「ジャケ買いしたくなるウイスキー」として、バーや酒販店でひときわ目を引くボトルがあります。3匹の真鍮の猿が肩を組むデザインが印象的なモンキーショルダーです。
しかし、ネットで検索してみると「モンキーショルダー まずい」という不穏なワードを目にすることもあります。実際のところ、その味わいはどうなのでしょうか?
今回は、スコッチウイスキーの中でも異彩を放つモンキーショルダーの正体を徹底解剖します。初心者から愛好家までを虜にする秘密や、評価が分かれる理由、そして「これを試さなきゃ損!」という最高の飲み方まで詳しくお伝えします。
モンキーショルダーとは?「3匹の猿」に込められた職人の物語
モンキーショルダーを語る上で外せないのが、そのユニークな名前とボトルの由来です。
このウイスキーは、スコットランドのスペイサイド地方にある3つの有名な蒸留所のモルト原酒だけをブレンドして作られる「ブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)」という贅沢なカテゴリーに属します。
名前は「職人の勲章」から
「モンキーショルダー(猿の肩)」という名前、実はかつてのウイスキー職人たちへの深い敬意が込められています。
昔、大麦を発芽させる「フロアモルティング」という作業はすべて手作業で行われていました。重いシャベルで一晩中大麦をひっくり返し続ける過酷な労働により、職人たちの肩は凝り固まり、まるで猿の腕のようにだらりと垂れ下がってしまうことがありました。
彼らは自虐を込めてその職業病を「モンキーショルダー」と呼びましたが、ブランドはその苦労と職人魂を称えるために、あえてこの名前を冠したのです。
100%モルトへのこだわり
一般的なブレンデッドウイスキーは、モルト(大麦麦芽)原酒に安価なグレーン(穀物)原酒を混ぜて作られます。しかし、モンキーショルダーはグレーンを一切使いません。
世界的に有名な「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィ」という3つの蒸留所のモルト原酒のみを使用しているため、非常にリッチで厚みのある味わいが楽しめるのが最大の特徴です。
「まずい」という噂は本当?ネガティブな評価の真相を探る
人気銘柄ゆえに、「モンキーショルダーはまずい」という声が一部で上がることもあります。しかし、その多くは「好みのミスマッチ」や「ウイスキーに求める要素の違い」から来るものです。
なぜ「まずい」と感じる人がいるのか
主な理由は以下の3点に集約されます。
- 若さゆえのアルコール感: 熟成年数が表記されていない(ノンエイジ)ため、人によってはアルコールのピリピリとした刺激を「トゲがある」と感じてしまうことがあります。
- スモーキーさの欠如: アイラモルトのような正露丸や煙の香りを好む「スモーキー派」の人にとっては、モンキーショルダーの華やかで甘いキャラクターは「個性がなくて物足りない」と映ることがあります。
- 独特のビターな余韻: 後味にわずかなほろ苦さを感じる場合があります。これが「薬っぽい」と感じるか「味の引き締め役」と感じるかで評価が分かれます。
実際は「万人受けする優等生」
多くの専門家や愛好家の間では、モンキーショルダーは「コスパ最強のモルト」として高く評価されています。特にウイスキー初心者がストレートで飲んでも「甘くて美味しい」と感じやすい、非常にスムースな設計になっています。
「まずい」という噂を鵜呑みにするのはもったいないほど、バランスの取れた完成度の高い一本なのです。
官能的な味わい!モンキーショルダーのテイスティングノート
では、具体的にどのような味がするのでしょうか。モンキーショルダーをグラスに注いだ瞬間に広がる世界を紐解いてみましょう。
香り:バニラと洋梨のワルツ
グラスを近づけると、まず飛び込んでくるのは芳醇なバニラの甘い香りです。これは良質なオーク樽で熟成された証拠でもあります。
続いて、スペイサイドモルトらしいフルーティーさが追いかけてきます。熟した洋梨や青リンゴ、そしてオレンジピールのような爽やかな柑橘のニュアンスが重なり、まるでお菓子屋さんのような多幸感のある香りが広がります。
味わい:クリーミーでリッチなモルト感
口に含むと、驚くほどスムースでクリーミーな質感が楽しめます。蜂蜜のような濃厚な甘みと、麦芽(モルト)由来の香ばしさが口いっぱいに広がります。
グレーンウイスキーが入っていないため、液体の「厚み」をしっかりと感じられるのが魅力です。中盤からはシナモンやナツメグのようなスパイス感がわずかに現れ、単調ではない複雑さを演出してくれます。
余韻:スッキリと心地よいビター
飲み込んだ後の余韻は、意外にもスッキリとしています。バニラの甘い記憶を残しつつ、最後はビターチョコやミントのような清涼感のある苦味が全体を引き締めてくれます。この「キレの良さ」が、次の一口を誘うのです。
プロも推奨!モンキーショルダーを120%楽しむおすすめの飲み方
モンキーショルダーの最大の武器は、その「万能性」にあります。どんな飲み方でも崩れない骨太な味わいを持っています。
1. 究極のハイボール(通称:さるハイ)
モンキーショルダーを購入したら、まずはハイボールを試してください。
- 作り方のコツ: グラスに氷をたっぷり入れ、ウイスキー1に対してソーダ3の割合で作ります。ここで重要なのが、最後に「オレンジピール(またはスライス)」を添えること。
- 味わい: ソーダの炭酸によって、ウイスキーに潜んでいたオレンジの香りが一気に解放されます。非常にフルーティーで、ウイスキー特有の重たさを感じさせない爽快な一杯になります。
2. ストレート・トゥ・オンザロック
モルトの甘みをダイレクトに感じたいなら、まずはストレートで。少しずつ加水していくと、香りがより華やかに開いていきます。
氷を入れたオンザロックにすると、温度が下がることで甘みが凝縮され、デザートのような感覚で楽しめます。氷が溶けるにつれて変化する味わいのグラデーションをゆっくり堪能しましょう。
3. カクテルベースとしての実力
実はモンキーショルダーは、世界中のトップバーテンダーからも絶大な支持を得ています。
「オールドファッションド」や「ウイスキーサワー」といったカクテルのベースに使うと、他の材料を邪魔せず、かつ自身のモルト感もしっかりと主張してくれます。家飲みでちょっと贅沢なカクテルを作りたい時にも、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。
どんな料理に合う?ペアリングの楽しみ方
モンキーショルダーは食事との相性も抜群です。その甘みとフルーティーさを活かしたペアリングをご紹介します。
- 肉料理(ポークソテーや照り焼きチキン): ウイスキーのバニラ感と、甘辛いタレの相性は完璧です。
- ナッツ・ドライフルーツ: 定番ですが、特にドライマンゴーやドライアプリコットとの組み合わせは、ウイスキーのトロピカルな一面を引き出してくれます。
- ビターチョコレート: 後味のビター感と同調し、口の中でとろけるような至福の時間を味わえます。
モンキーショルダーはまずい?評判や味の特徴、おすすめの美味しい飲み方を徹底解説!のまとめ
モンキーショルダーは、そのポップな見た目とは裏腹に、職人への敬意と100%モルトへのこだわりが詰まった本格派のスコッチウイスキーです。
「まずい」という声は、その高い人気ゆえに多様な好みを持つ人が手にとった結果であり、実際には「これほどコストパフォーマンスに優れ、飲みやすいウイスキーは他にない」と断言できるほど優秀な一本です。
バニラと蜂蜜の甘み、洋梨のフルーティーさ、そしてオレンジ香る爽快なハイボール。これらを一度体験すれば、3匹の猿が世界中で愛されている理由がきっと分かるはずです。
もしあなたが「次に飲むウイスキーに迷っている」のなら、ぜひモンキーショルダーを手に取ってみてください。その一口が、あなたのウイスキーライフをより豊かで楽しいものに変えてくれるでしょう。
ウイスキーの奥深い世界を、この愛らしい猿たちと一緒に冒険してみませんか?

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