽選定
ウイスキーファインドの真骨頂は、その卓越した「カスクセレクション(樽選び)」にあります。
一般的に、ヨーロッパのボトラーズが選ぶ原酒は、現地の気候や食文化に合わせた力強い骨格を持つものが多い傾向にあります。一方で、ウイスキーファインドはアジア、特に日本や台湾の愛好家が好む「繊細さ」「複雑なスパイス感」「南国フルーツのような甘み」を非常に重視しています。
オーディン氏が選ぶ原酒は、熟成のピークを完璧に見極めたものばかりです。たとえ短熟の原酒であっても、その蒸留所が持つ個性が最も輝く瞬間を切り取っています。
また、ウイスキー グラスに注いだ瞬間に広がる香りの層の厚さは、他のボトラーズとは一線を画します。アジアの湿潤な気候や、スパイスを多用する食文化の中で、どのようにウイスキーを愉しむべきか。その答えが、彼らの選ぶ一滴一滴に凝縮されているのです。
絶対に知っておきたい!ウイスキーファインドの人気シリーズ
ここからは、これからウイスキーファインドを堪能したいという方が、まずチェックしておくべき主要なシリーズをご紹介します。
1. 鄭問(Chen Wen)三國志シリーズ
ブランドの顔とも言える、最も有名なフラッグシップシリーズです。三国志に登場する武将たちの個性を、ウイスキーの味わいで表現しています。
例えば、義に厚く力強い関羽には重厚なシェリーカスクを、知略に長けた諸葛亮には複雑で奥深い長期熟成原酒を。ラベルの迫力と中身の完成度が見事に合致しており、リリースされるたびに即完売となる伝説的なシリーズです。
2. 山海経(Shan Hai Jing)シリーズ
中国最古の神話集『山海経』に登場する神獣や怪魚をテーマにしたシリーズです。こちらは幻想的でどこかミステリアスな雰囲気のラベルが多く、中身もまた個性的で力強い原酒が選ばれる傾向にあります。神話の世界に浸りながらシングルモルト ウイスキーを味わう、至福のひとときを提供してくれます。
3. ジャズ(Jazz)シリーズ
音楽とウイスキーの融合をテーマにした、軽やかで洗練されたシリーズです。ジャズのリズム感や即興性を、ウイスキーのフレーバーの移り変わりで表現しています。夜のリラックスタイムに、お気に入りのレコードを聴きながらゆっくりと味わうのに最適なボトルが揃っています。
4. エレメンツ(Elements)シリーズ
自然界を構成する要素(火、水、土、風など)をテーマにしたシリーズです。特定の蒸留所が持つ本質的な個性を、より直感的に、科学的なアプローチも交えて表現しています。ウイスキーの「核」となる部分を愉しみたい方にぴったりのラインナップです。
5. バッドボーイ(Bad Boy)シリーズ
こちらは少し遊び心のあるシリーズで、従来の常識にとらわれない個性的な原酒がボトリングされます。非常に若い原酒でありながら驚くべき完成度を持っていたり、珍しい樽でフィニッシュされていたりと、まさに「型破り」な味わいが魅力です。
ウイスキーファインドを手に入れるには?
これほどまでに魅力的なウイスキーファインドですが、ボトラーズブランドの宿命として「一期一会」という性質があります。
一度リリースされたボトルは、その樽が空になれば二度と同じものは造れません。特に人気の三國志シリーズなどは、酒販店の店頭に並ぶ前に予約で埋まってしまうことも珍しくありません。
確実に手に入れるためには、国内の正規代理店や、ウイスキーに強い専門ショップ(信濃屋やモルトヤマなど)のメルマガやSNSをこまめにチェックすることをおすすめします。
また、自分で一本購入するのはハードルが高いと感じる方は、まずはウイスキーにこだわりのあるバーを訪れてみてください。バックバーにあの美しいラベルを見つけたら、ぜひ一杯注文してみてください。その瞬間、あなたはウイスキーファインドが創り出す深い物語の虜になるはずです。
ウイスキー 雑誌などで最新のリリース情報を予習しておくのも、賢い愛好家の嗜みと言えるでしょう。
まとめ:ウイスキーファインドの魅力とは?台湾発ボトラーズの評判や人気シリーズを徹底解説!
ウイスキーファインドは、単なるお酒のボトラー(瓶詰め業者)ではありません。彼らは、スコットランドの伝統的な魂に、アジアの感性と芸術的な物語を吹き込む「ストーリーテラー」です。
美しいアートに目を奪われ、グラスから立ち上がる複雑な香りに驚き、口に含んだ瞬間に広がる多層的な味わいに感動する。この五感をフルに活用する体験こそが、ウイスキーファインドが世界中で熱狂的に支持されている理由です。
「美味しいウイスキー」のその先にある、文化と感性が交差する世界。あなたもぜひ、ウイスキーファインドの一滴を通じて、その深淵を覗いてみてはいかがでしょうか。
次にあなたが手にする一本が、一生忘れられない物語の始まりになるかもしれません。そのときには、お気に入りのウイスキー コップを用意して、ゆっくりと時間をかけてその魅力を紐解いてみてください。

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