「スコッチウイスキーの王道」として、長年日本の愛好家に親しまれてきた銘柄といえば、何を思い浮かべますか?多くの人がその独特な四角いボトルと、ラベルに描かれた知的な老人の肖像画を思い出すはずです。そう、今回の主役は「オールドパー」です。
かつては高級酒の代名詞として、日本のリーダーたちにも愛されたこのウイスキー。しかし、いざ自分で買おうとすると「シルバーと12年で何が違うの?」「贈り物にはどれがいい?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オールドパーの全ラインナップの味の違いから、その面白い歴史、そして最高に美味しい飲み方まで、初心者の方にもわかりやすく丁寧にお伝えしていきます。これを読めば、今夜の晩酌がもっと楽しくなること間違いなしです。
日本のリーダーに愛された「斜めに立つ」縁起の良いウイスキー
オールドパーを語る上で外せないのが、そのユニークなボトルデザインです。ゴツゴツとした岩のような手触りの「クラックルボトル」は、16世紀当時の陶製ボトルを再現したもの。そして最大の特徴は、角を使って「斜めに自立する」という点です。
この「決して倒れない」「右肩上がり」という姿が、日本の政治家や実業家の間で「縁起が良い」とされ、戦後の復興期から高度経済成長期にかけて絶大な人気を博しました。明治時代に岩倉具視が日本へ持ち帰った「最初のスコッチ」とも言われており、私たち日本人にとって非常に縁の深い銘柄なのです。
ラベルに描かれた人物は、152歳まで生きたとされる伝説の長寿男「トーマス・パー」。彼の長寿にあやかり、熟成の極致を目指して作られたのがこのウイスキーというわけですね。
オールドパー シルバー:ハイボールで化ける爽快な1本
まずご紹介するのは、ラインナップの中でも手に取りやすい価格帯のオールドパー シルバーです。このボトルの最大の特徴は「チルフィルター(冷却ろ過)」を行わず、マイナス6度の低温でろ過する独自の製法にあります。
味わいは非常に軽やかでモダン。柑橘系のフレッシュな香りと、バニラのようなほのかな甘みが口の中に広がります。他のオールドパーと比べるとスモーキーさが控えめなので、ウイスキー特有の煙たさが苦手な方でもスムーズに楽しめるでしょう。
この「シルバー」を最も美味しく飲む方法は、間違いなくハイボールです。ソーダで割ることでフルーティーな香りが一気に花開き、キレの良い後味が料理の味を引き立ててくれます。毎日の晩酌に、少し贅沢なハイボールを楽しみたい時にぴったりの1本です。
オールドパー 12年:伝統の味を守り続ける不動のスタンダード
ブランドの顔とも言えるのが、このオールドパー 12年です。12年以上熟成された上質な原酒のみをブレンドした、まさに「これぞオールドパー」という深みのある味わいが楽しめます。
キーモルト(味の核)となっているのは、スペイサイド地方の「クラガンモア」。この蒸留所の原酒が、オールドパー特有の厚みのある甘みをもたらしています。一口飲むと、熟したフルーツや蜂蜜の濃厚な甘さが広がり、その後に追いかけてくる柔らかなスモーキーさが全体をキリッと引き締めてくれます。
飲み方は、水割りやロックが特におすすめです。驚くべきは、和食との相性の良さ。出汁の効いた煮物や、醤油を使った和え物と一緒に飲んでも、お互いの良さを消さずに調和します。食中酒としての完成度は、数あるスコッチの中でも群を抜いています。
オールドパー 18年:重厚で滑らかなプレミアムな体験
2022年から定番ラインナップに加わったオールドパー 18年は、より贅沢な時間を過ごしたい時のための1本です。長期間の熟成を経て、角が取れた驚くほど滑らかな口当たりが特徴です。
香りは非常にリッチ。バニラやキャラメルのような甘い香りに加え、ドライフルーツを思わせる複雑なニュアンスが重なります。12年よりもさらに重厚感が増しており、一口ごとに異なる表情を見せてくれる深い味わいです。
このクラスのウイスキーは、ぜひストレートでじっくりと味わってください。チェイサー(お水)を横に置き、少しずつ口に含んで鼻から抜ける芳醇な余韻を楽しむ。そんな大人の贅沢を叶えてくれるのが18年の魅力です。大切な方へのギフトとしても、間違いなく喜ばれる品格を持っています。
オールドパー スーペリア:熟成のピークを極めた芸術品
ラインナップの最高峰に位置するのがオールドパー スーペリアです。このボトルにはあえて年数表記がありません。それは、熟成年数に縛られず、ブレンダーが「今が最高の状態」と判断した原酒だけを厳選してブレンドしているからです。
味わいは極めてクリーミーでエレガント。シルクのような舌触りとともに、深いスモーキーさと甘美な余韻が長く続きます。まさにブレンデッド・ウイスキーの芸術品と呼ぶにふさわしい完成度です。
特別な記念日や、自分への最高のご褒美として用意したいボトルです。氷を入れず、常温のストレートで味わうことで、複雑に絡み合った原酒のハーモニーを余すことなく体感できるでしょう。
なぜオールドパーは「和食」に合うと言われるのか?
世界中に多くのスコッチウイスキーがありますが、オールドパーほど「和食に合う」と評される銘柄は珍しいです。その理由は、その絶妙なバランス感にあります。
アイラ島のような強烈なピート香(正露丸のような独特の香り)は抑えつつ、スペイサイドらしい華やかさと適度なボディを持っています。この「主張しすぎないけれど、芯がある」という特性が、素材の味を活かす和食の哲学と共鳴するのです。
例えば、少し甘辛く煮付けた魚や、香ばしい焼き鳥のタレ。こうした日本の家庭料理の味を、オールドパーの持つ蜂蜜のような甘みが優しく包み込んでくれます。また、水割りにしても味が崩れにくいため、食事を通してゆっくり楽しめるのもポイントです。
迷った時の選び方:シーン別ガイド
「結局、どれを買えばいいの?」という方のために、シーン別の選び方を整理しました。
- 友人とのホームパーティーや日常使い:オールドパー シルバー冷やして飲むのが正解なシルバーは、ハイボールで爽快に。コストパフォーマンスも抜群で、気取らずに楽しめます。
- 初めてのオールドパー、または普段の晩酌:オールドパー 12年まずはこの「12年」からスタートしてください。ロック、水割り、ハイボールと、どんな飲み方でも高いクオリティを発揮します。
- ウイスキー好きの年配の方への贈り物:オールドパー 18年安定した知名度と、18年という熟成年数の重みが、敬意を伝えるのに最適です。
- 人生の節目や、特別な日の乾杯:オールドパー スーペリア「最高の一杯」を求めるならこれ。圧倒的な満足感を与えてくれます。
まとめ:オールドパーの種類と味を徹底解説!12年やシルバーの違い、おすすめの飲み方は?
オールドパーは、単なるお酒という枠を超えて、日本の歴史や文化とともに歩んできた特別なウイスキーです。
フレッシュで現代的な「シルバー」、伝統と信頼の「12年」、深みと気品を兼ね備えた「18年」、そして究極のブレンド「スーペリア」。それぞれに明確な個性があり、どんなシーンにも寄り添ってくれる懐の深さがあります。
もしあなたが「次に飲むウイスキーは何にしようかな」と悩んでいるなら、ぜひ一度オールドパーを手に取ってみてください。あの四角いボトルを斜めに立てて、その歴史に思いを馳せながら飲む一杯は、きっと格別な味がするはずです。
まずは定番のオールドパー 12年をロックで。そこから広がる奥深いウイスキーの世界を、ぜひ存分に堪能してくださいね。

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