ウイスキーのフェノール値とは?PPMの意味と銘柄別数値一覧、味への影響を徹底解説!

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ウイスキーを嗜むようになると、必ずどこかで耳にする「ピート」や「スモーキー」という言葉。そして、その強さを表す指標として語られるのが「フェノール値」です。

「このボトルは100PPMを超えているんだよ」なんて言われても、初心者の方からすれば「えっ、ピーピーエム?数値が高いと何が凄いの?」と戸惑ってしまうのは当然のこと。実は、この数値の正体を知ることで、自分好みのウイスキーを探すスピードは劇的に上がります。

今回は、ウイスキー選びの重要なスパイスであるフェノール値(PPM)の正体から、人気銘柄の数値一覧、そして数値だけでは語れない奥深い味の秘密まで、たっぷりとお届けします。


そもそも「ウイスキーのフェノール値」って何のこと?

ウイスキーのラベルや解説文で見かけるフェノール値。一言でいえば「そのウイスキーがどれくらいスモーキー(煙たい)か」を測るためのものさしです。

ピートの煙がもたらす魔法

ウイスキーの原料である大麦麦芽(モルト)を乾燥させる際、泥炭(ピート)を燃やしてその熱を利用することがあります。この時、ピートが燃えるときに出る煙が麦芽に染み込み、独特の「焚き火」「正露丸」「燻製」のような香りをもたらします。

この煙の中に含まれる「フェノール化合物」という化学物質の濃度を測定したものが、フェノール値です。

単位「PPM」の読み解き方

フェノール値の単位は「PPM(パーツ・パー・ミリオン)」と呼ばれます。これは100万分の1という割合を示す単位です。100PPMであれば、1キログラムの麦芽の中に0.1グラムのフェノール化合物が含まれている計算になります。

ほんのわずかな量に思えますが、人間の嗅覚は非常に鋭いため、この微量な差が「香りの爆弾」のような強烈な個性を生み出すのです。


PPMの数値でわかるスモーキーさの目安

ウイスキーの世界では、このPPMの数値によって、大きく4つのカテゴリーに分類されるのが一般的です。自分がどのレベルの「煙たさ」を求めているのか、まずはこの基準をチェックしてみましょう。

ノンピート(0〜5PPM)

ピートをほとんど、あるいは全く使わずに乾燥させたタイプです。麦の甘みやフルーティーな香りが主役で、煙たさは感じません。

ライトピート(5〜15PPM)

ほんのりと背景に煙を感じる程度で、初心者の方でも親しみやすいレベルです。

ミディアムピート(15〜30PPM)

口に含んだ瞬間に「あ、スモーキーだな」とはっきりわかる強さです。

ヘビーピート(30〜55PPM)

いわゆる「アイラモルト」の王道。強烈な焚き火や薬品の香りが押し寄せ、中毒者が続出するレベルです。

スーパーヘビーピート(55PPM〜)

実験的な試みで作られる、限界を超えたスモーキーさ。数値が3桁に達するものもあります。


人気銘柄のフェノール値一覧と特徴比較

さて、ここからは実際に私たちが手にする有名銘柄の具体的な数値を見ていきましょう。数値を知ることで、飲み比べがもっと楽しくなります。

圧倒的な数値を誇る「オクトモア」

現時点で世界最高レベルの数値を叩き出しているのが、ブルックラディ蒸留所のオクトモアです。リリースによりますが、80PPMから、時には300PPMを超えるものまで存在します。数値だけ見れば「飲めたものではない」と思うかもしれませんが、蒸留の工夫により、意外にも洗練されたフルーティーさを併せ持っているのがこのボトルの不思議なところです。

アイラの王道「アードベッグ」と「ラフロイグ」

アイラ島を代表する2大巨頭も、しっかりとした数値を持っています。アードベッグ10年は約50〜55PPMで、レモンのような爽やかさと強烈な焚き火の煙が特徴。一方、ラフロイグ10年は約40〜45PPM。数値ではアードベッグに譲りますが、独特のヨード香(薬品のような香り)が強いため、体感としてはラフロイグの方が強烈に感じる人も多いです。

バランスの魔術師「ボウモア」と「タリスカー」

少し落ち着いて楽しみたいなら、ボウモア12年(約20〜25PPM)や、海辺の焚き火を連想させるタリスカー10年(約22PPM)がおすすめ。これらはスモークと甘みのバランスが絶妙で、食後の一杯に最適です。


数値が高い=一番スモーキーではない?体感の罠

ここで一つ、非常に重要なポイントをお伝えします。実は「PPMの数値が高いウイスキーが、必ずしも一番煙たく感じるわけではない」のです。これには、ウイスキー造りの奥深い理由が隠されています。

麦芽時点と瓶詰め時点の「差」

一般的に公表されているPPMは、実は「蒸留する前の乾燥させた麦芽」の状態での数値であることがほとんどです。しかし、ウイスキーは蒸留し、樽で何年も熟成されてからボトリングされます。

この過程で、フェノール成分はどんどん減少していきます。蒸留器の形や、原酒を取り出すタイミング(ミドルカット)によって、せっかくのフェノールがカットされてしまうこともありますし、樽の中で10年、20年と眠るうちに、角が取れて穏やかな香りに変化していくのです。

つまり、麦芽段階で50PPMあっても、20年熟成されたボトルを飲んでみると、10年熟成の40PPMのボトルよりずっと穏やかに感じることがある。これがウイスキーの面白いところです。

香りの「質」の違い

フェノール化合物と一口に言っても、その中身は様々です。「石炭を燃やしたような煙」「焦げたゴム」「海藻のような磯の香り」「病院の消毒液」。これらはすべてピート由来ですが、ピートが採れた場所(海に近いか、森に近いか)によって成分の構成比が変わります。

数値が同じ30PPMでも、カリラ12年のようにクリーンな煙を感じるものもあれば、内陸のピートを使った日本の余市のように、力強い石炭の香りを感じるものもあります。数値はあくまで「設計図の数字」であり、最終的な「味の景色」は実際に飲んでみるまでわからないのです。


自分好みのフェノール値を見つける楽しみ方

ウイスキーの楽しみ方に正解はありませんが、フェノール値を指標にした「自分探しの旅」の進め方を提案します。

ステップ1:まずは「基準点」を知る

まずは、世界中でスモーキーなウイスキーの基準とされているジョニーウォーカー ブラックラベルを試してみてください。これには様々な原酒がブレンドされていますが、程よいスモーキーさがあります。これが「美味しい」と感じるなら、あなたはピートの才能があります。

ステップ2:アイラの門を叩く

次に、ミディアムピートのボウモアや、塩気のあるタリスカーへ進みます。ここで「もっと刺激が欲しい!」と思えたなら、いよいよヘビーピートの世界へ。

ステップ3:個性の違いを比べる

アードベッグ(焚き火系)とラフロイグ(薬品系)を飲み比べてみてください。同じような高いフェノール値でも、香りのベクトルが全く違うことに驚くはずです。

ステップ4:超高数値への挑戦

最後に、オクトモアのようなモンスター級のPPMに挑戦します。数値の高さがもたらす圧倒的な余韻の長さを体験すれば、もう普通のウイスキーでは満足できなくなっているかもしれません。


ウイスキーのフェノール値とは?PPMの意味と銘柄別数値一覧、味への影響を徹底解説!:まとめ

ウイスキーのフェノール値(PPM)は、私たちがそのボトルの扉を開ける前に、中身を想像するための大切なヒントになります。

「今日はガツンと煙たいのが飲みたいから、50PPMクラスのアードベッグにしよう」

「優しく香る程度がいいから、ライトピートのハイランドパークにしよう」

そんな風に、数値を一つの目安として使いこなせるようになると、ウイスキー選びの失敗が減り、バーでの注文もぐっとスマートになります。

ただし、最後に信じるべきは自分の鼻と舌です。数値が低くても強烈な個性を放つボトルもあれば、数値が高くても驚くほどフルーティーな名酒もあります。PPMという数字を地図にして、ぜひ広大なスモーキー・ウイスキーの海を自由に冒険してみてください。

次の一杯を手に取るとき、そのラベルの裏側に隠された「数値の物語」に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもより深く、その煙の向こう側にある景色が見えてくるはずです。

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