信州の厳しい冬を越える知恵が詰まった「野沢菜」や、湧き出る源泉で茹で上げられる山の幸。野沢温泉は、日本屈指の名湯であると同時に、訪れる人を胃袋から掴んで離さない「美食の宝庫」でもあります。
せっかくの旅行、温泉で体を癒した後は、その土地でしか味わえない最高のご飯を楽しみたいですよね。「スキー宿の食事って量が多いだけで味は普通じゃないの?」なんて心配は無用です。野沢温泉には、代々伝わる郷土料理を洗練された一皿に昇華させる老舗から、信州牛を贅沢に振る舞う宿まで、食へのこだわりが凄まじい宿が点在しています。
今回は、実際に泊まった人の口コミ評価も高く、特に「ご飯が美味しい」と評判の宿を厳選してご紹介します。
江戸時代から続く伝統の味を「村のホテル 住吉屋」で知る
野沢温泉の象徴である「麻釜(おがま)」のすぐそばに佇む住吉屋は、食通なら一度は訪れたい老舗旅館です。ここの主役は何と言っても、江戸時代から伝わる郷土の祝膳「取り回し鉢」です。
地元の山菜や旬の野菜を、代々受け継がれてきた美しい器に盛り付けて提供するスタイルは、目で見ても楽しく、一口食べれば素材の力強さが伝わってきます。派手な演出はありませんが、出汁の引き方ひとつとっても丁寧で、体に染み渡るような優しさがあります。
特筆すべきは朝食です。毎朝、麻釜の熱い源泉で茹で上げられる「温泉卵」や、炭火で香ばしく焼かれた地魚は、それだけでご馳走。そして、野沢温泉産の極上コシヒカリとの相性が抜群です。お米一粒一粒が立っており、自家製の野沢菜漬けと一緒に口に運べば、これ以上の贅沢はないと感じるはずです。
信州 野沢菜漬けなどの特産品に興味がある方なら、本場の味の深さに驚くこと間違いありません。
贅沢の極み!「旅館 さかや」で味わうモダンな信州会席
「せっかくの旅行だから、少し贅沢をして最高級の信州牛を味わいたい」という方には、旅館 さかやがおすすめです。こちらは、野沢温泉の中でも指折りのハイクラス宿として知られています。
料理のコンセプトは、伝統と現代の融合。信州のブランド食材をふんだんに使いつつ、フレンチのような華やかさを添えた創作会席料理が楽しめます。メインの信州牛は、きめ細やかな霜降りととろけるような食感が特徴。陶板焼きやステーキなど、肉本来の旨みを最大限に引き出す調理法で提供されます。
また、地元の「福味鶏(ふくみどり)」を使った一品も絶品です。柔らかくジューシーな肉質は、地酒との相性も抜群。個室または半個室の食事処で、ゆっくりと時間をかけて食事を楽しめるのも大人には嬉しいポイントです。特別な記念日や、自分へのご褒美旅に相応しい「至福のひととき」を約束してくれます。
低温調理の魔法!「四季の味宿 もみの木」の絶品ローストビーフ
8室のみの小さな宿ながら、その料理のクオリティに圧倒されるのが「四季の味宿 もみの木」です。ここの名物は何と言っても、女将が作る「自家製ローストビーフ」。
驚くべきは、温泉の熱を利用して約3時間じっくりと低温調理されていることです。この独自の製法によって、肉の旨みがぎゅっと凝縮され、驚くほどしっとりと柔らかい仕上がりになっています。一度食べたら忘れられない味として、このローストビーフを目当てにリピートする宿泊客も少なくありません。
野菜へのこだわりも徹底しています。自家農園で育てた新鮮な野菜が食卓を彩り、夏には瑞々しい夏野菜、秋には香りの高いキノコ、冬には自家製の野沢菜漬けと、四季の変化をダイレクトに舌で感じることができます。大規模なホテルでは真似できない、一品一品に心がこもった「手作りの温かさ」が魅力の宿です。
肉好きにはたまらない!「河一屋旅館」の信州牛プラン
「とにかく美味しいお肉をお腹いっぱい食べたい!」という明確な目的があるなら、河一屋旅館が正解です。こちらの宿は、信州牛をメインに据えた宿泊プランが非常に充実しています。
すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキなど、好みのスタイルで極上の信州牛を堪能できるのが最大の特徴。肉の質に妥協がなく、一口ごとに溢れる脂の甘みと赤身の旨みは、まさに至福です。また、料理のボリュームもしっかりしており、働き盛りの男性や食べ盛りの家族連れからも高い支持を得ています。
館内は和モダンな雰囲気で整えられており、リラックスした空間で食事ができるのも魅力。地産地消をモットーに、北信州の旬を逃さず取り入れた献立は、肉だけでなく脇を固める小鉢一つひとつまで抜かりがありません。
心温まる朝のひととき「桐屋旅館」の炊き立てご飯
野沢温泉の「朝ご飯」の底力を感じさせてくれるのが、桐屋旅館です。看板猫たちが迎えてくれるアットホームな雰囲気で有名ですが、実は料理の評価が非常に高い実力派でもあります。
ここの朝食は、まさに理想の和食。地元農家から直接仕入れる一等米のコシヒカリ、自家製の味噌を使ったお味噌汁、そして熟練の技で漬け込まれた野沢菜漬け。派手な食材はなくても、一つひとつの味が濃く、体の中から力が湧いてくるような感覚になります。
夕食も、地元の山菜や川魚を主役にした、滋味深い郷土の味が並びます。素材の味を活かすシンプルな調理法だからこそ、水と空気の美しさが料理を通じて伝わってきます。静かな環境で、静かに美味しいご飯に向き合いたい。そんな旅を求めている方にぴったりです。
圧倒的なコスパと満足度「じょんのびな宿 よえむ」
「じょんのび」とは、地元の方言で「ゆったり、のんびりする」という意味。その名の通り、気取らずに最高のご飯を楽しめるのが「じょんのびな宿 よえむ」です。
ここの魅力は、リーズナブルな価格帯を良い意味で裏切る料理の満足度です。特に信州名物の「馬刺し」は鮮度が抜群で、とろけるような食感が楽しめると評判。また、初夏には「根曲がり竹」とサバ缶を使った北信州のソウルフード「タケノコ汁」が登場するなど、地域の食文化を肌で感じることができます。
自家製米と自家製野菜を惜しみなく使ったメニューは、どれも「ご飯が進む」ものばかり。豪華絢爛な会席料理も良いですが、こうした土地の暮らしが透けて見えるようなお料理こそ、旅の醍醐味かもしれません。
山里の恵みを丁寧に「中島屋旅館」のぬくもり料理
落ち着いた大人の隠れ家のような雰囲気を好むなら、中島屋旅館がおすすめです。ここでは、山里の恵みを丁寧に調理した、温かみのある料理に出会えます。
特に注目したいのは、地元の伝統野菜や、その時期にしか採れない希少な山菜を巧みに取り入れた献立です。都会ではなかなかお目にかかれない食材を、一番美味しい方法で食べさせてくれます。
温泉街の中心部に位置しながらも、館内は静寂に包まれており、ゆっくりと料理の一口一口を噛みしめることができます。派手さよりも「質の高さ」と「誠実さ」を感じさせる食事は、旅の疲れを優しく解きほぐしてくれるはずです。
野沢温泉でご飯が美味しい宿を選ぶポイントと楽しみ方
ここまで「野沢温泉でご飯が美味しい宿」を紹介してきましたが、さらに満足度を高めるためのポイントをお伝えします。
まず注目すべきは「お米」です。野沢温泉はブナの原生林から湧き出る清らかな水があるため、お米のクオリティが非常に高い地域です。多くの宿が自家製米や地元の契約農家のお米を使用しており、白米そのものが一つのメインディッシュになります。
次に「温泉調理」。共同浴場の「麻釜」は90度近い熱湯が湧き出ており、村の人々が野菜を茹でる光景が見られます。この「温泉で茹でる」という工程が、野菜の余計なアクを抜き、驚くほどの甘みを引き出します。宿泊する宿が麻釜で茹でた食材を提供しているかどうかは、ぜひチェックしてほしいポイントです。
そして、お酒好きなら地酒「水尾」を忘れずに。野沢温泉の清らかな水で仕込まれたこのお酒は、この地の料理と合わないはずがありません。キリッとした飲み口が、信州牛の脂や野沢菜の塩気と完璧に調和します。
お酒 おつまみ セットを探すのも楽しいですが、やはり現地で、その土地の空気と一緒に味わうご飯は格別です。
外湯巡りで汗を流し、湯上がりにキンと冷えた地酒と共に、その土地の恵みをいただく。そんな贅沢な時間を過ごすために、ぜひ自分にぴったりの「ご飯が美味しい宿」を見つけてみてください。野沢温泉での一夜が、あなたの胃袋と心を満たす最高の思い出になることを願っています。

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