「レバーは体に良いから食べたいけれど、あの独特の臭みやパサパサした食感がどうしても苦手……」
そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。スーパーで安く手に入るレバーも、実は選び方と下処理のポイントさえ押さえれば、レストランで食べるような「ふわとろ」で臭みのない絶品料理に生まれ変わります。
今回は、家庭でレバーを劇的に美味しく食べるためのテクニックを、プロの視点を交えて詳しくご紹介します。これを読めば、もうレバー料理で失敗することはありません。
なぜスーパーのレバーは臭うのか?その正体を知る
レバーの臭みの原因、それはズバリ「血」と「鮮度の低下」です。
レバーは内臓器官の中でも特に血液が集中する場所です。そのため、血管の中に残った血が時間が経つにつれて酸化し、それが金属のような嫌な臭いを発するようになります。また、レバーは非常にデリケートな部位なので、温度変化や時間の経過とともに組織が壊れやすく、それが「ドリップ」と呼ばれる赤い汁となって出てきます。この汁こそが臭みの元凶です。
つまり、美味しいレバーを食べるための第一歩は、下処理以前に「いかに新鮮なものを選ぶか」にかかっています。
美味しいレバーを見分けるための4つのチェックポイント
スーパーの精肉コーナーでパックを手に取ったとき、どこを見るべきか。プロが必ずチェックするポイントは以下の通りです。
1. 角(エッジ)がピンと立っているか
カットされているレバーの場合、その切り口の断面を見てください。新鮮なレバーは細胞にハリがあるため、断面の角が鋭くピンと立っています。逆に、鮮度が落ちてくると組織が緩み、角が丸くダレたような印象になります。
2. 鏡のようなツヤとハリがあるか
表面がキラキラと光を反射するようなツヤがあるものは新鮮です。表面が乾いてカサカサしていたり、マットな質感になっているものは避けましょう。
3. 色鮮やかで濁りがないか
種類によって理想的な色は異なりますが、共通して言えるのは「透明感」です。
- 鶏レバー:鮮やかな紅色
- 豚レバー:ツヤのある赤褐色
- 牛レバー:深いワインレッド全体的に黒ずんでいたり、逆に白っぽく濁っているものは鮮度が落ちている証拠です。
4. ドリップが溜まっていないか
パックの底に赤い汁が溜まっていませんか?ドリップが出ているということは、旨味成分が逃げ出し、臭み成分が表面を覆っている状態です。できるだけ汁気の少ない、清潔な状態のパックを選んでください。
調理器具にこだわりたい方は、熱伝導の良い鉄フライパンを使うと、レバーの表面を香ばしく焼き上げることができます。
豚・鶏・牛それぞれの特徴と使い分け
レバーには主に3つの種類がありますが、それぞれ味わいや栄養素が異なります。自分の好みや目的に合わせて選んでみましょう。
鉄分補給なら「豚レバー」
「とにかく貧血を予防したい」という方には、豚レバーが一番のおすすめです。鉄分の含有量は牛や鶏よりも圧倒的に多く、まさに栄養の宝庫。弾力があって食べ応えがあるため、ニラと一緒に炒めるレバニラ炒めには最適の素材です。
食べやすさ重視なら「鶏レバー」
レバー特有のクセが最も少ないのが鶏レバーです。身が柔らかく、火を通すとクリーミーで濃厚な味わいになります。レバーが苦手な人でも食べやすく、甘辛く煮詰めたり、ペーストにしてバゲットに塗ったりするのが人気の食べ方です。
濃厚なコクを味わうなら「牛レバー」
牛レバーは独特の濃厚なコクと甘みが特徴です。厚切りにしてステーキのように焼いたり、焼肉でじっくり焼いて食べると、その力強い味わいを楽しむことができます。ビタミンB12が豊富で、エネルギー不足を感じているときにぴったりです。
臭みを完全に断つ!プロ直伝の下処理3ステップ
「レバーの臭みさえなければ……」と嘆く必要はもうありません。たった数分の手間で、驚くほどクリーンな味わいになります。
ステップ1:徹底的な血管の掃除
まず、一口大にカットする際、中に白い筋や血の塊(レバーの穴の中に詰まっている黒っぽい塊)を見つけたら、包丁の先や指で丁寧に取り除きます。これこそが臭みの最大要因なので、ここを妥協しないことが大切です。
ステップ2:流水での「揉み洗い」
ボウルにカットしたレバーを入れ、水を流しながら優しく揉み洗いします。水が濁らなくなるまで3回から4回ほど水を入れ替えましょう。これだけで表面の汚れとドリップがしっかり落ちます。
ステップ3:液体に漬けて「吸着」させる
ここで何を使うかが分かれ道です。
- 牛乳に漬ける:牛乳に含まれるカゼインという成分が、レバーの臭い分子を吸着してくれます。20分ほど浸すだけで、驚くほどマイルドになります。
- 塩水・氷水に漬ける:浸透圧の力を借りて、中の方に残った血を外に引っ張り出します。和風の味付けにしたいときなど、牛乳の香りをつけたくない場合に有効です。
もし大量に下処理をするなら、キッチンタイマーを使って漬け時間を正確に測ると、味のバラつきを防げます。
パサパサを回避して「ふわとろ」にする調理の裏技
せっかく良いレバーを選んで下処理をしても、最後に焼きすぎてしまっては台無しです。
レバーは加熱しすぎるとタンパク質が凝固し、中の水分が抜けてボソボソとした食感になってしまいます。これを防ぐコツは「下準備のコーティング」と「余熱の活用」です。
焼く直前にレバーに薄く片栗粉をまぶしてみてください。これが保護膜となって、中の水分が逃げるのを防ぎ、同時にタレがよく絡むようになります。また、炒め物にする場合は、まずレバーだけを強火でサッと焼き、表面に色がついて中はまだレアな状態で一度取り出します。最後に野菜を炒め終わったところへ戻し入れ、サッと合わせる程度にすれば、理想的な「ふわとろ」食感に仕上がります。
温度管理が気になる方はクッキング温度計を使って、中心温度を確認しながら調理するのも一つの手です。
美味しいレバーを習慣に!毎日を元気にするための秘訣
レバーは一度に大量に食べるよりも、少しずつ日常に取り入れるのが理想的です。
特に女性に不足しがちな鉄分や、粘膜の健康を保つビタミンAが凝縮されているため、美容と健康の強力な味方になってくれます。ただし、ビタミンAの過剰摂取には注意が必要なので、週に1回から2回、1食あたり100g程度を目安に楽しむのがスマートな食べ方です。
今回ご紹介した選び方と下処理、そして調理のコツをマスターすれば、食卓に並ぶレバー料理のクオリティは格段に上がります。これまで苦手意識を持っていた家族も、「今日のレバー、美味しいね!」と驚いてくれるはずです。
美味しいレバーの選び方と下処理のコツ!臭みゼロで絶品料理に仕上げる秘訣を解説。この知識を武器に、ぜひ明日からの献立に自信を持ってレバーを取り入れてみてください。

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