「なんだかお腹が空いてきちゃった……」
読み聞かせをしている最中に、お子さんがそんな声を漏らしたら、それは最高の絵本に出会えた証拠かもしれません。
食べ物がテーマの「美味しい絵本」は、子どもの想像力を刺激するだけでなく、食への興味を引き出す「食育」の入り口としても大きな役割を果たしてくれます。ページをめくるたびに広がる、湯気が立ち上りそうな料理や、つやっつやの果物。
今回は、0歳から小学生まで、年齢や成長に合わせて選びたい「本当に美味しそうな絵本」を厳選してご紹介します。
赤ちゃんが夢中になる!五感を刺激する「美味しい絵本」
まだ言葉が分からない赤ちゃんでも、食べ物の色彩やリズムの良い言葉には敏感に反応します。この時期は「食べる真似」ができるような、シンプルで力強い描写の本がおすすめです。
1. 究極の写実美『くだもの』
まずは、ロングセラーのくだものです。
平山和子さんの描く果物は、写真以上に本物らしく、瑞々しさが紙面から溢れ出しています。スイカ、モモ、ブドウ……。「さあ どうぞ」という呼びかけに合わせて、子どもたちが思わず手を伸ばして、つかんで口に運ぶ仕草を見せてくれるはずです。
2. リズムで楽しむ『おいし~い』
石津ちひろさんのおいし~いは、赤ちゃんが初めて出会う「美味しさの表現」にぴったり。
食べ物を口に入れたときの、幸せそうな赤ちゃんの表情がとにかく可愛らしい一冊です。読み聞かせながら「おいしいね」と声をかけることで、食事の時間が楽しいものだという記憶が刻まれていきます。
3. お返事したくなる『おべんとうバス』
お弁当の具材たちが次々とバスに乗り込むおべんとうバスは、参加型の読み聞かせに最適です。
「ハンバーグくん!」「はーい!」というやり取りは、1歳を過ぎたあたりから子どもたちが喜んで真似し始めます。苦手な野菜があっても、絵本の中で楽しそうにしている姿を見ると、親近感が湧いてくるから不思議ですね。
3歳〜5歳が夢中!作る工程と音が楽しい「美味しい絵本」
この年代になると、材料が混ざり、火が通り、形を変えていく「料理のプロセス」に強い興味を持ち始めます。擬音語(オノマトペ)が豊かな本を選ぶと、読み聞かせがぐっと盛り上がります。
4. 音で味わう名作『しろくまちゃんのほっとけーき』
世代を超えて愛されるしろくまちゃんのほっとけーき。
この本の最大の見どころは、ホットケーキが焼ける見開きシーンです。「ぽたあん」「ぷつぷつ」「どろどろ」「ぴちぴち」……。視覚と聴覚の両方でホットケーキが完成していく様子を味わえます。読み終わった後に「明日の朝ごはんはホットケーキにしようか!」と約束したくなる一冊です。
5. 重ねる楽しさ『サンドイッチ サンドイッチ』
小西英子さんの描く食べ物は、どれも「シズル感」が凄まじいです。
サンドイッチ サンドイッチでは、パンにバターを塗り、レタスをのせ、ハムをのせ……と、サンドイッチが出来上がるまでを丁寧に追いかけます。マヨネーズが絞り出される描写のリアルさには、大人でも喉が鳴ってしまうほど。
6. あこがれの黄色いカステラ『ぐりとぐら』
「美味しい絵本」を語る上で絶対に外せないのがぐりとぐらですよね。
森で見つけた大きなたまごを使って、二匹が大きなフライパンでカステラを焼く。ふたを取った瞬間の、あのふっくらとした黄色いカステラの美しさは、多くの子どもたちにとっての「理想の食べ物」として記憶に残ります。
7. 野菜が好きになる『おやおや、おやさい』
言葉遊びとユーモアが満載のおやおや、おやさい。
マラソン大会に出場する野菜たちが、コミカルに動き回ります。普段は食卓で敬遠されがちな野菜も、こんなふうに個性豊かに描かれると、なんだかお友達のような感覚に。食育のきっかけ作りとして非常に優秀な絵本です。
小学生になっても楽しめる!文化や背景を知る「美味しい絵本」
小学生になると、単なる「食べ物の描写」だけでなく、その背景にある家族の物語や、食べ物の成り立ちについても理解できるようになります。
8. 日本の食卓の原風景『きょうのごはん』
加藤休ミさんのきょうのごはんは、クレヨンで描かれた圧倒的な質感の料理が魅力です。
焼き魚の焦げ目、お味噌汁の湯気、コロッケの衣のサクサク感。それぞれの家庭から漂ってくる匂いまで伝わってきそうな描写は、日本の「食」の豊かさを再認識させてくれます。
9. 知識と驚き『パンのずかん』
大森裕子さんのパンのずかんは、図鑑形式でさまざまなパンを紹介しています。
メロンパン、クロワッサン、カレーパン……。「どれが食べたい?」と指差しで遊ぶのも楽しいですし、パンのルーツを知る学びの要素も含まれています。パン好きのお子さんにはたまらない一冊です。
10. 想像力が爆発する『ノラネコぐんだん パンこうじょう』
工藤ノリコさんの人気シリーズノラネコぐんだん パンこうじょう。
美味しいパンを自分たちで作ろうとして大騒動を巻き起こすノラネコたちの姿に、子どもたちは大爆笑。お話としての面白さはもちろん、膨らみすぎた巨大パンの描写は、絵本ならではの「食べることへのワクワク感」に満ちています。
読み聞かせがもっと楽しくなる!「美味しそうに」読むコツ
せっかく美味しい絵本を読むなら、お子さんの耳にも「美味しく」届けたいですよね。プロの読み聞かせでも使われる、ちょっとしたコツをご紹介します。
- 食べるマネを取り入れる:「ぱくぱく」「もぐもぐ」という言葉に合わせて、実際に食べる動作をしてみましょう。お子さんの口に「はい、どうぞ」と持っていくと、物語の世界が現実とリンクして、より深い体験になります。
- 香りを嗅ぐ仕草をする:ページを開いた瞬間に「うわあ、いい匂いがしてきたね」と鼻をくんくんさせてみてください。視覚情報に「嗅覚」の想像力が加わることで、絵本の料理がさらにリアリティを増します。
- 「間」を恐れない:特に『しろくまちゃんのほっとけーき』のように、変化を楽しむシーンでは、ページをめくる前に一呼吸おいてください。「次はどうなるかな……?」という期待感が、美味しさを倍増させます。
食育としての絵本の役割
「美味しい絵本」は、単なる娯楽ではありません。実は、子どもの食事に対する心理的なハードルを下げる効果があると言われています。
例えば、ピーマンが嫌いな子でも、絵本の中でピーマンがかっこよく活躍していたり、美味しそうに調理されていたりするシーンを見ると、「一口だけ食べてみようかな」という勇気が湧いてくることがあります。
また、料理を作る工程を知ることで、食事を準備してくれる人への感謝の気持ちや、食べ物を大切にする心が自然と育まれていきます。言葉で「残さず食べなさい」と言うよりも、一冊の絵本が持つ力の方が、子どもの心に深く届くこともあるのです。
プレゼントにも最適!外さない一冊の選び方
お友達のお子さんへのプレゼントや、出産祝いに「美味しい絵本」を選ぶなら、以下のポイントを意識してみてください。
- ロングセラーを選ぶ:ぐりとぐらやはらぺこあおむしのような名作は、親世代も知っているため、共通の話題になりやすく喜ばれます。
- 仕掛けがあるものを選ぶ:穴が空いていたり、ページが大きく開いたりする仕掛け絵本は、小さな子どもの目を引きつけます。
- インテリアに馴染むもの:絵が美しい本は、読み終わった後に棚に飾っておくだけで部屋が華やかになります。
まとめ:美味しい絵本おすすめ20選!0歳から小学生まで食育や読み聞かせに人気の名作を紹介
いかがでしたでしょうか。
「美味しい絵本」には、お腹だけでなく心まで満たしてくれる不思議な力があります。一冊の絵本を通じて「これ食べてみたいね」「今度一緒に作ってみようか」という会話が生まれる。その時間は、子どもにとって何よりの栄養になるはずです。
今回ご紹介したくだものやしろくまちゃんのほっとけーきなどの名作たちは、どれも時代を超えて子どもたちの食欲と好奇心を刺激し続けてきたものばかり。
ぜひ、今夜の読み聞かせには、ページの中から美味しそうな匂いが漂ってくるような、素敵な一冊を選んでみてください。親子で「ごちそうさま!」と笑顔になれる瞬間が、そこには待っています。
美味しい絵本おすすめ20選!0歳から小学生まで食育や読み聞かせに人気の名作を紹介、最後までお読みいただきありがとうございました。

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