「お店で食べるような、あの中までトロトロでふわふわなフレンチトーストを家でも食べたい!」
そう思って作ってみたものの、中まで味が染みていなかったり、表面だけ焦げて中が半生だったり……。シンプルな料理だからこそ、実は奥が深くて難しいのがフレンチトーストですよね。
でも、安心してください。ちょっとした「科学的なコツ」と「準備のポイント」さえ押さえれば、誰でもおうちでホテルクオリティの味を再現できるんです。
今回は、最高に美味しいフレンチトーストを作るための秘訣を、準備から焼き上げまで徹底的に解説します。
最高の食感を生むための「パン選び」と「下準備」
美味しいフレンチトーストへの第一歩は、実は卵液に浸ける前から始まっています。
多くの人がやってしまいがちなのが「買いたてのふわふわな食パンをそのまま使う」こと。実はこれ、プロの視点から見ると非常にもったいないんです。
パンをあえて「乾燥」させるのが正解
フレンチトーストの肝は、パンにどれだけアパレイユ(卵液)を吸わせるか。新鮮で水分をたっぷり含んだパンは、それ以上水分を吸い込む隙間がありません。
そこでおすすめなのが、パンをあえて乾燥させること。
前日から袋を開けて室内に置いておくか、時間がないときはオーブントースターの低温で数分加熱し、表面をカサカサの状態にします。こうすることで、パンがまるでスポンジのように卵液をぐんぐん吸い込んでくれるようになります。
厚切りパンがもたらす至福のボリューム
贅沢な気分を味わうなら、パンの厚さは3cmから4cmの「超厚切り」を選びましょう。
薄いパンだと、焼いている間に形が崩れやすく、中心のトロッとした食感が出にくいからです。4枚切り、あるいは1斤丸ごとのパンを買って、自分で厚めにカットするのがベストです。
黄金比のアパレイユで作る極上の味わい
パンの準備ができたら、次は味の決め手となる卵液(アパレイユ)を作りましょう。
家庭にある材料だけで作れますが、配合を変えるだけで驚くほどリッチな味わいに変わります。
プロが実践する濃厚な配合
基本は「卵1個に対して牛乳100ml」ですが、より濃厚に仕上げるなら、牛乳の2割から3割を生クリームに置き換えてみてください。
さらに、全卵だけでなく「卵黄」を1個分追加すると、色が鮮やかになり、コクがぐっと増します。砂糖はきび砂糖やグラニュー糖を使い、ダマにならないよう卵と牛乳を混ぜる前にしっかりすり混ぜておくのがポイントです。
香りの魔法「バニラ」と「シナモン」
香りは美味しさの重要な要素です。
バニラエッセンスを数滴加えるだけでも十分ですが、特別な日はバニラビーンズの鞘から種をしごき出して入れてみてください。焼いている最中から部屋中に幸せな香りが広がり、五感で美味しさを感じることができます。
「一晩寝かせる」が魔法の時間を生む
アパレイユができたらパンを浸けますが、ここで焦ってはいけません。
20分では足りない?理想の浸け込み時間
表面だけが濡れた状態だと、焼いたときに中がただの「熱いパン」になってしまいます。
中まで完全に「プリン状態」にするには、最低でも2時間、理想を言えば「一晩(8時間〜12時間)」冷蔵庫で寝かせるのが正解です。
途中で裏返すひと手間を
バットに並べて浸ける際は、途中で一度裏返して両面に均等に吸わせましょう。
一晩置いた後のパンは、アパレイユをすべて吸い込んで、持ち上げるのが難しいほど重く、ぷるぷるの状態になっているはず。これが最高に美味しくなる合図です。
失敗しない火加減と「蒸し焼き」の技術
いよいよ焼きの工程です。ここで強火にするのは絶対にNG。せっかくの苦労が台無しになってしまいます。
弱火でじっくり、が鉄則
フライパンを熱し、バターを多めに入れます。バターがシュワシュワと泡立ち、香りが立ってきたらパンを投入。
火加減は「弱めの中火」から「弱火」をキープしてください。表面を焦がさず、ゆっくりと中の温度を上げていくことで、卵のタンパク質が固まり、スフレのような食感が生まれます。
蓋をして「蒸らす」工程
パンをフライパンに入れたら、すぐに蓋をしましょう。
蒸し焼き状態にすることで、パンの内部までしっかりと熱が伝わり、中心部がふっくらと膨らんできます。片面3分から5分ずつ、じっくりと時間をかけて焼き色をつけていきます。
最後の仕上げで「お店の味」に格上げする
両面に綺麗な焼き色がついたら、そのままお皿に盛るのもいいですが、最後にもうワンステップ。
追いバターとキャラメリゼ
焼き上がる直前に、少量のバターをフライパンの空いているスペースに追加し、溶けたバターをパンに絡めます。これで香りが格段に良くなります。
また、最後に少しだけ火を強め、グラニュー糖を表面にパラパラと振ってから裏返して数十秒焼くと、表面がカリッとした「キャラメリゼ」状態になり、食感のコントラストが楽しめます。
最高のトッピング選び
お皿に盛り付けたら、お好みのトッピングを。
メープルシロップはもちろん、冷たいバニラアイス、酸味のあるベリー系のフルーツ、あるいは無塩のナッツなども相性抜群です。熱々のパンの上で溶けるアイスクリームは、まさに禁断の美味しさ。
シチュエーション別のおすすめアレンジ
基本をマスターしたら、その日の気分に合わせてアレンジを楽しみましょう。
週末のブランチに「セイボリー・フレンチトースト」
甘くないフレンチトーストも絶品です。
卵液の砂糖を控えめにし、代わりに粉チーズや黒胡椒を加えます。焼き上がりにカリカリに焼いたベーコンや目玉焼きを添えれば、豪華な朝食の完成。岩塩をパラリと振るのもおすすめです。
大人の味「ラム酒の香り」
大人向けのデザートにするなら、卵液にダークラムを小さじ1杯加えてみてください。一気に奥行きのある、レストランのような洗練された味わいに変化します。
美味しいフレンチトーストの作り方!プロが教える失敗しないコツと絶品レシピを解説
いかがでしたでしょうか。
美味しいフレンチトーストを作るために必要なのは、特別な道具ではなく「パンを乾燥させる」「一晩じっくり浸ける」「弱火で蓋をして焼く」という、ちょっとした手間と待ち時間です。
朝起きて、冷蔵庫を開けるとアパレイユをたっぷり吸ったパンが待っている。そんな週末の朝は、それだけで心が豊かになります。外はカリッと、中はとろけるような至福の食感を、ぜひあなたのご自宅で再現してみてください。
一度この方法を覚えたら、もう外食のフレンチトーストでは満足できなくなるかもしれません。それくらい、家で作る「本気のフレンチトースト」は感動的な美味しさですよ。

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