「今日のご飯、何にしようかな」「大切な人への手土産、失敗したくないな」そんなときに真っ先に候補に挙がるのが、日本人のソウルフードである巻き寿司です。特に東京には、江戸前の伝統を守り続ける老舗から、現代的なアレンジで食通を唸らせる新しいお店まで、本当に美味しい巻き寿司の店がひしめき合っています。
握り寿司ももちろん素敵ですが、巻き寿司には「時間が経っても味が馴染んで美味しい」「持ち運びがしやすい」「切り口の彩りが華やか」といった、お土産や差し入れにぴったりの魅力が詰まっています。
今回は、数ある名店の中から、ここを選べば間違いないという絶品店を厳選しました。これを読めば、あなたの大切なシーンに寄り添う最高の一本が必ず見つかるはずです。
なぜ「美味しい巻き寿司の店」の太巻きは特別なのか?
スーパーやコンビニの巻き寿司と、専門店や老舗の巻き寿司。その決定的な違いは、時間が経つほどに一体感が増す「計算された仕込み」にあります。
まず注目したいのが海苔の質です。名店では、有明海産のなかでも特に香りが強く、口どけの良い最高級の海苔を使用します。巻いた瞬間のパリッとした食感も魅力ですが、お土産として時間が経ち、シャリの水分を適度に吸った後の「しっとりとした旨み」こそが職人の腕の見せ所。噛み切ったときの心地よい歯切れの良さは、厳選された海苔でなければ出せません。
次にシャリのこだわりです。巻き寿司のシャリは、握りよりも少しだけ甘めに、あるいは赤酢を効かせてコクを出すなど、冷めた状態で最も美味しく感じられるように調整されています。具材の椎茸、干瓢、厚焼き玉子。これら一つひとつに数時間をかけて味を染み込ませ、すべてが口の中で合わさったときに完璧なハーモニーを奏でる。この「三位一体」のバランスこそが、わざわざ足を運んでまで買いたいと思わせる理由なのです。
谷中・日本橋で愛される「穴子」が主役の至高の巻き寿司
東京の巻き寿司を語る上で、絶対に外せないのが「穴子」をメインに据えた名店です。江戸前の粋を感じる、とろけるような味わいをご紹介します。
すし乃池(谷中)
下町情緒あふれる谷中の名店といえばすし乃池です。ここの看板メニュー「名代 穴子寿司」は、多くの著名人や食通に愛されてきました。その技術を注ぎ込んだ巻き寿司は、まさに絶品。穴子の煮詰め(タレ)の深いコクと、ふっくらとした身の食感が、口の中で優しく解けます。谷中散策のついでに立ち寄るだけでなく、これを目当てに遠方から訪れる価値のあるお店です。
日本橋 玉ゐ(日本橋)
穴子専門店として名高い日本橋 玉ゐが作る「あなごたっぷり太巻き」も見逃せません。専門店ならではの厳選された穴子を贅沢に使用し、香ばしさと甘みが口いっぱいに広がります。キュウリの食感がアクセントになり、最後の一口まで飽きさせない工夫が凝らされています。
銀座の格式を自宅で。手土産で絶対に外さない王道の名店
「ここぞ」というときの手土産には、誰もが知る名店の名前が心強い味方になります。受け取った瞬間に相手の顔がほころぶ、ブランド力と味を兼ね備えたお店です。
銀座 久兵衛(銀座)
日本を代表する寿司の名門銀座 久兵衛。ここで供される太巻きは、まさに芸術品です。芝海老のすり身を混ぜ込んで丁寧に焼き上げた厚焼き玉子、じっくりと炊き上げられた穴子、そして香り高い海苔。1本数千円という価格は決して安くありませんが、一口食べればその価値を誰もが確信します。「絶対に失敗できない贈り物」を求めているなら、ここ以上の選択肢はありません。
志乃多総本店(日本橋)
明治時代から続く歴史を持つ志乃多総本店は、いなり寿司と巻き寿司の詰め合わせが定番です。ここの巻き寿司は、どこか懐かしさを感じる甘めの味付けが特徴。伝統的な折り詰めの美しさは、親戚の集まりや法事、ビジネスの差し入れなど、あらゆるフォーマルな場面で重宝されます。
個性派から皇室御用達まで。こだわりが光る専門店
定番もいいけれど、少しひねりの効いた、専門店ならではのこだわりを堪能したい方におすすめの店舗です。
有職(赤坂)
赤坂に店を構える有職は、皇室御用達としても知られる格式高いお店です。看板の「茶巾寿司」はもちろんのこと、詰め合わせに入る巻き寿司の端正な姿には思わず見惚れてしまいます。上品で控えめな味付けは、お茶席や観劇の幕間弁当としても最適。特別な日の食卓を彩る、高貴な味わいを楽しめます。
おつな寿司(六本木)
六本木の交差点近くに位置するおつな寿司。裏返しのいなり寿司が有名ですが、セットで販売される巻き寿司も名脇役以上の存在感を放っています。テレビ局が近いこともあり、芸能人の差し入れ(ロケ弁)として頻繁に利用されることでも有名です。都会の真ん中で長年愛され続ける、安定感抜群の美味しさです。
神田 志乃多寿司(神田)
神田で愛され続ける神田 志乃多寿司は、しっかりとした濃いめの味付けが特徴。お酒の席の最後に出しても負けない力強さがあり、お酒好きの方への手土産にも喜ばれます。キリッとした江戸前の個性を感じたいなら、こちらが一番の候補になるでしょう。
現代の食通を虜にする!新進気鋭の「映える」巻き寿司
伝統的な太巻きも良いですが、最近ではSNSでも話題になるような、具材たっぷりで見た目にも鮮やかな巻き寿司が人気を集めています。
鮨 りんだ(目黒) / ブルペン(武蔵小山)
目黒の人気店鮨 りんだや、その系列のブルペンで提供される「トロたく巻」は、これまでの巻き寿司の概念を覆すほどのインパクトがあります。溢れんばかりのトロと、食感の良い沢庵、そして贅沢に散らされた薬味。口に運んだ瞬間の多幸感は、まさに現代の「美味しい巻き寿司」の象徴です。若年層や感度の高い食通を誘うなら、こうしたお店のチョイスが光ります。
海鮮 魚力(デパ地下・渋谷など)
もっと手軽に、でも本格的な味を楽しみたいという方には、魚屋直営の海鮮 魚力がおすすめです。主要な駅のデパ地下に出店していることが多く、その鮮度は折り紙付き。特に海鮮をふんだんに使った海鮮巻きは、コスパ最強の呼び声も高く、日常のちょっとした贅沢にぴったりです。
失敗しない!巻き寿司の選び方と美味しく食べるコツ
せっかく名店で購入しても、扱い方を間違えると美味しさが半減してしまいます。最高の状態で味わうためのポイントをまとめました。
- 食べる30分前に常温に戻す冷蔵庫に入れていた場合、シャリが硬くなってしまっています。食べる少し前に冷蔵庫から出し、常温に馴染ませることで、お米のふっくら感と海苔の香りが復活します。
- 用途に合わせて「太さ」を選ぶ手土産なら見栄えのする「太巻き」、お酒のつまみならパクパク食べられる「細巻き」といった使い分けがスマートです。
- 予約を惜しまない今回ご紹介した銀座 久兵衛などの名店は、当日ふらっと行っても売り切れていることが多々あります。特に行事がある日は、数日前からの電話予約が鉄則です。
まとめ:あなたにとって最高の美味しい巻き寿司の店を見つけよう
これまで見てきたように、一口に巻き寿司と言っても、お店ごとに守り続けている伝統や表現したい味は千差万別です。
伝統的な江戸前の仕事を味わいたいならすし乃池や銀座 久兵衛。
親しみやすい下町の味を求めるなら志乃多総本店。
そして、新しい感性で楽しみたいなら鮨 りんだのトロたく巻。
どの店舗も、職人が一本一本に魂を込めて巻いています。その断面に広がる美しい模様は、日本の食文化の結晶そのもの。大切な誰かのために、あるいは自分への最高のご褒美として、特別な一本を選んでみてください。
これだけの選択肢があれば、もう「お土産に何を買えばいいか」と迷うことはありません。季節の移ろいとともに具材の表情も変わる巻き寿司。ぜひ、あなたのお気に入りとなる美味しい巻き寿司の店を見つけて、その深い味わいを楽しんでくださいね。

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