「うどん県」こと香川県に足を踏み入れた瞬間、漂ってくるのは芳醇ないりこ出汁の香り。一口に「美味しい讃岐うどん」と言っても、実はその奥深さは底知れません。喉を駆け抜けるような滑らかな麺、噛むほどに押し返してくる弾力、そして黄金色に輝くスープ。
「本場の行列店はどこが違うの?」「家で茹でるとどうしてもコシが出ない……」そんな悩みを持つあなたのために、現地で愛される名店から、自宅での再現テクニックまで、その魅力を余すことなくお届けします。
讃岐うどんが「美味しい」と言われる本当の理由
なぜ香川県のうどんは、これほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。その秘密は、香川特有の気候が生んだ「三白(さんぱく)」にあります。三白とは、小麦、塩、そして砂糖のこと。これに加えて、瀬戸内海で獲れる質の高いいりこ(カタクチイワシ)が揃ったことで、世界に誇るうどん文化が花開きました。
讃岐うどんの代名詞である「コシ」は、単なる硬さではありません。プロの世界では、麺の外側が水分をたっぷり含んで柔らかく、中心部にいくほど密度が高まっていく状態を理想とします。この「多加水熟成」によって生まれるモチモチとした食感こそが、他のうどんにはない唯一無二の魅力なのです。
また、出汁の主役である伊吹いりこは、煮干し特有の雑味が少なく、力強いのに上品な後味が特徴。この出汁を一口飲めば、これまでのうどんの概念が覆されるはずです。
本場で絶対に行きたい!美味しい讃岐うどんの名店
香川県内には600を超える店舗がありますが、その中でも「ここだけは外せない」という聖地を紹介します。
がもううどん(坂出市)
田園風景の中に突如として現れる、行列の絶えない超有名店です。ここの魅力は、なんといっても「麺ののどごし」。セルフ形式で、温かい麺か冷たい麺を選び、自分で出汁をかけます。サイドメニューの大きな「あげ」は必須トッピング。出汁をたっぷり吸った甘いあげと、麺のコントラストが最高です。
山越うどん(綾川町)
「かまたまうどん」を全国区に広めたレジェンド店です。茹であげた直後の熱々の麺に生卵を絡め、専用の醤油を垂らして食べるスタイルは、まるで濃厚なカルボナーラのよう。お庭のような開放的なスペースで食べる体験も、本場ならではの楽しみです。
長田 in 香の香(善通寺市)
「釜あげうどん」を極めたいならここ以外ありません。大きな徳利に入って提供される熱々の出汁は、いりこの香りが非常に濃厚。麺を食べ終わった後、残った出汁をそのまま飲み干してしまう人が続出するほど、中毒性の高い一杯です。
日の出製麺所(坂出市)
本来は麺の卸がメインの製麺所ですが、お昼時の1時間だけ店内で食べることができます。究極の「打ち立て・茹でたて」を味わえるのが最大の特権。ネギや天かすなどの薬味はテーブルに置いてあり、自分でハサミを使ってネギを切るスタイルに驚くかもしれません。
手打十段 うどんバカ一代(高松市)
伝統を大切にしつつ、革新的なメニューで若者からも支持される人気店です。看板メニューの「釜バターうどん」は、熱々の麺にバターと粗挽き黒胡椒、そして生卵を投入。パンチの効いた味わいは、一度食べると忘れられません。
本場流!セルフ店での注文ガイド
香川のうどん店には、独特のルールが存在します。初めて行くと戸惑うことも多い「セルフ店」の流れを予習しておきましょう。
- 店内に入ったら、まず「麺の種類」と「玉数」を注文します。「1玉」が基本ですが、美味しいので「2玉」頼む人も多いです。
- 麺を受け取ったら、自分でテボ(網)を使って麺を温める店もあります(温め時間は数秒でOK)。
- 好きな天ぷらやおにぎりをお皿に取ります。
- お会計を済ませます。
- 出汁のタンクから、自分で出汁を注ぎます。
- ネギ、生姜、天かすなどの薬味をのせます。
ここで重要なのが「生姜」です。多くの店ではワサビではなく生姜が置かれています。いりこ出汁の風味を一番引き立てるのは、実は生姜。ぜひ少し多めに入れてみてください。
自宅で美味しい讃岐うどんを再現するプロの茹で方
せっかく讃岐うどん 生麺をお取り寄せしても、茹で方一つで味が台無しになってしまうことがあります。お家で本場のコシを出すための鉄則をお伝えします。
お湯の量は「麺の10倍」が鉄則
一番多い失敗は、小さな鍋で茹でてしまうこと。300gの麺を茹でるなら、最低でも3リットルのお湯が必要です。お湯が少ないと、麺から溶け出した塩分や澱粉でドロドロになり、麺がのびやすくなってしまいます。
「差し水」は絶対に行わない
吹きこぼれそうになったとき、昔ながらの知恵で「差し水(びっくり水)」をしたくなりますが、これは厳禁です。差し水をするとお湯の温度が急激に下がり、麺の表面だけがふやけて芯が残る「片茹で」状態になります。火加減を調整して、お湯の対流で麺が踊る状態をキープしましょう。
冷水での「もみ洗い」が命
茹であがった麺は、すぐに冷水(できれば氷水)で締めます。このとき、ただ水に浸すのではなく、両手でしっかりともみ洗いして表面のぬめりを取り除いてください。この工程で、麺に美しい光沢と「角」が生まれます。
究極のトッピングを揃える
自宅で食べるなら、出汁にもこだわりたいところ。鎌田醤油 うどん醤油があれば、かけるだけで本場の味が完成します。また、揚げたてのちくわ天を用意すれば、そこはもう香川の有名店です。
種類別!美味しい讃岐うどんの食べ分け術
その日の気分や気温に合わせて、食べ方を変えるのが通の楽しみ方です。
- かけ(温): 基本中の基本。出汁の旨味をダイレクトに感じたいときに。
- ぶっかけ(冷): 濃いめの出汁を少量かけ、レモンや大根おろしでさっぱりと。麺のコシを最も強く感じられます。
- 釜あげ: 茹で汁ごと提供されるスタイル。麺が柔らかく、小麦の香りが一番引き立ちます。
- しょうゆ: 茹でたての麺に醤油をひと回し。シンプルだからこそ、麺自体の美味しさが問われる玄人好みの食べ方です。
まとめ:自分だけの「美味しい讃岐うどん」を見つけよう
讃岐うどんの世界は、シンプルでありながら奥深く、一度ハマると抜け出せない魅力があります。香川へ足を運んで行列に並ぶ楽しさ、そして自宅で究極の一杯を茹で上げる喜び。どちらも「美味しい」という感動に直結しています。
まずは気になるお店の味を取り寄せたり、現地への旅を計画したりすることから始めてみませんか?麺一本一本に宿る職人のこだわりを感じたとき、あなたの食卓はもっと豊かになるはずです。
讃岐うどん ギフトを大切な人に贈って、この感動を共有するのも素敵ですね。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ最高に美味しい讃岐うどん10選!本場の人気店から自宅で楽しむ秘訣まで徹底解説の内容を、あなたの日常に取り入れてみてください。

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