「ウイスキーを始めてみたいけれど、種類が多すぎて何を選べばいいかわからない」
「シングルモルトは個性が強すぎて、口に合わなかったら怖い」
そんな方にこそ手に取ってほしいのが、世界中で最も愛されているカテゴリーである「ブレンデッドウイスキー」です。スーパーやコンビニの棚に並んでいるお馴染みのボトルから、一生に一度は飲んでみたい高級品まで、その懐の深さは計り知れません。
今回は、初心者の方でも失敗しない選び方のコツや、プロも唸るおすすめの銘柄20選、そして最後の一滴まで美味しく楽しむための飲み方を徹底的に解説していきます。
ブレンデッドウイスキーが世界中で愛される理由
ウイスキーには大きく分けて「シングルモルト」と「ブレンデッド」がありますが、実は世界で流通しているウイスキーの約9割がブレンデッドだと言われています。なぜこれほどまでに支持されているのでしょうか。
その最大の魅力は「調和(ハーモニー)」にあります。
シングルモルトが、特定の蒸留所の個性を突き詰めた「ソロ演奏」だとすれば、ブレンデッドは複数の原酒が響き合う「オーケストラ」です。力強い個性を持つモルトウイスキー(大麦麦芽が原料)と、軽やかで穏やかなグレーンウイスキー(トウモロコシなどの穀物が原料)を混ぜ合わせることで、トゲのない、滑らかで飲みやすい味わいが生まれます。
また、ブレンダーと呼ばれる職人が、常に一定の味を守り続けているため、いつどこで買っても「あの安心する味」を楽しめるのも大きなメリット。ウイスキー特有のアルコールの刺激が苦手な方でも、ブレンデッドならその華やかな香りと甘みを素直に受け入れられるはずです。
初心者が失敗しないブレンデッドウイスキーの選び方
数あるボトルの中から自分にぴったりの一本を見つけるためには、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。まずはこの3つの視点で選んでみてください。
予算とランクで選ぶ
まずは無理のない価格帯からスタートしましょう。
- 2,000円以下(デイリークラス):ハイボールでガンガン飲みたい時に最適です。安くても品質が安定しているのがブレンデッドの強みです。
- 3,000円〜5,000円(プレミアムクラス):熟成年数が12年以上のものが多くなり、香りの複雑さや余韻の長さが格段にアップします。ロックやストレートでも楽しみたい方向けです。
- 10,000円以上(ハイエンドクラス):特別な記念日やギフトに。希少な原酒が贅沢に使われており、シルクのような口当たりを堪能できます。
産地(五大ウイスキー)の個性を知る
ウイスキーの産地によって、大まかな味の傾向が決まります。
- スコッチ(スコットランド):歴史が深く、種類も豊富。スモーキー(煙たい香り)なものからフルーティーなものまで幅広いです。
- ジャパニーズ(日本):繊細でバランスが良く、日本人の味覚に合うように作られています。食事と一緒に楽しむなら間違いありません。
- アイリッシュ(アイルランド):非常にスムースで軽やか。苦味が少なく、初心者の方に最も優しい味わいです。
- アメリカン(バーボンなど):バニラやキャラメルのような強い甘みが特徴です。
- カナディアン(カナダ):最もライトでクセがなく、カクテルベースにもよく使われます。
「12年」という数字を目安にする
ラベルに書かれている「12」や「17」という数字は、ブレンドに使われている最も若い原酒の熟成年数を表しています。初心者が本格的な味わいを体験したいなら、まずはジョニーウォーカー ブラックラベル 12年のような「12年もの」から始めるのが王道です。熟成が進むほど、角が取れてまろやかになります。
【コスパ最強】2,000円以下のおすすめ銘柄5選
まずは、毎日の晩酌に気兼ねなく使える、コストパフォーマンス抜群のボトルをご紹介します。
デュワーズ ホワイトラベル
ハイボール好きなら、まずはデュワーズ ホワイトラベルを試してみてください。世界中のバーテンダーから「ハイボールに最も合う」と支持される一本です。華やかでフローラルな香りが、炭酸で割ることでパッと弾けます。
バランタイン ファイネスト
スコッチの代名詞とも言えるのがバランタイン ファイネスト。40種類以上の原酒を巧みにブレンドしており、どこまでもバランスが良いのが特徴。バニラのような甘みと、ほんの少しのスパイス感が絶妙です。
ティーチャーズ ハイランドクリーム
スモーキーな香りを体験してみたいならティーチャーズ ハイランドクリームがおすすめ。この価格帯では珍しいほどモルトの比率が高く、力強いコクと煙のような香ばしさがクセになります。
ホワイトホース ファインオールド
少しドライでスッキリした飲み口が好みならホワイトホース ファインオールド。爽やかな香りで、和食や脂っこい料理との相性も抜群。飽きのこない定番の一本です。
ブラックニッカ ディープブレンド
日本のスーパーでもおなじみですが、このブラックニッカ ディープブレンドは一味違います。新樽で熟成させた原酒を使用しており、濃厚な甘みとウッディな香りがしっかり感じられます。ロックでゆっくり飲むのがおすすめ。
【満足度重視】5,000円前後の贅沢な定番銘柄5選
少し予算を上げると、ウイスキーの世界がグッと深まります。自分へのご褒美にふさわしい銘柄を厳選しました。
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
「ジョニ黒」の愛称で世界中から愛される傑作。それがジョニーウォーカー ブラックラベル 12年です。スモーキーさ、甘み、フルーツのような酸味。すべての要素が高い次元で融合しています。これぞブレンデッド、という完成度です。
シーバスリーガル 12年
「スコッチのプリンス」と称されるシーバスリーガル 12年。ハーブや蜂蜜を思わせるクリーミーな味わいが特徴で、女性にも人気が高い銘柄です。非常にエレガントで、リラックスしたい夜にぴったり。
オールドパー 12年
日本と縁が深く、明治時代の岩倉使節団が持ち帰ったことでも知られるオールドパー 12年。熟したフルーツのような芳醇な香りと、奥行きのある甘みが特徴。ボトルが斜めに立つユニークなデザインも会話のネタになります。
ジェムソン スタンダード
アイリッシュウイスキーを代表するジェムソン。3回蒸留という製法により、驚くほどスムース。雑味がなく、ウイスキー独特の「ピリピリ感」が苦手な方でもスイスイ飲めてしまう魔法の一本です。
モンキー ショルダー
こちらは「ブレンデッドモルト」という少し珍しいタイプですが、モンキー ショルダーはぜひ飲んでほしい一本。3つの蒸留所のモルト原酒のみをブレンドしており、麦の甘みが非常に豊か。見た目もおしゃれで、現代的な味わいです。
【一生に一度は】10,000円超えの最高峰銘柄5選
大切な人への贈り物や、人生の節目に開けたい「究極のブレンデッド」をご紹介します。
サントリー 響 JAPANESE HARMONY
日本の四季をコンセプトにしたサントリー 響 JAPANESE HARMONY。その名の通り、一切のトゲがない至高のハーモニーを楽しめます。ローズやライチのような華やかな香りは、もはや芸術品の域です。
バランタイン 17年
「ザ・スコッチ」と呼ばれる不動の王者がバランタイン 17年です。熟成された原酒が織りなす力強くもクリーミーな味わい。余韻には微かなスモーキーさが長く残り、飲むたびに新しい発見があります。
ジョニーウォーカー ブルーラベル
ジョニーウォーカーの最高峰ジョニーウォーカー ブルーラベル。1万樽に1樽という奇跡のような原酒のみをセレクトして作られます。その滑らかさは「ベルベットのよう」と形容され、衝撃的な体験をもたらしてくれます。
ロイヤルサルート 21年
英国女王の戴冠式を記念して作られたロイヤルサルート 21年。21年以上の熟成期間を経た原酒のみが使われており、陶器製のボトルも高級感たっぷり。重厚で甘美な、まさに貴族の飲み物です。
サントリー 碧Ao
世界五大ウイスキーの原酒をブレンドした野心的な一本がサントリー 碧Ao。それぞれの国の個性が代わる代わる現れる、ウイスキーの旅をしているような不思議な感覚を味わえます。
【個性派・話題】今チェックしておくべき銘柄5選
定番以外にも、近年注目を集めている魅力的なボトルがあります。
サントリー 知多
グレーンウイスキーのみで作られたサントリー 知多。軽やかで風のように爽やか。特に「知多風香るハイボール」は、和食との相性が世界一と言っても過言ではありません。
バスカー アイリッシュウイスキー
最近SNSなどで話題沸騰中なのがバスカー。トロピカルフルーツのような香りが強く、この価格帯とは思えないジューシーさが魅力。初心者の方に真っ先に勧めたくなる一本です。
ニッカ フロム・ザ・バレル
ニッカ フロム・ザ・バレルは、ブレンドした後に再び樽に入れて熟成させる「再貯蔵」を行っています。アルコール度数は51%と高いですが、それゆえの濃厚な旨味が凝縮されています。
カネマラ
ブレンデッドではありませんが、アイリッシュの常識を覆すスモーキーさを持つカネマラ。ピーティーな香りとアイリッシュらしい甘みの同居は、ウイスキー愛好家をも虜にします。
デュワーズ 12年
ホワイトラベルの格上版であるデュワーズ 12年。「ダブルエイジ製法」により、熟成された原酒同士をさらに馴染ませており、驚くほどリッチで丸みのある味わいです。
ブレンデッドウイスキーを美味しく飲むための「3つの極意」
せっかく良いお酒を手に入れたなら、そのポテンシャルを最大限に引き出しましょう。
1. ハイボールは「氷」と「混ぜ方」にこだわる
家で作るハイボールを劇的に美味しくするには、以下の手順を試してください。
- グラスをあらかじめ冷やしておく。
- 氷はなるべく大きく、溶けにくいものを使う(市販のロックアイスが理想)。
- 炭酸を注いだら、マドラーで1回だけ、上下に優しく動かす。混ぜすぎると炭酸が抜けて台無しになります。
2. ロックは「温度の変化」を楽しむ
大きな氷にウイスキーを注ぐロック。最初は原酒の力強い香りを楽しみ、氷が溶けるにつれて少しずつ変化していく味わいを堪能してください。ブレンデッドは加水されることで香りが開く(目覚める)ものが多いため、ロックは非常に理にかなった飲み方です。
3. ストレートは「チェイサー」を忘れずに
ウイスキーと同量の水(チェイサー)を用意しましょう。交互に飲むことで口の中がリセットされ、一口ごとに新鮮な香りが楽しめます。また、ストレートのウイスキーに数滴だけ水を垂らすと、香りの分子が弾けて驚くほど華やかになることがあります。
ウイスキーライフの扉を開こう
ブレンデッドウイスキーは、その一杯の中に、何十年という時間と、ブレンダーという職人の情熱がぎゅっと詰め込まれています。決して難しい飲み物ではありません。まずは直感で「ラベルがかっこいいな」と思ったものから始めてみても良いのです。
一日の終わりに、お気に入りのグラスに注がれた琥珀色の液体を眺める時間。それは、忙しい日常の中で自分を労わる、最高に贅沢なひとときになります。
今回ご紹介した銘柄の中から、あなたの人生を彩る大切な一本が見つかることを願っています。
おすすめのブレンデッドウイスキー20選!初心者向けの選び方や飲み方も徹底解説
お気に入りの銘柄を見つけたら、ぜひ次は自分なりのアレンジや、おつまみとの組み合わせも探求してみてください。ウイスキーの世界は、知れば知るほど、飲めば飲むほど、その奥深さに魅了されるはずです。

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