沖縄の名護市にあるヘリオス酒造。お酒好きなら「くら」という名前を聞いて、真っ先にあの琥珀色の泡盛を思い浮かべるかもしれません。でも、いまウイスキー愛好家の間で静かに、かつ熱く注目を集めているのが、同じ名を冠したウイスキー くら(KURA ザ・ウイスキー)シリーズなんです。
「泡盛メーカーがつくるウイスキーって実際どうなの?」「味は本格的なの?」そんな疑問を持つ方も多いはず。今回は、沖縄の風土が育んだこのユニークなウイスキーの味わいや、実際に飲んだ人の評判、そして他にはない圧倒的なこだわりについて、たっぷりとお伝えしていきます。
泡盛の「くら」とは別物?ウイスキーとしての正体
まず最初にハッキリさせておきたいのが、私たちがよく知る「古酒 蔵(くら)」と、今回ご紹介する「KURA ザ・ウイスキー」は、全く別のカテゴリーのお酒だということです。
泡盛の「くら」は米を原料とした蒸留酒ですが、ウイスキー くらは、モルト(大麦麦芽)を原料とした、正真正銘のウイスキー。ヘリオス酒造が長年培ってきた「樫樽熟成」の技術を、ウイスキーというジャンルに全振りして表現した意欲作なんです。
現在は、スコットランドの蒸留所から厳選して仕入れた原酒を、沖縄の自社工場でブレンド・後熟(フィニッシュ)させるスタイルが主流。いわゆる「ワールドブレンデッドモルト」としての立ち位置ですが、その仕上げにこそヘリオス酒造にしか出せない「マジック」が隠されています。
シェリーカスクフィニッシュが魅せる圧倒的な「甘美さ」
ウイスキー くらのラインナップの中でも、特に人気が高いのが「シェリーカスクフィニッシュ」です。スペインから取り寄せたオロロソ・シェリーの空き樽でじっくりと後熟させたこの一本は、グラスに注いだ瞬間からその実力を発揮します。
香りを嗅いでみると、熟したリンゴやアプリコットのようなフルーティーなアロマが広がり、その後にバニラやキャラメルのような濃厚な甘さが追いかけてきます。一口含めば、シェリー樽由来のベリー系の酸味と、ダークチョコレートのようなほろ苦さが絶妙なバランスで溶け合っているのがわかるはずです。
5,000円前後の価格帯でこれほどまでに濃厚なシェリー感を楽しめる銘柄は、世界的に見てもなかなか希少。コスパの面でも、ウイスキーファンを唸らせる完成度を誇っています。
ラムカスクフィニッシュという「沖縄らしさ」の極み
もう一つ、ヘリオス酒造ならではの個性が光るのが「ラムカスクフィニッシュ」です。ヘリオス酒造はウイスキーや泡盛だけでなく、サトウキビを原料としたラム酒も自社で製造しています。
このウイスキー くらラムカスクは、自社のラム製造に使用したアメリカンオーク樽を贅沢に使ってウイスキーを熟成させています。
味わいは、シェリーカスクとはまた違ったベクトル。黒糖のような野性味のある甘さと、南国を思わせるトロピカルなニュアンスが特徴です。わずかに感じる潮風のようなミネラル感とスモーキーさが、ラム由来の甘みを引き締め、非常に多層的なフレーバーを作り出しています。「沖縄のウイスキーを飲んでいる」という実感を一番強く味わえるのは、このボトルかもしれません。
沖縄の「熱気」が味を加速させる?亜熱帯熟成の秘密
ウイスキーの熟成といえば、スコットランドや日本の東北地方のような、冷涼な気候が適しているというイメージが強いですよね。しかし、ヘリオス酒造が位置する沖縄は亜熱帯。この「暑さ」こそが、ウイスキー くらに独自のキャラクターを与えています。
暖かい環境では、樽の中のお酒と木材の反応が活発になります。その分、水分やアルコールの蒸発量、いわゆる「天使の分け前(エンジェルズシェア)」も多くなりますが、短期間でダイナミックな熟成が進むというメリットがあるんです。
北国のウイスキーが「静かな眠り」の中で熟していくのに対し、沖縄のウイスキーは「情熱的な成長」を遂げる。そんな力強いエッセンスが、一口飲んだ瞬間に伝わってくるはずです。
実際に飲んだ人の評判は?「まずい」という噂の真実
ネット上のレビューを調べていると、稀に「思っていた味と違う」という声を見かけることがあります。しかし、その多くは「泡盛の味を期待して飲んだ」という誤解によるもの。純粋にウイスキー くらをウイスキーとして評価している層からは、非常に高い支持を得ています。
- 「この価格でこのシェリーの濃厚さは反則級!」
- 「ハイボールにすると香りが化ける。食事に合わせやすい。」
- 「沖縄お土産でもらったけど、普通に本格的なウイスキーでびっくりした。」
といったポジティブな意見が大半を占めています。一方で、ウイスキー特有のアルコールの刺激を感じやすいという声もありますが、これは数滴の水を加える(加水する)ことで劇的にマイルドになり、香りが開くのでぜひ試してほしいテクニックです。
おすすめの飲み方とペアリングの楽しみ
ウイスキー くらを最大限に楽しむなら、やはり「ハイボール」は外せません。ソーダで割ることで、樽由来のフルーティーな香りがシュワシュワと弾け、非常に爽やかな飲み口になります。
特におすすめなのが、沖縄料理とのペアリングです。
- ラフテー(豚の角煮):シェリーカスクの甘みが、お肉の脂の甘みを引き立てます。
- ゴーヤチャンプルー:ラムカスクの独特な甘さが、ゴーヤの苦味と絶妙にマッチ。
- スモークチーズやナッツ:どちらのタイプも、樽香との相性が抜群です。
ストレートでじっくり向き合うのも良いですが、沖縄の風を感じながら、少し濃いめのハイボールをグイッと飲む。これこそがウイスキー くらの真髄と言えるでしょう。
どこで買える?ふるさと納税や免税店での限定品も
「飲んでみたいけれど、近所の酒屋にない……」という方もご安心を。現在は、ヘリオス酒造の公式オンラインショップや、ウイスキー くらなどの各種ECサイトで手軽に購入することができます。
また、沖縄県名護市の「ふるさと納税」の返礼品としても非常に人気。節税しつつ、沖縄のクラフト魂が詰まった一本を手に入れるのは、賢い選択ですよね。
さらに、空港の免税店などでは「クラシック」などの限定ラベルが登場することもあります。旅行や出張の際にチェックしてみるのも、楽しみの一つになるはずです。
ウイスキー「くら」の味や評判を知れば、沖縄の夜がもっと楽しくなる!
ここまで、ヘリオス酒造が手がけるウイスキー くらの魅力について解説してきました。
泡盛の伝統を守りつつ、ウイスキーという新たな領域で独自の進化を続けるヘリオス酒造。その挑戦から生まれた「くら」は、ただの「地元のウイスキー」という枠を超え、世界中の愛好家を魅了する実力を秘めています。
濃厚なシェリーの誘惑に浸るもよし、ラム樽由来の南国の香りに癒やされるもよし。次にウイスキーを選ぶときは、ぜひ沖縄の情熱が詰まったこの一本を手に取ってみてください。きっと、あなたのウイスキー体験に新しい風を吹き込んでくれるはずです。

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