ウイスキー「北杜」の味と評価は?終売の理由や12年・50.5度の違い、最新相場を解説

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サントリーがかつて世に送り出した伝説的な銘柄、ウイスキー 北杜をご存知でしょうか。「北杜(ほくと)」という名前を聞いて、山梨県の美しい自然や白州蒸溜所を思い浮かべる方はかなりのウイスキー通かもしれません。

現在では惜しまれつつも終売となってしまった「北杜」ですが、その滑らかな味わいと希少性から、今なおオークションや古酒市場で熱い視線を浴び続けています。なぜこれほどまでに愛されているのか、そして「12年」と「芳醇50.5度」にはどのような違いがあるのか。

今回は、ジャパニーズウイスキーの歴史に刻まれた名作「北杜」の魅力を、現在の市場価値や味わいの評価とともに徹底的に紐解いていきます。


「北杜」というウイスキーの誕生とコンセプト

2004年、サントリーから一つの革新的なウイスキーが誕生しました。それがサントリー 北杜です。この銘柄は、山梨県北杜市にある「白州蒸溜所」の開設30周年、そして北杜市の誕生を記念して造られました。

当時のサントリーの狙いは明確でした。「白州」が持つ森の若葉のような清々しさをベースにしつつ、より多くの人が日常的に楽しめる「圧倒的な飲みやすさ」を追求することです。そのために採用されたのが、サントリー独自の「竹炭濾過(バンブーチャコール・フィルター)」という贅沢な製法でした。

原酒を竹炭で濾過することで、ウイスキー特有のトゲや雑味を丁寧に取り除き、シルクのような滑らかな口当たりを実現したのです。この製法こそが、北杜を語る上で欠かせないアイデンティティとなりました。

北杜 12年(ピュアモルト)の圧倒的な完成度

シリーズの柱となったのが北杜 12年です。これはモルト原酒のみをブレンドした「ピュアモルト(ブレンデッドモルト)」という贅沢な構成でした。

メインとなるのは、白州蒸溜所の12年以上熟成されたモルト原酒。そこに、山崎蒸溜所の甘く華やかな原酒を絶妙なバランスでヴァッティング(混ぜ合わせ)しています。

実際にグラスに注ぐと、まず新緑のような爽やかな香りが広がります。追いかけるようにリンゴや洋梨のフルーティーな甘みが鼻を抜け、口に含むと驚くほどスムース。喉を通る瞬間の抵抗がほとんどなく、最後にはミントのような清涼感が微かに残ります。

「白州12年」よりも優しく、「山崎12年」よりも軽やか。その絶妙な中間地点を攻めた味わいは、当時のウイスキーファンに新鮮な驚きを与えました。

異彩を放つ「北杜 芳醇50.5度」の力強さ

12年熟成モデルとは一線を画す存在として人気を集めたのが、北杜 芳醇50.5度です。こちらは熟成年数の表記がないノンエイジモデルですが、最大の特徴はその名の通り「50.5度」という高いアルコール度数にあります。

一般的なウイスキーが40度から43度程度であることを考えると、50.5度はかなりのハイパワーです。しかし、北杜の魔法である竹炭濾過のおかげで、度数の高さを感じさせないほどまろやかに仕上がっています。

香りはバニラや樽のウッディなニュアンスが強く、味わいは非常にパンチがあります。このボトルの真骨頂は「加水しても崩れない芯の強さ」にあります。厚みのある味わいなので、ロックでゆっくり氷を溶かしながら飲んだり、ハイボールにしてもしっかりとウイスキーの主張が感じられるのが魅力です。

なぜ消えた?「北杜」が終売に追い込まれた理由

これほどまでに評価が高かった「北杜」ですが、2010年頃に突如としてラインナップから姿を消しました。発売からわずか6年ほどでの終売。ファンにとっては衝撃的なニュースでした。

その最大の理由は、皮肉にも「ジャパニーズウイスキー人気の爆発」にありました。2000年代後半からハイボールブームが再燃し、世界中で日本のウイスキーが賞賛され始めました。その結果、白州や山崎といった蒸溜所の熟成原酒が、メーカーの予想を遥かに上回るペースで枯渇してしまったのです。

サントリーとしては、基幹ブランドである「白州」や「山崎」を守るために、原酒を優先的に回さざるを得ませんでした。複数の蒸溜所の貴重な原酒を使用する「北杜」は、資源の集中投下という戦略の中で、惜しまれつつもその役目を終えることになったのです。

2026年現在の最新相場と入手困難度

終売から15年以上が経過した2026年現在、ウイスキー 北杜の価値はかつての定価とは比較にならないほど高騰しています。

  • 北杜 12年: 状態が良いものであれば、当時の販売価格の10倍以上の値がつくことも珍しくありません。特に箱付きの完品はコレクターズアイテムとなっており、数万円単位で取引されています。
  • 北杜 芳醇50.5度: 12年に比べればまだ入手しやすい部類ですが、それでも流通量は激減しています。見つけたら即買いと言われるほど、希少性は年々高まっています。

現在、これらを手に入れるには、古酒を専門に扱うショップやオンラインオークション、あるいは運良くデッドストックを抱えている地方の酒屋を巡るしかありません。もしBARで見かけることがあれば、迷わず注文することをおすすめします。二度と造られることのない「竹炭濾過のジャパニーズモルト」を味わえる貴重な機会だからです。

おすすめの飲み方と愉しみ方

もし運良くサントリー 北杜を手に入れたなら、まずはストレートでその「滑らかさ」を体感してください。他のウイスキーにはない、シルクのような質感は唯一無二です。

その後は、ほんの少しの加水(チェイサーの水を数滴垂らす)を試してみてください。閉じ込められていた森の香りとバニラの甘みが、花が開くように一気に広がります。

50.5度を飲むなら、贅沢に「濃いめのハイボール」も最高です。強めの炭酸で割っても、北杜特有の芳醇なコクが消えることはありません。和食、特に白身のお刺身や出汁のきいた料理との相性は抜群で、食事の味を一層引き立ててくれます。

ウイスキー「北杜」の味と評価は?終売の理由や12年・50.5度の違い、最新相場を解説:まとめ

かつて山梨の豊かな自然を背景に誕生した「北杜」は、短命ながらも強烈な光を放った名作でした。白州のキレと山崎のコクを竹炭濾過でまとめ上げるという、サントリーの技術力の結晶とも言えるボトルです。

原酒不足という時代の荒波に飲まれて消えてしまいましたが、その味わいは今もなお多くの愛好家の記憶に刻まれています。現在、その価値は「飲める遺産」として高まり続けており、手に入れることは容易ではありません。

しかし、もしあなたがどこかでこのボトルに出会ったなら、それはかつての日本ウイスキーが目指した「極上の飲みやすさ」を知る絶好のチャンスです。今のウイスキーにはない、あの優しくも力強い個性をぜひ一度、その舌で確かめてみてください。

ジャパニーズウイスキーの黄金時代を支えたウイスキー 北杜。その琥珀色の液体には、当時の造り手たちの情熱と、豊かな森の息吹が今も静かに息づいています。

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