「あの、馬のマークがついたウイスキーって何だっけ?」
酒屋さんの棚やバーのバックバーで、颯爽と駆ける馬のラベルや、精巧な馬の形をしたボトルキャップを見かけたことはありませんか?ウイスキーの世界において「馬」は、自由や高貴さ、そして力強さを象徴する非常に重要なモチーフです。
競馬ファンの方はもちろん、午年生まれの方への贈り物や、「万事馬(うま)くいく」という縁起を担いだお祝いの品としても、馬にまつわるウイスキーは絶大な人気を誇ります。
今回は、数ある銘柄の中から特に有名な「馬のウイスキー」を厳選。その名前の由来から、初心者でも失敗しない選び方、そして気になる味わいの特徴までを詳しく紐解いていきます。
なぜウイスキーには「馬」のデザインが多いのか?
そもそも、なぜこれほどまでにウイスキーと馬は深い関係にあるのでしょうか。その理由は、ウイスキーの二大聖地であるスコットランドとアメリカ・ケンタッキー州の歴史にあります。
スコットランドでは、古くから馬は運搬や旅の相棒として欠かせない存在でした。一方、バーボンの故郷であるケンタッキー州は、世界最高峰の競走馬を育てるサラブレッドの産地としても有名です。
ウイスキー造りには清らかな水と豊かな大地が必要ですが、それは名馬を育てる条件とも重なります。つまり、美味しいウイスキーがある場所には、必ずと言っていいほど素晴らしい馬たちの歴史が刻まれているのです。
それでは、具体的にどのような銘柄があるのか見ていきましょう。
1. 圧倒的な存在感!ボトルキャップが馬の「ブラントン」
馬のウイスキーと聞いて、真っ先にこの銘柄を思い浮かべる方は多いはず。それが、ブラントンです。
このバーボンの最大の特徴は、何といってもボトルキャップに鎮座する精巧なサラブレッドのフィギュアです。このキャップ、実はただのデザインではありません。
8種類のキャップに隠されたストーリー
ブラントンのキャップには、実は8つの異なるポーズが存在します。よく見ると、馬の脚の運びや騎手の姿勢が少しずつ違っているのが分かります。
さらに、キャップの端をよく見てください。小さなアルファベットが刻印されています。「B・L・A・N・T・O・N・S」の全8文字を揃えると、馬がゲートを飛び出し、激しいデッドヒートを経て、最後に勝利の雄叫びをあげるまでのストーリーが完成する仕掛けになっているのです。
味わいは「芳醇でリッチ」
肝心の中身は、世界初の「シングルバレル・バーボン」として知られています。通常、ウイスキーは味を均一にするために複数の樽をブレンドしますが、ブラントンは一つの樽から選りすぐりの原酒のみをボトリングします。
バニラやキャラメルのような濃厚な甘み、そしてトウモロコシ由来の芳醇なコク。ストレートやロックで、その力強い個性をじっくりと味わうのが通の楽しみ方です。
2. スコッチの定番!白い馬がトレードマークの「ホワイトホース」
次にご紹介するのは、日本でも馴染み深いスコッチウイスキー、ホワイトホースです。
コンビニやスーパーでも手軽に手に入るこの銘柄ですが、その歴史は非常に古く、名前の由来にはロマンが詰まっています。
自由を夢見た「白馬亭」の記憶
名前の由来は、エディンバラにあった伝説の旅籠「ホワイトホース・セラー(白馬亭)」。ここは、かつて自由を求めて戦ったジャコバイト派の人々が集まった場所でした。ラベルに描かれた白い馬は、当時の活気と不屈の精神を今に伝えているのです。
ハイボールに最適なスモーキーさ
ホワイトホースの最大の特徴は、キーモルトに「ラガヴーリン」という非常にスモーキーなアイラウイスキーを使用している点です。
最初はハチミツのような甘さを感じますが、後味にふわっと焚き火のような煙の香りが追いかけてきます。この独特のスモーキーさが、ソーダで割った瞬間に弾け、食事にぴったりのキレの良いハイボールに仕上がります。コスパも抜群なので、日常使いに最適ですね。
3. 洗練された都会派!紳士と馬の「I.W.ハーパー」
都会的でスタイリッシュなイメージを持つバーボンといえば、I.W.ハーパーです。
かつてこの銘柄の広告には、シルクハットを被った紳士と馬が登場していました。その影響もあり、競馬場や華やかなパーティーシーンで愛される「社交界のウイスキー」としての地位を確立しています。
雑味のないクリアな甘み
バーボンといえば「独特のクセや重みがある」と思われがちですが、ハーパーは驚くほどスムーズです。トウモロコシの比率を高めることで、スッキリとした都会的な甘さを引き出しています。
特におすすめなのが「ハーパー・ソーダ」。キンキンに冷やしたグラスにたっぷり氷を入れ、強炭酸で割る。オレンジスライスを添えれば、さらに華やかな香りが引き立ちます。ウイスキー初心者の女性にも自信を持っておすすめできる一本です。
4. 山の恵みと馬の縁!ジャパニーズウイスキー「駒ヶ岳」
日本のウイスキーにも、馬にゆかりのある銘柄が存在します。それが、長野県の中央アルプス山麓にあるマルス信州蒸溜所で造られる「シングルモルト駒ヶ岳」です。
土地の記憶を刻むラベル
「駒ヶ岳」という名前自体、その姿が馬に似ていることから名付けられた山に由来します。限定ボトルなどでは、その土地の美しい自然とともに、優雅な馬の姿が描かれることがあります。
澄んだ空気のような透明感
シングルモルト駒ヶ岳は、標高798メートルという高地で熟成されます。冷涼な環境が、原酒にクリーンでフルーティーなキャラクターを与えます。
熟したリンゴやアンズのような華やかな香りと、心地よい樽の余韻。日本の職人技が光る、繊細で奥深い味わいは、大切な方へのギフトにも最適です。
5. 競馬ファン垂涎!記念ボトルやコラボ銘柄
「馬」と「ウイスキー」を語る上で外せないのが、競馬のビッグレースを記念して発売される限定ボトルです。
特にアメリカのケンタッキーダービーや、日本の有馬記念といった大きなレースの時期には、特別なラベルを纏ったオールド・フォレスターや国内メーカーの限定品が登場することがあります。
これらのボトルは単に飲むだけでなく、その年の思い出とともにコレクションする楽しさがあります。「あの年の優勝馬は凄かったな」と、ボトルを眺めながら語り合う時間は、競馬好きにとって至福のひとときと言えるでしょう。
失敗しない!馬のウイスキーの選び方
これだけ種類があると、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。シーン別の選び方をまとめてみました。
ギフト・お祝いなら「ブラントン」
「万事馬(うま)くいく」というメッセージを込めて、昇進祝いや開店祝い、また競馬で勝った際のお祝いにはブラントン一択です。あの重厚なボトルと馬のキャップは、手渡した瞬間に歓声が上がるほどのインパクトがあります。
自宅で気軽に楽しむなら「ホワイトホース」
毎日の晩酌には、財布に優しく、かつ飲み飽きないホワイトホースがおすすめです。和食から洋食までどんな料理とも相性が良く、特に唐揚げなどの揚げ物とハイボールの組み合わせは最高です。
おしゃれにカクテル感覚で飲むなら「I.W.ハーパー」
友人を招いてのホームパーティーや、少し気取った夜にはI.W.ハーパー。ソーダで割るだけでレストランのような味わいになるため、おもてなしの一杯としても重宝します。
縁起物としての「馬」とウイスキー
古来より、馬は「前にしか進まない」「人を踏まない」といった理由から、運気を上げる動物として大切にされてきました。
特に左を向いた馬は「左馬(ひだりうま)」と呼ばれ、「舞い(まい)」に通じることから、商売繁盛や招福の象徴とされています。ウイスキーのボトルに描かれた馬たちも、どこか誇らしげで、私たちにパワーを与えてくれるような気がしませんか?
お酒は、単に味を楽しむだけのものではありません。その背景にあるストーリーや、ラベルに込められた願いを一緒に味わうことで、さらに深く豊かな時間になります。
まとめ:馬のラベルやキャップが目印のウイスキー5選!名前の由来や味の特徴、選び方を徹底解説
いかがでしたでしょうか。馬にまつわるウイスキーは、そのどれもが個性的で、強いこだわりを持って造られています。
世界中のバーボンファンを虜にするブラントンのキャップの秘密、歴史あるホワイトホースのスモーキーな誘惑、そして都会的なI.W.ハーパーの軽やかな甘み。
それぞれに異なるストーリーがあり、適した飲み方があります。もし次にバーへ行く機会があったら、あるいは酒屋さんでボトルを探すなら、ぜひ「馬」の姿を探してみてください。
あなたの人生というレースを共に走り抜ける、最高の一本が見つかるはずです。この記事が、あなたにとっての「馬のラベルやキャップが目印のウイスキー」選びの参考になれば幸いです。

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