「中国旅行で現地の美味しい料理を堪能したい!」「中華料理店で店員さんに『美味しい』と伝えて喜んでもらいたい」
そんな時、真っ先に思い浮かぶ言葉といえば「ハオチー(好吃)」ですよね。でも、いざ現地で使ってみると「え?なんて言ったの?」と聞き返されてしまったり、微妙な反応をされたりした経験はありませんか?
実は、日本語の「美味しい」と中国語の「好吃」には、発音のコツや使い分けにちょっとしたルールがあるんです。カタカナの「ハオチー」を卒業して、ネイティブにしっかり伝わる「美味しい」をマスターしましょう!
そもそも中国語で「美味しい」はどう発音する?
まず基本となるのは「好吃」という言葉です。漢字で見ると「好(良い)」+「吃(食べる)」で、納得の組み合わせですよね。
伝わる発音の鍵は「第3声」と「第1声」の組み合わせ
中国語には「四声(声調)」という音の高さのルールがあります。これがズレていると、どんなに言葉を知っていてもなかなか伝わりません。「好吃(hǎochī)」をマスターするためのポイントは以下の2点です。
1. 「好(hǎo)」は低く抑える
「好」は第3声という音です。日本語の「ハオ」のように高く発音するのではなく、喉の奥をグッと抑えるように低く発音します。ガッカリした時に「あぁ……」と言う時のような低いトーンから始めると、ぐっと中国語らしくなります。
2. 「吃(chī)」は高く平らにキープ
後半の「吃」は第1声です。こちらは救急車のサイレンの「ピーポー」の高い方の音、あるいは合唱の練習で出す「ラ」の音くらい高い位置で、真っ直ぐ横に伸ばします。
この「低く抑えた『ハオ』」から「高く突き抜ける『チー』」へのジャンプが、きれいな発音の正体です。
「チー」は日本語の「チ」とは違う?
ここが一番の差別化ポイントです。日本語の「チ」は口を横に引きますが、中国語の「chi」は「そり舌音」といって、舌先を口の中の天井(硬口蓋)に向かって軽く持ち上げます。
アヒルの口のように少し唇を突き出し、籠もったような音で「チー」と言うと、一気にプロっぽい響きになります。
食べ物と飲み物で言葉が変わる?「好吃」と「好喝」の使い分け
日本語ではラーメンもビールも「美味しい」と言いますが、中国語では対象によって動詞を使い分ける必要があります。
噛んで食べるものは「好吃(hǎochī)」
肉料理、麺類、野菜炒め、点心、デザートなど、歯を使って食べるものはすべて「好吃」です。
ゴクゴク飲むものは「好喝(hǎohē)」
お茶、コーヒー、ジュース、お酒などは、動詞が「喝(hē:飲む)」に変わるため、「好喝」と言います。
日本人が迷いやすい「スープ」と「おかゆ」
ここで注意したいのが、スープ(湯)とおかゆ(粥)です。これらはレンゲで口に運びますが、中国語の感覚では「飲むもの」に分類されます。そのため、美味しい時は「好喝」と言うのが正解です。
逆に、スイカやメロンなどの水分たっぷりの果物は、飲み込むのではなく「食べる」ものなので「好吃」を使います。この境界線を覚えるだけで、あなたの中国語は格段に自然になりますよ。
感情をもっと伝えたい!「美味しい」のバリエーション
単に「好吃」と言うだけでも伝わりますが、副詞を組み合わせることで、どれくらい美味しいのかを表現できるようになります。
「とても美味しい」と強調する
- 很好吃(hěn hǎochī)最も一般的な「とても美味しい」です。中国語では「好」の前に「很」をつけるのが習慣のようなもの。迷ったらこれを使えば間違いありません。
- 真好吃(zhēn hǎochī)「本当に美味しい!」と、心からの実感を込める時に使います。友達の家で手料理をご馳走になった時などに最適です。
- 太好吃了!(tài hǎo chī le)「美味しすぎる!」という最高の賛辞です。語尾に「了」をつけることで、感動が溢れ出しているニュアンスが伝わります。
「悪くない」は立派な褒め言葉
- 不錯(bú cuò)直訳すると「間違っていない=悪くない」ですが、中国語では「なかなかいけるね」「結構美味しいね」というポジティブな意味で頻繁に使われます。控えめに褒めたい時に便利です。
五感で伝える「美味しそう」と「食感」の魔法
料理は味だけでなく、見た目や香り、食感も大切ですよね。これらを表現するフレーズを知っていると、食卓の会話がもっと弾みます。
食べる前に使える「美味しそう!」
- 好香!(hǎo xiāng)料理がテーブルに運ばれてきた瞬間、いい香りが漂ってきたらこの一言。中国では「美味しそう」の代わりに「いい香り!」と言うことがとても多いです。
- 看(上去)很好吃(kàn shàng qù hěn hǎochī)見た目が華やかで、「わあ、美味しそう」と思った時に使います。
食感を褒める豊かな言葉
最近のSNSでもよく見かける表現を取り入れてみましょう。
- QQ(キューキュー)台湾発祥の表現ですが、今や中華圏全域で通じます。タピオカや麺、お餅などの「もちもちした弾力」を指します。
- 脆(cuì)春巻きや唐揚げなどの「サクサク」「パリパリ」した心地よい食感です。
- 嫩(nèn)お肉や豆腐が「柔らかくて瑞々しい」状態を指します。
- 外焦里嫩(wài jiāo lǐ nèn)「外はカリッと、中はジューシー」という、焼き物や揚げ物に対する最高の褒め言葉です。
地域による違い?「ハオチー」か「ハオツー」か
中国語を勉強していると、人によって「ハオツー」と聞こえることに気づくかもしれません。
これは、中国の北の方では舌を巻く「そり舌音」が強く、はっきりと「ハオチー(chi)」と発音されるのに対し、台湾や中国南方では舌をあまり巻かない「ハオツー(ci)」に近い発音になる傾向があるからです。
どちらが間違いというわけではありませんが、旅行先が台湾なら「ハオツー」と言った方が、現地の空気に馴染むかもしれません。逆に北京などの北方では、しっかり舌を巻いて発音した方がスマートに聞こえます。
実践!食事の席で使えるマナーフレーズ
美味しい料理を満喫した後は、感謝の気持ちを伝えて締めくくりましょう。
- 我吃飽了(wǒ chī bǎo le)「お腹いっぱいです(ごちそうさま)」の意味です。
- 謝謝、很好吃(xièxie hěn hǎochī)中国には日本語の「ごちそうさま」のような一言の決まり文句はありませんが、店員さんやホストに「ありがとう、美味しかったよ」と伝えるのが最高のマナーです。
もし、中国人の友人に招待されたなら、ぜひ料理を少しだけ残すか、あるいは「食べきれないほどたくさんのおもてなしをありがとう」という意を込めて「太飽了(お腹がはちきれそう!)」と言ってみてください。
中国語で「美味しい」の発音は?ハオチーのコツや食べ物・飲み物の使い分けを解説のまとめ
いかがでしたか?
中国語で「美味しい」を伝えるためには、まず**「好吃(hǎochī)」と「好喝(hǎohē)」の使い分け**を意識することが第一歩です。そして、低い「好」から高い「吃」へジャンプする声調を意識すれば、あなたの言葉は驚くほど現地の人に伝わるようになります。
中国語 会話 フレーズブックなどを一冊持っておくと、今回ご紹介した「美味しい」以外の表現もさらに広がります。
美味しい料理は、言葉の壁を越えて人々を笑顔にします。次に中華料理を食べる時は、ぜひ勇気を出して、感情を込めた「很好吃!」を届けてみてください。その一言が、新しいコミュニケーションの扉を開いてくれるはずです。

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