「今日のご飯、何にしよう?」と迷ったとき、真っ先に候補に挙がるのがお鍋ですよね。なかでも「水炊き」は、シンプルだからこそ素材の味がダイレクトに伝わる、究極のご馳走です。
でも、いざ作ってみると「お店のような濃厚なコクが出ない」「お肉がパサついてしまう」なんて悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。実は、水炊きには「美味しい」を作るためのちょっとしたコツと、知っておきたい歴史があるんです。
今回は、本場・博多風と馴染み深い関西風の違いから、家庭でプロの味を再現するテクニック、さらには一度は食べてみたい名店情報まで、水炊きの魅力を余すことなくお届けします。この記事を読み終える頃には、あなたも「水炊きマスター」になっているはずですよ。
水炊きには2つの種類がある?博多風と関西風の違いを知ろう
一口に「水炊き」と言っても、実は地域によって全く別物と言っていいほどスタイルが異なります。まずは、そのルーツと特徴を整理してみましょう。
鶏の旨味を凝縮させた「博多風」
博多の水炊きは、鶏肉を骨ごと長時間煮込んだ「白濁スープ」が最大の特徴です。戦前に西洋料理や中華料理の技法をヒントに考案されたと言われており、もはやスープそのものが主役。コラーゲンたっぷりで、とろりとした口当たりが女性にも大人気です。
素材を活かすシンプル派の「関西風」
一方、家庭で一般的に親しまれているのは関西・京都風のスタイルです。こちらは昆布だしをベースにした「澄んだスープ」で、鶏肉だけでなく野菜や豆腐の味をじっくり楽しみます。ポン酢でさっぱりといただく、飽きのこない美味しさが魅力ですね。
どちらが正解というわけではありませんが、自分がどちらの「美味しい」を目指したいかによって、準備する具材や手順が変わってきます。
家庭でプロの味を再現!美味しい水炊きを作る3つの鉄則
お店で食べるような、深い味わいの水炊きを家で作るにはどうすればいいのか。プロも実践している、絶対に外せないポイントをご紹介します。
1. 鶏肉の「霜降り」で雑味をシャットアウト
鶏肉をそのまま鍋に入れていませんか?これが、スープが濁ったり臭みが出たりする原因です。
まずは、鶏肉(特に手羽元やもも肉)を熱湯にさっとくぐらせ、表面が白くなったらすぐに冷水にとりましょう。血合いや余分な脂を洗い流すこのひと手間で、スープの透明感とキレが劇的に変わります。
2. 「水から炊く」のが美味しさの秘訣
「お湯が沸いてから具材を入れる」のが鍋の常識と思われがちですが、水炊きは名前の通り「水から」が基本です。冷たい水に鶏肉を入れてじっくり加熱することで、肉のタンパク質がゆっくりと固まり、旨味が外に逃げ出さずにスープへと溶け出します。
3. 骨付き肉を必ず混ぜること
スーパーで売っているもも肉の切り身だけで作ると、どうしても出汁の出方が弱くなります。ぜひ、手羽元や手羽先など、骨付きの部位を一緒に煮込んでください。骨から出るエキスこそが、あの濃厚なコクを生み出す魔法のスパイスになるのです。
具材を入れる順番が命!最後まで美味しく食べる黄金ルート
水炊きには、美味しさを最大化するための「食べる順番」が存在します。特におもてなしの席では、この流れを知っているだけで一目置かれますよ。
まずはスープと肉だけで「鶏の純度」を楽しむ
鍋が沸騰して鶏肉に火が通ったら、まずはスープだけを湯呑みに取って、少量の塩やネギを散らして飲んでみてください。これこそが水炊きの醍醐味です。次に、ホロホロになった鶏肉をポン酢でいただきます。野菜を入れる前の、純粋な鶏の旨味を堪能しましょう。
野菜は「キャベツ」が博多流の正解
次に野菜を加えますが、ここでポイント。博多の水炊きでは白菜ではなく「キャベツ」を使うことが多いんです。白菜は水分が多くスープが薄まってしまいますが、キャベツは甘みが強く、濃厚な鶏出汁に負けない存在感を発揮します。
つくねと豆腐でボリュームアップ
野菜に火が通ってきたら、ふわふわのつくねを投入しましょう。つくねに軟骨を混ぜると食感のアクセントになります。豆腐はあまり煮込みすぎず、芯まで温まったくらいのタイミングが一番美味しいですね。
厳選!一度は食べてみたい水炊きの名店とこだわり
自分で作るのもいいけれど、やはりプロがこだわった究極の一杯も知っておきたいもの。全国的に有名な名店の特徴を見てみましょう。
銘柄鶏へのこだわりが光る「華味鳥」
九州の豊かな自然の中で育てられた「華味鳥」を使用しているこのお店は、お取り寄せでも有名です。専用の水炊きセットを利用すれば、家でも簡単に本格的な味が再現できると評判。酸味を抑えたオリジナルのポン酢が、鶏の甘みを引き立てます。
歴史と伝統の重みを感じる「新三浦」
明治時代から続く老舗では、継ぎ足しで作られる真っ白なスープが自慢です。まるでミルクのように濃厚なのに、後味はさらりとしている不思議な感覚。こうした名店の味を目標に、家庭での出汁取りを研究してみるのも楽しいですよ。
水炊きをもっと楽しむ!最高の薬味と〆のバリエーション
最後の一滴まで美味しく食べるために、味変(あじへん)のテクニックと最高のフィナーレを用意しましょう。
欠かせないのは「柚子胡椒」
水炊きの最高の相棒といえば、やはり柚子胡椒です。爽やかな香りとピリッとした刺激が、鶏の脂をリセットしてくれます。最近では柚子胡椒も、赤唐辛子を使ったものや青唐辛子の香りが強いものなど種類が豊富なので、お気に入りを探してみるのもおすすめ。
〆は「雑炊」か「ちゃんぽん麺」か
具材を食べ終えた後のスープは、あらゆる旨味が凝縮された「宝物」です。
ご飯を入れて卵でとじる雑炊は、胃に優しく染み渡る定番の美味しさ。
一方で、博多風の濃厚スープなら「ちゃんぽん麺」も捨てがたい選択です。太めの麺がスープをしっかり持ち上げ、大満足の締めくくりになります。
身体も心も温まる!美味しい水炊きで至福のひとときを
水炊きは、シンプルな調理法だからこそ、素材選びやちょっとした下準備で驚くほど味が変わる奥深い料理です。丁寧に取ったスープを一口飲んだ瞬間のあの幸福感は、何物にも代えがたいですよね。
コラーゲンたっぷりで美容にも良く、野菜をたくさん摂れるので健康面でも文句なし。家族や友人と鍋を囲む時間は、心まで温めてくれます。
今回ご紹介した下処理のコツや具材の順番を意識して、ぜひ今夜は「最高に美味しい水炊き」に挑戦してみてください。きっと、いつもの食卓が特別なレストランに変わるはずですよ。

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