「ジャパニーズウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝の名を冠したニッカウヰスキーの傑作、竹鶴 ピュアモルト。その力強くも華やかな味わいは、世界中のウイスキーファンを虜にし続けています。
しかし、ファンを悩ませているのが近年の「価格高騰」と「入手困難」という現実です。数年前まではコンビニや近所の酒屋さんで当たり前のように見かけていた竹鶴が、今ではプレミアム価格で取引される希少品となってしまいました。
2024年の大幅なメーカー値上げを経て、2026年現在の市場はどう動いているのか。定価で手に入れるチャンスはあるのか。今回は、最新の価格データとともに、賢く手に入れるための攻略法を余すことなくお伝えします。
竹鶴ピュアモルトの歴史と「今」起きていること
竹鶴というウイスキーの最大の特徴は、シングルモルトではなく「ピュアモルト」であるという点です。ニッカが誇る二つの蒸溜所、力強い「余市」と華やかな「宮城峡」のモルト原酒のみをブレンドして作られています。
かつては12年、17年、21年、25年といった熟成年数を表示したラインナップが標準的でした。しかし、NHKの朝ドラ『マッサン』によるブームと、世界的なジャパニーズウイスキー人気の過熱により、熟成原酒が圧倒的に不足する事態に陥りました。
その結果、2020年にはエイジド製品が相次いで終売・休売となり、現在はノンヴィンテージ(熟成年数表示なし)の竹鶴 ピュアモルトが主力製品となっています。さらに、2024年4月には原材料費の高騰などを受けてメーカー希望小売価格が大幅に引き上げられました。
2026年現在、この新定価が市場に浸透しきっていますが、需要が供給を上回る状態は続いており、店頭で見かける機会は依然として限られています。
2026年最新の定価と市場流通価格の実態
まずは、現在の正確な価格設定を把握しておきましょう。情報を整理せずにネットショップを覗くと、あまりの価格差に驚いてしまうはずです。
現行品:竹鶴ピュアモルト(白ラベル)の価格
メーカーが設定している現在の定価(希望小売価格)は、7,700円(税込)です。2024年の改定前は5,000円を切る価格だったため、かなりの値上げが行われた印象を受けます。
しかし、実際の市場価格(プレ値)はこれより高く推移しています。
大手ECサイトや街のプレミアム価格を掲げる酒屋では、概ね9,000円から12,000円程度で販売されているのが一般的です。定価の約1.2倍から1.5倍程度が、現在の「すぐに買える価格」の相場と言えるでしょう。
終売品:エイジドボトルの驚愕相場
すでに一般の酒販店では手に入らない熟成年数付きのボトルは、もはやコレクターズアイテムとしての側面が強くなっています。
- 竹鶴17年:かつての定価は7,000円前後でしたが、現在は40,000円を超える価格で取引されることも珍しくありません。
- 竹鶴21年:世界一の称号を何度も手にしたこのボトルは、150,000円から200,000円近い高値がつくこともあります。
これらはもはや「飲むためのウイスキー」というより、「資産」に近い扱いになっています。
なぜ竹鶴はここまで値上がりし続けているのか
価格高騰の背景には、単なるブームだけではない構造的な理由がいくつか存在します。
原酒不足という物理的な壁
ウイスキーは今日仕込んで明日売れるものではありません。10年、20年という歳月を樽の中で眠らせる必要があります。20年前に今のブームを予見して大量の原酒を仕込んでいたメーカーはありませんでした。今の人気に対して、絶対的な「原酒の量」が足りていないのです。
世界的なアワードでの受賞ラッシュ
竹鶴はWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)をはじめとする国際的なコンペティションで、何度も「世界最高賞」を受賞しています。これにより、日本のファンだけでなく、海外の投資家や富裕層が買い占めに走る構図が出来上がりました。
製造コストと物流費の増大
これはウイスキーに限った話ではありませんが、大麦などの原材料価格、空きビンの製造コスト、そして運送費が世界的に上昇しています。ニッカウヰスキーも企業努力だけでは吸収しきれず、2024年の大幅な定価改定に踏み切らざるを得なかったという背景があります。
竹鶴を定価(7,700円)で安く買うための攻略ルート
「プレ値では買いたくない、でも竹鶴が飲みたい」という方のために、2026年現在でも有効な入手ルートをいくつかご紹介します。
大手百貨店の抽選販売を狙う
三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋などの大手百貨店では、定期的にジャパニーズウイスキーの抽選販売を行っています。カード会員限定の場合も多いですが、これらは100%定価で販売されるため、最も信頼できるルートです。
家電量販店のお酒コーナー
ビックカメラやヨドバシカメラのお酒売り場は、意外な穴場です。ポイント還元も考慮すると、実質的に定価以下で手に入る計算になります。ただし、棚に並ぶと同時に売り切れるため、店員さんに「次回の入荷予定」を聞くよりも、SNS等での目撃情報を頼りに足を運ぶのが現実的です。
地方の老舗酒屋を巡る
都市部の大手店舗は転売ヤーのターゲットになりやすいですが、地方で長く営業している個人経営の酒屋には、時折ふらっと竹鶴が入荷することがあります。「一見さんお断り」の場合もありますが、普段から通ってお酒を購入し、顔馴染みになっておくことが近道です。
ネットショップの「定価販売」を監視する
楽天やAmazonでも、稀に大手ショップが定価で在庫を放出することがあります。これらは数分で完売するため、自動通知ツールやSNSの入荷速報アカウントを活用するのが必須条件となります。
旧ラベルと現行ラベルで価格や味に違いはある?
竹鶴ピュアモルトには、大きく分けて「黒ラベル(旧)」と「白ラベル(現行)」が存在します。
黒ラベル(2020年以前のノンヴィンテージ)
ラベルが黒く、宮城峡のモルト原酒をベースにした華やかでシェリー樽のニュアンスが強い味わいです。現在は流通在庫のみとなっており、現行品よりも数千円高いプレミアム価格で取引されています。
白ラベル(2020年以降の現行品)
ラベルが白っぽく、中央に竹鶴政孝の肖像が描かれています。こちらは余市蒸溜所のヘビーピート原酒の比率を高めており、旧ラベルに比べてスモーキーさや力強さが強調されたブレンディングになっています。
「昔の竹鶴の味が好きだった」という方は黒ラベルを探されますが、現在の竹鶴 ピュアモルトの方が、よりニッカらしい力強さを感じられるという評価も多いです。
偽物や保管状態に注意!中古市場での買い方
どうしても定価で見つからず、フリマアプリやオークションで購入を検討することもあるでしょう。しかし、高額なウイスキーの取引にはリスクが伴います。
偽物の存在
残念ながら、中身を安いウイスキーに入れ替えた偽造品が流通しているという報告があります。特にエイジドボトル(17年、21年など)はターゲットになりやすいため、出品者の評価が極端に少ない場合や、価格が相場より安すぎる場合は警戒が必要です。
保管状態による劣化
ウイスキーはワインほど繊細ではありませんが、直射日光や高温多湿には弱いです。個人保管のものはコルクの状態が悪くなっていたり、液面低下(蒸発)が起きていたりすることがあります。口に入れるものですから、できれば中古販売でも「お酒販売免許」を持った専門のショップから購入することをお勧めします。
竹鶴の飲み方別、美味しさを引き出すコツ
せっかく手に入れた竹鶴ですから、その価値を最大限に味わいたいものです。
ストレート
まずは何も加えず、グラスに注いで香りを楽しみましょう。余市の力強いピート香と、宮城峡のフルーティーな香りが複雑に絡み合うのを感じられるはずです。
トワイスアップ
ウイスキーと常温の水を1:1で割る飲み方です。アルコールの刺激が抑えられ、隠れていた花の香りやバニラのような甘みが一気に開きます。
ハイボール
竹鶴で作るハイボールは、非常に贅沢な味わいです。食事との相性も良く、特に和食や燻製料理と一緒に楽しむと、モルトの甘みが際立ちます。
ウイスキー竹鶴の定価・相場は?2026年最新の価格推移と安く買うコツを徹底解説!:まとめ
2026年現在、竹鶴 ピュアモルトを取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。定価7,700円という数字はあくまで「理想」であり、市場では1万円前後の予算を見ておくのが現実的です。
しかし、その価格を支払ってでも飲む価値があるのが竹鶴というウイスキーです。竹鶴政孝が抱いた「本物のウイスキーを日本に広めたい」という情熱は、今もボトルの中に息づいています。
もし店頭で定価の竹鶴に出会えたなら、それは非常に幸運なことです。迷わず手に取り、北の大地が育んだ琥珀色の至宝をじっくりと堪能してください。
今後も原酒の熟成が進むにつれ、限定品のリリースやラインナップの復活が期待されます。最新の価格情報をチェックしながら、最高の1杯に出会える日を楽しみに待ちましょう。


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