プロテインバーを食べたら、なんだかお腹が張る…ガスがたまって苦しい…
こんな経験、ありませんか?
「手軽にタンパク質が補えるのに」「せっかく健康や筋トレのために始めたのに」
その不調、もしかしたらプロテインバーに含まれるある成分が原因かもしれません。
今日は、プロテインバーでお腹が張る理由と、その対策、そして自分に合ったプロテインバーの選び方まで、しっかりお話ししていきます。
プロテインバーでお腹が張る、その理由は「発酵」にある
まずは根本的な原因から。プロテインバーを食べた後の膨満感やガス、腹痛の多くは、あなたの腸内で起きている「発酵」が関係しています。
プロテインバーは、高タンパクで低糖質、食物繊維も豊富、というのが一般的な売り文句です。しかし、この「食物繊維」や「甘み」を作り出すために使われる添加物こそが、お腹の張りの大きな原因になっていることが多いのです。
体質によって感じ方は大きく異なりますが、原因は主に次の4つに分けられます。
原因1:高濃度の「特定の食物繊維」に要注意
「食物繊維が豊富」は健康に良さそうですが、その種類と量が問題です。
多くのプロテインバーには、「イヌリン」や「チコリ根食物繊維」、「オリゴフルクトース」といった食物繊維が添加されています。これらは「水溶性食物繊維」の一種で、腸内で善玉菌のエサになるプレバイオティクスとして注目されている成分です。
しかし、ここに落とし穴が。
プロテインバー1本の中には、場合によっては10〜15gものこうした食物繊維が含まれていることがあります。これは、成人の1日の推奨摂取量の約半分に相当する高濃度です。
私たちの消化管は、急に大量の特定の食物繊維が入ってくると処理しきれません。未消化のまま大腸に届いた食物繊維は、そこで腸内細菌によって「過剰に」発酵します。この発酵過程で発生するガスが、お腹の張りや膨満感の正体なのです。
原因2:糖アルコール(人工甘味料)が引き金になる
「低糖質」「砂糖不使用」を実現するために、多くのプロテインバーに使われているのが「糖アルコール」です。
原材料表示で、「ソルビトール」「マンニトール」「キシリトール」「エリスリトール」などの名前を見たことはありませんか?これらが糖アルコールです。
糖アルコールは、小腸でほとんど吸収されないという性質を持っています。そのため、ほとんどそのままの形で大腸に直行します。そして、先ほどの食物繊維と同様に、腸内細菌のエサとなり、発酵によってガスを発生させます。
厄介なのは、この糖アルコールの許容量が人によって大きく異なることです。5g程度でお腹がゴロゴロしてしまう人もいれば、15g以上平気で食べられる人もいます。「友達は大丈夫なのに、なぜ自分だけ?」と感じるのは、この個人差が大きいからなのです。
原因3:意外な盲点、乳糖(ラクトース)不耐症
プロテインバーの主成分である「タンパク質」。その原料にも原因が潜んでいることがあります。
牛乳から作られる「ホエイプロテイン」や「カゼインプロテイン」は、非常に良質なタンパク質源ですが、微量の「乳糖(ラクトース)」を含んでいることがあります。
日本人を含む多くのアジア人は、乳糖を分解する消化酵素「ラクターゼ」の活性が低く、「乳糖不耐症」の傾向があります。未消化の乳糖が大腸で発酵することで、ガスや下痢、膨満感を引き起こすのです。
「牛乳を飲むとお腹がゆるくなる」という自覚がある人は、この乳糖が原因の可能性が高いでしょう。
原因4:タンパク質原料そのものによる刺激
最後に、タンパク質の原料そのものが体質に合わないケースです。
- 大豆(ソイ)プロテイン:大豆に含まれる「レクチン」というタンパク質が、一部の人において腸の粘膜を刺激し、消化不良や膨満感を引き起こすことが報告されています。
- グルテン:小麦由来のプロテインや、バーのつなぎに小麦粉が使われている場合、グルテン不耐症や過敏症の人は症状が出ることがあります。
お腹を壊さないプロテインバーの選び方・食べ方 完全ガイド
ここまでの原因がわかれば、対策は見えてきます。鍵は「原材料表示を読む習慣」と「食べ方の工夫」です。
選び方:原材料表示を「見るべきポイント」
次にプロテインバーを買うときは、パッケージの裏面をよく見てみましょう。
1. 糖アルコールと高濃度食物繊維を避ける
「ソルビトール」「マンニトール」「イヌリン」「チコリ根」などの表示があるか確認します。これらが上位に表示されている(=多く含まれている)ものは、初めて食べる時は要注意です。可能であれば、これらの代わりに、はちみつ、メープルシロップ、デーツなどの天然由来の甘味料を使用している製品を探してみてください。
2. 乳糖不耐症の人は「WPI」を選ぶ
ホエイプロテインを使っているバーが良い場合は、「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」と表示されたものを選びましょう。WPIは、ホエイプロテインの中でも特に乳糖と脂肪が除去された精製度の高いタイプです。もしくは、最初から植物性プロテイン(エンドウ豆、玄米、麻の実など)を主原料としたバーを選択するのも有効な手です。
3. 大豆やグルテンが気になる人は「フリー」表示を確認
「大豆不使用」や「グルテンフリー」と明記されている製品が増えています。特にグルテンフリーのものは、小麦の代わりにオーツやナッツ類を使っていることが多く、食物繊維の種類も異なるため、相性が良い場合があります。
食べ方:体を慣らす3つのコツ
1. 「まずは半分」から始める
新しいプロテインバーを試すときは、いきなり1本全部食べるのではなく、半分や3分の1など、少量から始めてみてください。翌日のお腹の調子を見ながら、徐々に量を増やしていく「慣らし運転」が効果的です。
2. 必ず「水」と一緒に摂る
これは特に重要です。プロテインバー、特に食物繊維が多いものを食べるときは、必ずコップ1杯(200ml程度)以上の水やお茶と一緒に摂取しましょう。水分が食物繊維を適度に膨らませ、消化管をスムーズに通過させる手助けをします。脱水状態で食べるのは、便を硬くするようなもので、かえってガスがたまりやすくなります。
3. 一度に大量に食べない
タンパク質補給を急ぐあまり、1日に何本も食べてしまうと、当然お腹への負担は大きくなります。1回の摂取は多くても1本まで。必要ならば、朝と午後に分けるなど、回数を分散させましょう。
根本から考える:プロテインバーに頼りすぎていませんか?
ここまでプロテインバーそのものの対策を見てきましたが、もう一歩引いて考えてみましょう。
プロテインバーは、あくまでも「補助食品」です。忙しい時、トレーニング後の即時補給に、非常に便利なツールですが、栄養の基本は多様な食材からなる普通の食事です。
もしプロテインバーに過度に依存している自覚があれば、少し見直す時期なのかもしれません。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品は、腸内環境そのものを整えてくれます。野菜、海藻、豆類からは、プロテインバーに添加されているような「単一の」食物繊維ではなく、多様な食物繊維を摂取できます。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、心身の健康に直結する器官です。プロテインバーでお腹が張るということは、あなたの腸からの「ちょっと合っていないかも」というサインかもしれません。その声に耳を傾けることが、本当の健康への第一歩です。
プロテインバーでお腹が張る時のQ&A
最後に、よくある疑問をまとめます。
Q. 今まで平気だったのに、急に同じバーでお腹が張るようになりました。なぜ?
A. 体調(疲れ、ストレス、睡眠不足など)や、その時の腸内細菌のバランスは日々変化しています。また、同じ成分を継続して摂取し続けることで、腸が敏感に反応するようになることもあります。一度そのバーの摂取をやめて体調を整え、その後再開してみるか、別の製品に切り替えてみることをおすすめします。
Q. プロテインバーを毎日食べても大丈夫?
A. 先ほども述べたように、主食のように毎日食べ続けるのはおすすめしません。食事の代わりとしてではなく、あくまで「足りない分を補う」という位置づけで、1日1本を目安にしましょう。そして、プロテインバー以外の食事の内容(野菜の量、発酵食品など)をより充実させる意識を持ってください。
Q. あまりにも下痢や腹痛がひどい場合は?
A. 明らかに体調が悪化する、痛みが強い、症状が長引く場合は、自己判断せずに消化器内科などの医療機関を受診してください。プロテインバーが直接の原因ではなく、別の疾患が隠れている可能性もあります。特に、犬などペットが誤って食べてしまった場合は、糖アルコールによって重篤な低血糖を起こす危険性があるため、直ちに獣医師の診察を受けてください。
プロテインバーによるお腹の張りは、あなたの体質と製品の成分との「ミスマッチ」です。今日お話ししたように、原材料表示を読み解く目を養い、食べ方を少し工夫するだけで、その不快感は大幅に改善できるはずです。
無理せず、ご自身の体と対話しながら、快適なプロテイン生活を送ってくださいね。

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