秋の足音が聞こえてくると、無性に恋しくなるのが「美味しい栗きんとん」ですよね。でも、いざ探してみると「おせちの甘い栗きんとん」と「和菓子の栗きんとん」が混ざっていたり、どのお店が本当に美味しいのか迷ってしまったりすることはありませんか?
この記事では、栗本来の風味を存分に味わえる「茶巾絞り」の栗きんとんを中心に、絶対に外さない名店や選び方のコツを詳しくお届けします。読んだ後には、あなたにとっての「最高の一粒」が見つかるはずですよ。
そもそも「美味しい栗きんとん」とは?2つの種類を整理しよう
まず最初に、私たちが探し求めている「美味しい栗きんとん」の正体を確認しておきましょう。実は、日本には大きく分けて2種類の栗きんとんが存在します。
1つは、お正月のおせち料理でおなじみのもの。さつまいもの餡(あん)に栗の甘露煮を混ぜた、粘り気のある黄金色の料理です。こちらは「金団(きんとん)」という名前の通り、財運を願う縁起物として親しまれています。
もう1つが、今回メインでご紹介する岐阜県の中津川や恵那地方を発祥とする和菓子です。こちらは、蒸した栗の実を丁寧に取り出し、少量の砂糖を加えて炊き上げ、茶巾で絞って形を整えたもの。原材料は基本的に「栗」と「砂糖」だけという、究極にシンプルな贅沢品です。
「栗そのものよりも栗らしい」と言われるほど、凝縮された風味を楽しめるのが、和菓子の栗きんとんの最大の魅力。このシンプルな引き算の美学こそが、多くの人を虜にする理由なんです。
聖地・岐阜県(中津川・恵那)で愛される名店の違い
美味しい栗きんとんを語る上で、岐阜県の東濃地方(中津川市・恵那市)は絶対に外せません。この地域には数多くの老舗が軒を連ね、それぞれが独自のこだわりを守り続けています。代表的なお店の特徴をチェックしてみましょう。
川上屋(中津川)の力強い栗の風味
川上屋 栗きんとんは、まさに王道中の王道です。職人が一つひとつ手絞りで作るその造形は美しく、一口食べると栗の粒感が適度に残っているのがわかります。なめらかさの中にある「ホクホク感」が絶妙で、栗の力強さをダイレクトに感じたい方にぴったりです。
すや(中津川)の上品な口どけ
「栗きんとんといえばすや」と指名買いするファンも多い名店です。こちらのは非常にしっとりとしていて、舌の上でゆっくりと解けていくような上品な口どけが特徴。甘さのキレが良く、後味がすっきりしているので、ついつい「もう一つ」と手が伸びてしまう魔力を持っています。
恵那川上屋のモダンな楽しみ方
中津川の川上屋から暖簾分けした恵那川上屋 栗きんとんは、伝統を守りつつも新しい挑戦を続けているお店です。地元産の「超特選栗」など素材へのこだわりが強く、ギフト用のパッケージもおしゃれ。通年で購入できる冷凍タイプや、洋菓子風の栗スイーツも充実しているので、幅広い層に支持されています。
信玄堂の控えめな甘さ
甘すぎる和菓子が苦手な方におすすめしたいのが信玄堂です。栗の自然な甘みを最大限に活かし、砂糖の存在感を一歩引かせたような仕上がりが特徴。わずかに感じる渋皮の風味が、味に深みと奥行きを与えています。
お取り寄せで失敗しないための「目利き」のポイント
最近はオンラインショップで手軽に美味しい栗きんとんを購入できるようになりました。しかし、デリケートな和菓子だからこそ、お取り寄せの際にはいくつか注意したいポイントがあります。
まずは「賞味期限」の確認です。本場の美味しい栗きんとんは、保存料を使わず栗と砂糖だけで作られているため、賞味期限が「発送日を含めて3〜5日」と非常に短いことが一般的です。届いたらすぐに食べるのが鉄則ですが、贈り物にする場合は相手の受け取りタイミングを考慮する必要があります。
次に「色」に注目してみてください。本当に新鮮な栗きんとんは、鮮やかな黄色ではなく、少し落ち着いた「淡い茶色」や「薄いベージュ」をしています。これは、栗を蒸してそのまま加工した証拠です。不自然に黄色いものは、着色料やクチナシが使われている可能性があるため、素材本来の味を楽しみたいなら原材料ラベルをしっかりチェックしましょう。
また、最近では「冷凍発送」に対応しているお店も増えています。最新の急速冷凍技術を使っているお店であれば、解凍後も作りたての香りがしっかり残っています。「一度にたくさん届いても食べきれない」という方は、冷凍保存ができるタイプを選ぶのが賢い選択ですね。
栗きんとんをさらに美味しく味わうための「最高のペアリング」
せっかく美味しい栗きんとんを手に入れたなら、そのポテンシャルを最大限に引き出す飲み物と一緒に楽しみましょう。
- 濃いめの緑茶・抹茶一番の定番はやはり緑茶です。特に少し渋みのある濃いめのお茶は、栗の甘みを引き立ててくれます。抹茶を用意して、自宅で贅沢なお茶会気分を味わうのも素敵ですね。
- ほうじ茶栗の香ばしさと、ほうじ茶の焙煎香は相性抜群。口の中をさっぱりさせてくれるので、栗の余韻を新鮮な気持ちで何度も楽しめます。
- ブラックコーヒー意外かもしれませんが、コーヒーとの組み合わせも絶品です。栗の濃厚な風味は、コーヒーの苦味や酸味に負けません。特に中深煎りの豆を選ぶと、まるでモンブランを食べているようなリッチな味わいに変化します。
知っておきたい!進化系栗スイーツの世界
純粋な栗きんとんも素晴らしいですが、最近では栗きんとんをベースにした「進化系スイーツ」も注目を集めています。
特に人気なのが、干し柿の中に栗きんとんを詰め込んだ一品。長野県産の市田柿を使用したものが有名で、ねっとりとした柿の甘みと、ホクホクした栗の風味が口の中で合わさる瞬間は、まさに至福のひとときです。
また、栗きんとんをパイ生地で包んで焼き上げた「栗きんとんパイ」や、生クリームと一緒に大福に入れた「栗きんとん大福」など、和洋折衷のスタイルも増えています。これらは従来の和菓子よりも日持ちがすることが多く、カジュアルな手土産としても重宝されています。
季節を彩る贅沢、美味しい栗きんとんを堪能しよう
栗きんとんは、秋の収穫を祝い、職人の技を愛でるための、非常に繊細で贅沢なお菓子です。一つひとつ丁寧に作られたその形には、栗への愛情と伝統が詰まっています。
自分へのご褒美として、あるいは大切な方への心のこもった贈り物として、厳選された一品を選んでみてはいかがでしょうか。旬の時期にしか味わえない、あの豊かな香りと優しい甘さは、忙しい日常に穏やかなひとときを運んできてくれるはずです。
全国各地に名店はありますが、まずはご紹介した岐阜の老舗から試してみるのが、美味しい栗きんとんへの一番の近道。ぜひ、あなたのお気に入りを見つけて、日本の秋の味覚を心ゆくまで堪能してくださいね。

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