「ウイスキーのブラックを買ってきて」と頼まれたら、あなたは何を思い浮かべますか?
実は、日本の食卓でおなじみの「ブラックニッカ」と、世界中で愛されるスコッチの王者「ジョニーウォーカー ブラックラベル(通称:ジョニ黒)」。この2つは同じ「ブラック」という名を冠しながら、その中身や背景はまったく別物なんです。
コンビニやスーパーの棚を見上げれば、金色のラベルや黒いラベル、赤いラベルが並んでいて、「一体どれが一番美味しいの?」と迷ってしまうのも無理はありません。安くてコスパ最強な一本から、自分へのご褒美にぴったりな本格派まで、ウイスキー界の「ブラック」には奥深い世界が広がっています。
今回は、これら「ブラック」と名のつくウイスキーの違いを徹底的に掘り下げます。それぞれの特徴や味わいの違い、そして今すぐ試したくなる美味しい飲み方まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきますね。
圧倒的コスパを誇る「ブラックニッカ」シリーズの魅力
まずは、日本のウイスキー文化を支えてきたといっても過言ではないブラックニッカシリーズから見ていきましょう。
「髭の叔父さん」のアイコンで親しまれるこのシリーズは、日本のニッカウヰスキーが製造しています。最大の特徴は、多くのラインナップに「ノンピートモルト」を使用していること。ウイスキー特有の「スモーキーな香り(正露丸のような独特の匂い)」をあえて抑えることで、誰にでも飲みやすく、食事の味を邪魔しない仕上がりになっています。
ブラックニッカの中にも、実はいくつかの種類があります。それぞれの個性を知ることで、あなたの「今夜の一杯」がより豊かなものになりますよ。
究極の飲みやすさを追求した「ブラックニッカ クリア」
スーパーやコンビニで最もよく見かけるのが、このブラックニッカ クリアです。
その名の通り、雑味がなく非常にすっきりとした味わいが特徴です。ピート(泥炭)を使用せずに乾燥させた麦芽を使っているため、ウイスキー特有のクセがほとんどありません。
「ウイスキーは香りが強すぎて苦手」という方でも、これなら抵抗なく飲めるはずです。特にハイボールにすると、炭酸の爽快感とウイスキーのほのかな甘みが絶妙にマッチします。価格も非常にリーズナブルなので、毎日の晩酌には欠かせない存在ですね。
華やかな香りと甘みの「ブラックニッカ リッチブレンド」
少し贅沢な気分を味わいたいときには、ブラックニッカ リッチブレンドがおすすめです。
こちらはシェリー樽で熟成させた原酒を使用しており、グラスに注いだ瞬間にフルーティーで華やかな香りが広がります。口当たりは非常にまろやかで、キャラメルやバニラのような甘みを感じることができます。
ロックでゆっくりと氷を溶かしながら飲むと、温度の変化とともに香りが開いていく様子を楽しめます。女性や甘めのカクテルが好きな方にも、ぜひ試してほしい一本です。
本格派の飲み応え「ブラックニッカ ディープブレンド」
「安いウイスキーは物足りない」というこだわり派の方にこそ飲んでほしいのが、ブラックニッカ ディープブレンドです。
新樽で熟成させた原酒を贅沢に使用しており、アルコール度数も45%と高めに設定されています。そのため、ブラックニッカシリーズの中でも群を抜いて「コク」と「深み」があります。
口に含むと、ウッディな樽の香りとビターなチョコレートのような余韻が長く続きます。しっかりとした飲み応えがあるため、ストレートや少量の加水でじっくりと味わうのが通の楽しみ方。夜が更けてから一人で静かに飲むシーンにぴったりです。
世界のスタンダード「ジョニーウォーカー ブラックラベル」の実力
次にご紹介するのは、世界で最も売れているスコッチウイスキーブランドの一つ、ジョニーウォーカー ブラックラベル、通称「ジョニ黒」です。
かつて日本では、海外旅行のお土産や贈答品の定番として「高級ウイスキー」の代名詞的存在でした。現在では手に入れやすい価格になりましたが、その品質の高さは今もなお健在です。
ジョニ黒が世界中で評価されている理由は、その圧倒的な「バランスの良さ」にあります。
12年熟成が生み出す多層的な味わい
ジョニ黒のラベルをよく見ると「12」という数字が刻まれています。これは、ブレンドされているすべての原酒が、最低でも12年以上熟成されていることを証明しています。
スコットランド各地から集められた40種類以上の原酒が絶妙にブレンドされており、一口飲むだけで様々な味わいが顔を出します。
- アイラモルト由来の力強いスモーキーさ
- スペイサイドモルト由来のフルーティーな甘み
- バニラやクリーミーなキャラメルのような滑らかさ
これらがバラバラにならず、一つの完成された作品としてまとまっているのがジョニ黒の凄いところ。「ウイスキーの教科書」と呼ばれるゆえんも、この完璧なバランスにあります。
さらに力強い「ジョニーウォーカー ダブルブラック」
もし、ジョニ黒のスモーキーな香りが気に入ったなら、ジョニーウォーカー ダブルブラックにも挑戦してみてください。
こちらはブラックラベルのDNAを引き継ぎつつ、よりスモーキーな原酒を強調し、焦がした樽の香りを強めた一本です。非常にパワフルで野性味あふれる味わいは、一度ハマると抜け出せない中毒性があります。
どちらを選ぶ?「ニッカ」と「ジョニ黒」の決定的な違い
ここまで読んで、「結局、私にはどっちが合うの?」と思われたかもしれません。選び方のポイントは、ずばり「スモーキーさを求めるかどうか」です。
- クセがなく、ゴクゴク飲みたいなら「ブラックニッカ」日本の食事に合わせて設計されているため、唐揚げやハイボール、お刺身など、どんな料理とも相性が良いです。特に「クリア」は、お酒に強さを求めない時のリラックスタイムに最適です。
- ウイスキーらしい複雑さと香りを楽しみたいなら「ジョニ黒」スコッチ特有の煙のような香りと、長い余韻を楽しみたいならこちら。自分へのちょっとしたご褒美や、映画を観ながらゆっくり過ごす時間のお供にふさわしい満足感があります。
プロが教える!ブラックをもっと美味しく楽しむ飲み方
せっかく良いウイスキーを手に入れたなら、そのポテンシャルを最大限に引き出したいですよね。ここでは、種類別の「最高に美味しい飲み方」をご紹介します。
1. 黄金比のハイボール(ブラックニッカ クリア)
ハイボールを美味しく作るコツは、とにかく「冷やすこと」です。
- グラスに氷をたっぷり入れ、マドラーでかき混ぜてグラス自体を冷やします。
- 溶けた水は一度捨てます。
- ウイスキーを適量注ぎ、しっかり混ぜてウイスキーも冷やします。
- 冷えた炭酸水を、氷に当てないようにそっと注ぎます(比率はウイスキー1:炭酸水3〜4がベスト)。
- マドラーで縦に一回だけ軽く混ぜれば完成です。
ブラックニッカ クリアで作るハイボールに、レモンピールを少し絞ると、さらに爽やかさが際立ちますよ。
2. トワイスアップ(ジョニーウォーカー ブラックラベル)
ジョニ黒の複雑な香りを最も堪能できるのが「トワイスアップ」です。これは、ウイスキーと常温の水を1:1の割合で混ぜる飲み方です。
水を加えることで、ストレートでは閉じ込められていた香りの成分がパッと開き、隠れていた果実味や花の香りが感じられるようになります。アルコール度数も20度程度まで下がるため、お酒にあまり強くない方でもジョニ黒の本質を味わうことができます。
3. ハーフロック(ブラックニッカ リッチブレンド)
グラスに大きめの氷を入れ、ウイスキーと炭酸水を1:1で割る「ハーフロック」は、リッチブレンドの甘みを楽しむのに最適です。
ハイボールよりもウイスキーの濃度が高いため、シェリー樽由来の芳醇な香りをしっかり感じつつ、冷たさでスッキリと飲むことができます。食後のデザート代わりに、チョコレートと一緒に楽しむのが至福の時間です。
まとめ:ウイスキー「ブラック」の違いを徹底比較!ニッカやジョニ黒のおすすめと美味しい飲み方
「ブラック」という名前がつくウイスキーには、それぞれ作り手の情熱とこだわりが詰まっています。
手軽に日常を彩ってくれるブラックニッカは、忙しい毎日の頼もしい味方です。一方で、歴史と伝統が織りなすジョニーウォーカー ブラックラベルは、日常の中に少しだけ「非日常」を連れてきてくれます。
まずは、自分の好みが「スッキリ」なのか「スモーキー」なのかを知ることから始めてみてください。一見同じように見える黒いラベルも、一度その味を知れば、次からは全く違った景色に見えてくるはずです。
ウイスキーに「正解」はありません。あなたが「美味しい」と感じるその一杯こそが、最高のウイスキーです。今夜は、気になる「ブラック」を一本手に取って、自由なスタイルでグラスを傾けてみませんか?
その一口が、あなたの新しいウイスキーライフの始まりになるかもしれません。

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