「今夜は家でゆっくりハイボールでも飲もうかな」
そう思ってスーパーの酒類棚に足を運んだとき、必ずと言っていいほど視界に入るのが、あの愛らしい「アンクルトリス」のキャラクターが描かれた一本。ウイスキー トリスは、私たち日本人にとって最も身近なウイスキーのひとつですよね。
しかし、その圧倒的なコストパフォーマンスゆえに、ネット上や巷では「トリスはまずいのでは?」「安かろう悪かろうじゃないの?」といった厳しい声が聞かれることも事実です。
せっかくの晩酌タイム、安く済ませたいけれど失敗はしたくない。そんな風に悩んでいるあなたのために、今回はウイスキー トリスの真実を徹底的に掘り下げていきます。歴史から味の評判、そして「まずい」と言わせない最高の一杯を作るコツまで、これを読めばあなたのトリスに対するイメージがガラリと変わるはずです。
戦後日本の夜を支えた「トリス」の誇り高き歴史
まず、ウイスキー トリスを語る上で外せないのが、その歩んできた歴史です。単なる「安いお酒」という一言で片付けるには、あまりにもドラマチックな背景があります。
トリスが誕生したのは1946年。まさに戦後、日本が復興へと歩み出した激動の時代です。「日本人にウイスキーを、もっと身近に、もっと気軽に楽しんでほしい」というサントリーの創業者・鳥井信治郎氏の熱い想いから、このブランドは産声を上げました。
1950年代から60年代にかけては、全国各地に「トリスバー」が急増しました。当時のサラリーマンたちは、仕事帰りにトリスバーへ立ち寄り、安価で良質なウイスキー トリスのハイボール(通称トリハイ)を片手に、日本の未来を語り合っていたのです。
アンクルトリスというキャラクターが生まれたのもこの頃です。柳原良平氏によって描かれた、少しとぼけた表情の紳士。彼は、庶民のささやかな贅沢と、日常の癒やしを象徴するアイコンとなりました。
つまり、トリスは決して「妥協の産物」ではなく、日本のウイスキー文化をゼロから作り上げ、庶民の暮らしに彩りを添えてきた、非常に歴史とプライドのある銘柄なのです。
なぜ「まずい」と言われるのか?評判の裏側にある真実
さて、本題に入りましょう。なぜウイスキー トリスには「まずい」という評価が付きまとうのでしょうか。これには明確な理由がいくつかあります。
一つは、ウイスキーに何を求めているかという「期待値」のズレです。
高級なシングルモルトや、熟成年数の長いウイスキーを飲み慣れている人が、それらと同じ基準でトリスを評価すると、どうしても「物足りなさ」を感じてしまいます。
- 複雑な香りの重なりがない
- 熟成由来の重厚なコクが少ない
- アルコールのピリピリとした刺激が直接的
これらの要素は、トリスが短期間の熟成で造られていることや、大量生産によって価格を抑えていることに起因します。ストレートやロックでじっくりと香りを愛でるような飲み方をすると、どうしても「若さ」や「薄さ」が露呈してしまうのです。
しかし、これは「品質が低い」こととイコールではありません。トリスの設計思想は、そもそもストレートで飲むことよりも「食事と一緒に楽しむ」「喉越しを味わう」という部分に特化しているからです。
SNSなどの口コミを分析してみると、否定的な意見の多くは「ストレートで飲んだ場合」に集中しています。一方で、肯定的な意見に目を向けると、「ハイボールにすると最高」「どんな料理にも合う」「この値段でこの味なら文句なし」といった声が圧倒的に多いことに気づくはずです。
「まずい」という評判の正体は、飲み方と目的の不一致による誤解であることが多いのです。
現在手に入るトリスの種類とそれぞれの特徴
現在、私たちが手に取ることができるウイスキー トリスには、いくつかのバリエーションがあります。それぞれの個性を知ることで、自分に合った一本が見つかります。
トリス クラシック
現在のラインナップにおける中心的存在がトリス クラシックです。
丸みのある甘みが特徴で、非常にスムーズな口当たりを目指して設計されています。バニラのようなほのかな甘い香りと、シェリー樽由来の華やかさがわずかに感じられ、ウイスキー特有の「クセ」が極限まで抑えられています。
初心者が最初に試すなら、まずはこのクラシックから入るのが正解です。晩酌でのハイボールはもちろん、コーラやジンジャーエールで割っても、ベースの味が主張しすぎないため非常にバランス良く仕上がります。
トリス エクストラ
よりハイボールに特化した存在として人気なのがトリス エクストラです。
こちらはバーボン樽原酒を使用しており、クラシックよりも「キレ」と「爽快感」が強調されています。すっきりとした後味で、レモンなどの柑橘類を絞ったときの相性が抜群に良いのが特徴です。
居酒屋などで提供される「トリハイ」の味に近いのはこちらかもしれません。ガツンとした食事と一緒に、ゴクゴクと喉を鳴らして飲みたい時に最適な一本です。
トリスハイボール缶
「自分で作るのは面倒」という方の強い味方が、コンビニでもおなじみのトリスハイボール缶です。
サントリーが長年培ってきた技術を結集し、炭酸の強さ、レモンの配合、ウイスキーの濃度が黄金比で調整されています。自分で作るとどうしても味がブレてしまいがちですが、缶ならいつでも最高の状態で楽しめます。最近ではアルコール度数を高めた「濃いめ」タイプも人気ですね。
トリスを「最高の一杯」に変えるハイボールの作り方
「トリスはまずい」と思っている方にこそ試してほしいのが、正しい手順で作るハイボールです。少しの工夫で、安いウイスキーとは思えないほどのクオリティに化けます。
まず準備するのは、以下の4つです。
- よく冷えたウイスキー トリス
- キンキンに冷えた炭酸水(強炭酸がおすすめ)
- たっぷりの氷
- よく冷えたグラス
実は「温度」が最大のポイントです。トリスに含まれるアルコールのトゲを抑えるには、とにかくすべてを冷やすことが重要です。
美味しく作るステップ
- グラスに氷を山盛りに入れる。
- ウイスキーを注ぎ、マドラーでしっかり混ぜてグラスと氷を冷やす。
- 溶けた分の水を一度捨て、さらに氷を足す。
- 炭酸水を氷に当てないように、そっと注ぐ。比率は「トリス1:炭酸水3〜4」が理想的です。
- マドラーで縦に一回だけ、優しく混ぜる。
混ぜすぎは禁物です。炭酸が抜けてしまうと、トリスの最大の魅力である爽快感が損なわれてしまいます。
ちょい足しアレンジでさらに化ける
トリスは「クセがない」のが特徴なので、アレンジの懐が非常に深いです。
- レモンを贅沢に絞る: 市販のレモン果汁ではなく、生のレモンを絞るだけで香りの格が上がります。
- ブラックペッパーを振る: 意外かもしれませんが、仕上げに黒胡椒を少し振ると、味が引き締まって大人のハイボールになります。
- 梅干しを入れる: 焼酎の梅割りのような感覚で、意外とマッチします。
これらの工夫を加えることで、ウイスキー トリスは立派な「ご馳走ハイボール」へと進化します。
料理とのペアリングこそトリスの真骨頂
トリスを飲む際、ぜひ意識してほしいのが「食事との相性」です。
高級なスコッチウイスキーは、そのもの自体に強い個性があるため、合わせる料理を選びます。しかし、ウイスキー トリスは違います。その「控えめな個性」こそが、日本の家庭料理の味を引き立てる名脇役になるのです。
- 唐揚げやコロッケなどの揚げ物: 強めの炭酸で作ったトリハイが、口の中の油っぽさを綺麗に洗い流してくれます。
- 焼き鳥(タレ)や照り焼き: トリス特有のほのかな甘みが、醤油と砂糖の甘辛い味付けと共鳴します。
- 意外なところで「お好み焼き」や「たこ焼き」: ソースの濃い味にも負けず、スッキリとさせてくれます。
このように、食事の邪魔をせず、むしろ「次のひと口」を美味しくさせてくれる。これこそが、トリスが長年愛され続けている最大の理由なのです。
他の低価格ウイスキーとの比較
よく比較対象に挙がるのが、ブラックニッカ クリアやサントリー 角瓶です。
ブラックニッカ クリアは、ピート(泥炭)の香りがない「ノンピートモルト」を使用しており、トリス以上にクセがないと言われます。一方、トリスはわずかにウイスキーらしい甘みを感じることができます。「全くクセがないのがいい」ならブラックニッカ、「少しはウイスキーらしい甘みが欲しい」ならトリス、という使い分けができます。
サントリー 角瓶は、トリスの上位互換と言える存在です。厚みのあるコクやドライな後味はさすがの一言ですが、価格はトリスの約2倍ほどになります。毎日の晩酌でガブガブ飲むならトリス、週末に少し贅沢するなら角瓶、といったローテーションも賢い選択です。
まとめ:ウイスキー「トリス」は日常を豊かにする最高のデイリー酒
「まずい」という噂に惑わされて、この名作を敬遠してしまうのはあまりにも勿体ないことです。
ウイスキー トリスは、以下の条件に当てはまる人にとって、これ以上ないほど素晴らしい選択肢になります。
- 1,000円以下で、日常的にウイスキーを楽しみたい。
- ハイボールにして、食事と一緒にゴクゴク飲みたい。
- 複雑な味わいよりも、親しみやすさと爽快感を重視したい。
高いお酒には高いお酒の、安いお酒には安いお酒の「楽しみ方の正解」があります。トリスの場合、それは「肩の力を抜いて、気取らずにハイボールで楽しむこと」に他なりません。
もし、今までトリスに対してネガティブなイメージを持っていたなら、ぜひ今夜、スーパーでウイスキー トリスを手に取ってみてください。そして、キンキンに冷やしたグラスで、丁寧なハイボールを作ってみてください。
一口飲めば、アンクルトリスが微笑んでいる理由が、きっとあなたにも分かるはずです。
ウイスキー トリスで、あなたの晩酌タイムがもっと気軽で、もっと楽しいものになることを願っています。ウイスキー「トリス」はまずい?味の評判や種類、ハイボールを美味しく作るコツを徹底解説しました。

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