ポルトガル語圏の国々、特にブラジルやポルトガルを旅したり、現地のレストランに足を踏み入れたりしたとき。目の前に並ぶ色鮮やかな料理を一口食べて「あ、これ最高!」と思ったその瞬間、あなたならどんな言葉をかけますか?
ただ「美味しい」と一言伝えるだけでも、現地の人はパッと顔を輝かせて喜んでくれます。でも、実はポルトガル語には、その時々の感情や状況に合わせた「美味しい」のバリエーションがいくつもあるんです。
今回は、旅行や日常会話ですぐに使えるポルトガル語の「美味しい」という表現を、ニュアンスの違いや使い分けのコツと一緒にご紹介します。これを読めば、あなたの食事の時間がもっと豊かで楽しいものになるはずですよ!
1. これだけは覚えたい!ポルトガル語「美味しい」の基本
まずは、どんな場面でも使える基本中の基本から押さえていきましょう。ポルトガル語で味を褒める言葉は、大きく分けて3つの王道フレーズがあります。
圧倒的な定番!「Gostoso(ゴストーゾ)」
ブラジルで最も頻繁に耳にするのがこの言葉です。食べ物に対しても飲み物に対しても、「味が良い」「美味しい」という意味で幅広く使われます。「Gostoso!」と一言つぶやくだけでも十分伝わりますし、語尾を伸ばして「Gostooso!」と言うと、より「たまらん!」というニュアンスが強調されます。
万能で使いやすい「Bom(ボン)」
英語の「Good」にあたる言葉です。食事中に店員さんから「お味はいかがですか?」と聞かれたとき、「Está bom(エスタ・ボン)」と答えれば「美味しいですよ、大丈夫ですよ」というスマートな返答になります。非常にシンプルですが、日常に溶け込んだ温かい表現です。
特別な一皿には「Delicioso(デリシオーゾ)」
「デリシャス」の語源でもあるこの言葉は、まさに「絶品」や「至高の味わい」を意味します。いつもよりちょっと贅沢なディナーや、丁寧に作られた家庭料理を大絶賛したいときに使ってみてください。
2. 実践!レストランや家庭で役立つフレーズ集
単語だけでなく、短い文章で伝えられるようになると、コミュニケーションの幅が一気に広がります。相手の目を見て、心を込めて伝えてみましょう。
感動を最大級に伝えるとき
「本当に美味しい!」と言いたいときは、形容詞の前に「Muito(ムイトゥ=とても)」をつけます。
- Está muito bom!(エスタ・ムイトゥ・ボン)
- Está muito gostoso!(エスタ・ムイトゥ・ゴストーゾ)
さらに、ポルトガル語圏の女性がよく使う、より感情豊かな表現もあります。
- Está uma delícia!(エスタ・ウマ・デリッスィア)「まさに至福の味!」というニュアンスで、料理を心から楽しんでいる様子が伝わります。
料理を作ってくれた人へ敬意を払う
友人宅に招かれたり、シェフに直接感想を伝えたりする場合は、味だけでなくその「腕前」を褒めるのがスマートです。
- A comida está ótima.(ア・コミーダ・エスタ・オーチマ)「料理、最高ですね」という意味です。Ótimo(オーチモ)は、Bomよりもさらに一段階上の評価を表します。
- Parabéns!(パラベンス!)本来は「おめでとう」という意味ですが、料理が素晴らしかったときに「お見事!」というニュアンスで使われます。これを言われると、作り手は最高に誇らしい気持ちになります。
3. 要注意!似ているけれど全く違う言葉の落とし穴
ポルトガル語を学ぶ上で、一つだけ絶対に気をつけなければならない「NGワード」があります。それは、お隣のスペイン語と混同してしまうこと。
スペイン語では「Exquisito(エクスキシト)」と言うと「この上なく美味しい」という意味になります。ところが、ポルトガル語で似た発音の**「Esquisito(エスキジート)」と言うと、なんと「変な、奇妙な、気味が悪い」**という意味になってしまうんです。
せっかくのご馳走を前にして「これ、エスキジートだね!」なんて言ってしまうと、「この料理、なんか変な味がする」と文句を言っているように聞こえてしまいます。これだけは間違えないように、しっかりメモしておいてくださいね。
4. 飲み物や特定の味を表現するバリエーション
「美味しい」の他にも、味覚を表現する言葉を知っておくと、食事の会話がさらに弾みます。
飲み物の感想を伝える
コーヒーやワイン、ビールを飲んだときも、基本的には「Gostoso」や「Bom」でOKです。
- Este café está muito gostoso.(エステ・カフェ・エスタ・ムイトゥ・ゴストーゾ)ブラジルはコーヒー大国ですから、美味しいコーヒーに出会ったらぜひこう伝えてみてください。
詳しい味の感想を添える
- Doce(ドーセ):甘い。ブラジルのスイーツはガツンと甘いことが多いので、よく使います。
- Salgado(サルガード):塩味が効いている。
- Picante(ピカンテ):辛い。
- Fresco(フレスコ):新鮮な。魚介類などを褒めるときに最適です。
これらの言葉を添えることで、「ただ美味しいだけでなく、どう美味しいのか」を共有できるようになります。
5. 覚えておくと便利な「文法のルール」
少しだけ専門的なお話をすると、ポルトガル語には「男性名詞」と「女性名詞」があります。褒める対象が何かによって、言葉の語尾が「オ」になったり「ア」になったりします。
- 男性名詞(コーヒー、ワイン、肉料理など)の場合Gostoso(ゴストーゾ)、Delicioso(デリシオーゾ)
- 女性名詞(ビール、サラダ、パスタなど)の場合Gostosa(ゴストーザ)、Deliciosa(デリシオーザ)
もし迷ってしまったら、語尾を気にせず「Está bom(エスタ・ボン)!」と言えば間違いありません。「Bom」は非常に便利な、魔法の言葉なんです。
6. 文化を知ればもっと伝わる!ジェスチャーの魔法
ポルトガルやブラジルの人々は、言葉と同じくらいジェスチャーを大切にします。言葉が出てこないときは、体で表現してみましょう。
ポルトガルで特によく見られるのが、片方の耳たぶを指でつまんで、軽く前後に振る仕草です。これは「耳まで落ちるほど美味しい(これ以上ないほど最高だ)」というサイン。レストランでシェフと目が合ったときにこのポーズをすれば、言葉以上にあなたの満足感が伝わるはずです。
ブラジルの場合は、親指と人差し指で輪っかを作る「OK」のサインや、親指を立てる「ジョイア(Joia)」のポーズが一般的です。笑顔と一緒にこれらのサインを送れば、言葉の壁なんて一気に吹き飛んでしまいます。
7. お家でポルトガル・ブラジル気分を味わうなら
もし、まだ現地に行く予定はないけれど、自宅でポルトガル語圏の雰囲気を楽しみたいという方は、まずは現地の味を再現してみるのが一番の近道です。
ブラジルの代表的な肉料理「シュラスコ」を自宅で楽しむなら、適切な調理器具があると一気に本格的になります。例えばシュラスコ用鉄串を使ってお肉を焼き、岩塩だけでシンプルに味付けしてみてください。焼き上がったお肉を切り分けながら、家族や友人と「Está muito gostoso!」と言い合えば、そこはもうサンパウロの街角です。
また、ポルトガルの食卓に欠かせないのが「バカリャウ(干し鱈)」の料理。これにはキリッと冷えたポルトガルワインが欠かせません。ヴィーニョ・ヴェルデのような微発泡のワインを準備して、豊かな食文化に触れてみるのも素敵ですね。
8. ポルトガル語で「美味しい」を伝える喜び
さて、ここまで様々な表現を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
ポルトガル語で「美味しい」と伝えることは、単に感想を述べることではありません。それは、料理を作ってくれた人への感謝であり、その場の空気を明るくする魔法の挨拶でもあります。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、まずは「Bom!」や「Gostoso!」と短く口に出すことから始めてみてください。あなたのその一言が、現地の人との心の距離をぐっと縮めてくれるはずです。
美味しい料理を囲み、温かい言葉を交わす。そんな素晴らしい体験のために、今回ご紹介したフレーズをぜひ役立ててください。
最後にもう一度復習です。一番大切なのは、笑顔で伝えること。
**ポルトガル語で「美味しい」は何?場面で使い分ける厳選フレーズ15選!**を参考に、あなたらしい表現を見つけて、最高の一皿を楽しんでくださいね。Bom apetite(ボナ・ペイチ=召し上がれ)!

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