「最近、SNSや酒販店でよく見かける『963』っていうウイスキー、一体どんな味なの?」
「福島県の郡山市で造られているらしいけど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない……」
そんな疑問をお持ちではありませんか?ジャパニーズウイスキーが世界的に注目される中、今、愛好家の間で熱い視線を浴びているのが、笹の川酒造の安積蒸溜所が手掛けるウイスキー 963シリーズです。
今回は、地元・福島の郵便番号を冠したこのクラフトウイスキーの魅力に迫ります。定番の「赤・黒」から超希少な「21年」まで、その味わいの違いや、最高に美味しく楽しむための飲み方を詳しく解説していきます。
笹の川酒造と安積蒸溜所が紡ぐ「963」の物語
ウイスキー「963」を語る上で欠かせないのが、その生みの親である「笹の川酒造」と「安積蒸溜所(あさかじょうりゅうじょ)」の存在です。
福島県郡山市にある笹の川酒造は、なんと1765年創業という歴史ある老舗の蔵元。もともとは日本酒の造り手として知られていましたが、戦後間もない1946年にウイスキー製造免許を取得しました。当時は「東北唯一のウイスキーメーカー」として、日本のウイスキー文化の黎明期を支えてきた存在なのです。
その後、一度はウイスキー造りの火が消えかけましたが、2016年に最新の設備を導入し「安積蒸溜所」として本格的に再始動しました。ここで造られる原酒をベースに、厳選された輸入原酒を巧みにブレンドして誕生したのが963 ウイスキーです。
ブランド名の「963」は、郡山市の郵便番号に由来しています。まさに「福島の風土」をボトルに詰め込んだ、地域密着型のプレミアムな一杯と言えるでしょう。
963ウイスキーの最大の特徴は「無垢な味わい」にあり
「963」シリーズを一口飲んで驚くのは、その風味の力強さとピュアさです。これには、造り手の強いこだわりが隠されています。
多くの963 ウイスキーシリーズに共通する最大の特徴は、「ノンチルフィルター(無冷却濾過)」かつ「ナチュラルカラー(無着色)」であることです。
一般的なウイスキーは、温度変化による濁りを防ぐために冷却濾過を行ったり、色味を一定にするためにカラメルで着色したりすることがあります。しかし「963」は、あえてそれをしません。
樽の中で熟成された原酒本来の成分をそのままボトルに閉じ込めることで、麦の甘みや樽由来のフルーティーな香りを損なうことなく、ダイレクトに味わえるよう設計されています。グラスに注いだ時の粘性や、口に含んだ時の重厚感は、まさに「原酒の素顔」そのものです。
【赤ラベル】リッチ&スイートな誘惑。初心者にもおすすめ!
まずご紹介するのが、シリーズの中でも不動の人気を誇る「赤ラベル」こと963 赤ラベルです。正式名称は「リッチ&スイート」。
その名の通り、非常に華やかで甘美なキャラクターが特徴です。主な特徴をまとめると以下の通りです。
- 香りの特徴: シェリー樽由来のドライフルーツやレーズンのような甘い香りと、バニラのニュアンス。
- 味わいの特徴: 口当たりが非常にスムースで、ハチミツを思わせるリッチな甘みが広がります。
- おすすめの人: ウイスキー初心者の方や、甘口の銘柄が好きな方。
アルコール度数は46%とやや高めですが、その熟成感のおかげでアルコールの角が取れており、驚くほどスルスルと飲めてしまいます。食後のデザートウイスキーとしても最適ですよ。
【黒ラベル】スモーキーでドライ。愛好家を唸らせる一本
次に対極の存在として君臨するのが、「黒ラベル」こと963 黒ラベル。こちらは「スムース&ピーティー」という名称で親しまれています。
アイラ島などの力強いウイスキーが好きな方にはたまらない、本格的なスモーキーさが魅力です。
- 香りの特徴: 焚き火の煙のようなピーティーな香りと、潮風のニュアンス。
- 味わいの特徴: ドライでキリッとした飲み口。麦芽の力強さとスモーキーな余韻が長く続きます。
- おすすめの人: 個性的な味を求めるウイスキー愛好家や、ハイボールでキレを楽しみたい方。
「赤」が優雅なドレスを纏った貴婦人なら、「黒」は荒野を駆けるハンターのような力強さ。この対照的な2本を飲み比べるだけでも、963 ウイスキーの懐の深さを感じることができるはずです。
【ミズナラ・BONDS・AXIS】さらに深化するラインナップ
定番の赤・黒以外にも、近年注目を集めているのが特別なカスク(樽)やブレンド技術を用いたラインナップです。
まずは963 ミズナラカスク。日本固有のミズナラ樽で追加熟成(フィニッシュ)させた逸品です。ミズナラ特有の「お線香」や「白檀」を思わせるオリエンタルな香りが、ウイスキーに高貴な印象を与えています。
次に、ブレンデッドモルトの963 BONDS(ボンズ)。5種類の異なる空き樽(赤ワイン樽など)で熟成された原酒をブレンドした、非常にリッチなボディが特徴です。複雑に重なり合うフレーバーは、まさに「絆(BONDS)」という名にふさわしい調和を見せてくれます。
そして、バランスの良さで定評のある963 アクシス。バニラや桃、リンゴのようなフルーティーさが際立っており、加水した際の変化が非常に美しく、どんなシーンにも寄り添ってくれる一本です。
【至高の21年】世界が認めた長期熟成の重厚感
963 ウイスキーシリーズの最高峰として君臨するのが963 21年です。
21年という長い年月を樽の中で過ごした原酒は、もはやウイスキーという枠を超えた「芸術品」のような深みを湛えています。
- 圧倒的な熟成感: 長期熟成ならではの、溶け込んだ木質香と重厚な甘み。
- カスクストレングスの迫力: アルコール度数は58%前後と非常に高いですが、それを感じさせないほどシルキーな口当たりです。
- 世界的な評価: 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)などの名だたる大会で金賞を受賞しており、その品質は世界基準で認められています。
流通量が非常に少なく、入手困難なボトルではありますが、もしバーや酒販店で見かけることがあれば、迷わず手に取っていただきたい究極の一本です。
963を最高に楽しむ!おすすめの飲み方徹底ガイド
せっかくの素晴らしいウイスキーですから、そのポテンシャルを最大限に引き出す飲み方で楽しみましょう。
- ストレートで「素顔」を味わう963 ウイスキーのノンチルフィルターによる厚みを楽しむなら、まずはストレート。チェイサー(水)を用意して、交互にゆっくりと味わってください。
- トワイスアップで「香り」を解き放つウイスキーと常温の水を1:1で割る「トワイスアップ」。加水することで香りの分子が開き、隠れていたフルーティーな香りが一気に溢れ出します。特に「赤」や「ミズナラ」で試してほしい飲み方です。
- ハイボールで「爽快感」と「余韻」を楽しむ日常的に楽しむなら、やはりハイボール。「黒」をソーダで割ると、スモーキーさが弾けて食事との相性が抜群になります。強炭酸でキリッと冷やしてどうぞ。
- オン・ザ・ロックで「変化」を愛でる大きな氷がゆっくり溶けるにつれて、味わいが徐々にまろやかになっていく過程を楽しむのも一興です。「BONDS」や「アクシス」などのしっかりしたボディを持つ銘柄に向いています。
どこで買える?963ウイスキーの入手方法とコツ
「963」はクラフトウイスキーであるため、どこでも買えるわけではありません。賢く入手するためのポイントをご紹介します。
地元の福島県内では、主要な酒販店や百貨店、道の駅などで広く取り扱われています。しかし、県外となると、こだわりの強い酒店や大型の専門店に限られることが多いのが現状です。
そこで便利なのがオンラインショッピングです。Amazonや楽天市場などのECサイトでは、定番の963 赤ラベルや963 黒ラベルが比較的安定して流通しています。
また、意外な穴場なのが「ふるさと納税」です。福島県郡山市の返礼品としてウイスキー 963がラインナップされていることがあります。実質自己負担2,000円で、このプレミアムなウイスキーを手に入れられるチャンスですので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ:ウイスキー「963」の評価は?赤・黒・21年の違いやおすすめの飲み方を徹底解説!
福島県郡山市の誇り、笹の川酒造が生み出したウイスキー 963。
華やかで甘い「赤」、スモーキーな「黒」、そして静謐な「ミズナラ」や最高峰の「21年」まで、そのラインナップは多岐にわたります。どのボトルにも共通しているのは、造り手の情熱と、安積の風土が育んだ「無垢な美味さ」です。
ジャパニーズウイスキーの新しいスタンダードとして、今まさに輝きを増しているこのブランド。まだ飲んだことがないという方は、まずはご自身の好みに合わせた一本を選んで、その奥深い世界に触れてみてください。
きっと、あなたのウイスキーライフに、福島からの素晴らしい「便り」が届くはずです。

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