インドネシア料理といえば、ナシゴレンやミーゴレン、サテなど、日本人の口にも合う絶品グルメの宝庫ですよね。現地を旅行したり、日本にあるインドネシア料理店に足を運んだりしたとき、「これ、美味しい!」という気持ちを現地の言葉で伝えられたら、もっと食事が楽しくなると思いませんか?
実は、インドネシア語で「美味しい」を意味する言葉は、私たちがよく知る「Enak(エナッ)」だけではありません。シチュエーションや相手との距離感、そして味のニュアンスによって、驚くほどたくさんのバリエーションがあるんです。
この記事では、基本の表現から、SNSで話題の最新スラングまで、インドネシア語の「美味しい」を徹底的に深掘りします。これを読めば、あなたも明日からインドネシア料理の食レポが完璧にこなせるようになるはずです!
1. まずはこれから!一番使われる「美味しい」の基本
インドネシア語を学び始めて最初に覚える「美味しい」といえば、間違いなく「Enak(エナッ)」でしょう。これさえ覚えておけば、インドネシアのどこへ行っても困ることはありません。
魔法の言葉「Enak」の秘密
「Enak」は非常に守備範囲の広い言葉です。食べ物や飲み物が美味しいときはもちろんですが、実は「心地よい」というニュアンスも含まれています。例えば、マッサージを受けて気持ちいいときや、風が涼しくて気分がいいときにも使われます。
発音のコツは、最後の「k」をはっきり発音せず、喉の奥を軽く閉じるようにして音を止めること。「エナック」ではなく「エナッ」と短く切るイメージで伝えると、一気に現地の人っぽい発音になります。
「とても美味しい」と強調したいときは?
一口食べて感動したときは、単語の後ろに強調する言葉を添えてみましょう。
- Enak sekali(エナッ スカリ):標準的で丁寧な「とても美味しい」です。どんな場面でも使えます。
- Enak banget(エナッ バンゲット):若者がよく使う「めちゃくちゃ美味しい!」というニュアンス。親しい友人との食事なら、こちらの方が感情が伝わります。
複数を指す「Enak-enak」
テーブルにたくさんの料理が並んでいて、そのどれもが美味しいときは「Enak-enak!」と重ねて言ってみてください。「どれもこれも美味しいね!」というハッピーなニュアンスが伝わりますよ。
2. 高級感や風味を伝える「Lezat」と「Sedap」
基本の「Enak」をマスターしたら、次は少し語彙を広げてみましょう。インドネシア語には、美味しさの「質」を表現する言葉が他にもあります。
上品で豊かな味わい「Lezat(レザッ)」
テレビのグルメ番組や、高級ホテルのレストラン、あるいは食品のパッケージなどでよく見かけるのが「Lezat(レザッ)」という言葉です。
日本語で言うところの「美味(びみ)」や「風味豊かな」に近い、少し改まった響きがあります。店員さんに「お味はいかがですか?」と聞かれた際に「Lezat sekali」と答えると、とても知的な印象を与えることができます。
スパイスの香りが引き立つ「Sedap(スダップ)」
インドネシア料理の醍醐味といえば、豊かなスパイスの香りですよね。そんな「香ばしさ」や「奥深いコク」を感じたときにぴったりなのが「Sedap(スダップ)」です。
例えば、スープの出汁がしっかり効いているときや、スパイスたっぷりのカレーを食べたときなどに使われます。インドネシアで非常に有名なインスタントラーメンのブランドMie Sedaapも、この「美味しい・香ばしい」という意味から名付けられています。
3. 現地の若者に混ざって使いたい最新の褒めスラング
言葉は生き物です。今のインドネシア、特にジャカルタなどの都市部では、教科書には載っていないような面白い「美味しい」の表現が溢れています。これを使えば、現地の友達も驚くこと間違いなしです。
伝説の食レポ用語「Maknyus(マニュス)」
これはインドネシアの有名な美食家、故ボンド・ウィノモノ氏が流行らせた言葉です。彼がテレビで美味しそうに料理を食べ、「マニュス!」と叫ぶ姿は国民的な人気を博しました。今では少し古い言い回しになりつつありますが、それでも「非の打ち所がないほど旨い」という意味で、敬意を込めて使われる言葉です。
困ったらこれ!「Mantul(マントゥル)」
最近のSNSで最もよく見かける言葉の一つが「Mantul(マントゥル)」です。これは「Mantap Betul(マンタップ・ブトゥル)」という言葉の略称で、直訳すると「本当に最高、非の打ち所がない」という意味になります。
料理だけでなく、素晴らしい景色を見たときや、いいニュースを聞いたときなど、あらゆる「最高!」の場面で使えます。食べ終わった後に親指を立てて「Mantul!」と言えば、シェフも満面の笑みを浮かべてくれるでしょう。
衝撃の旨さを表す「Gak ngotak(ガッンゴタッ)」
これはかなりカジュアルな若者言葉です。「Ngotak」は「脳」に関係する言葉で、直訳すると「脳がついていかない」「考えられない」といった意味。転じて「思考が停止するほど、ありえないくらい美味しい!」という、衝撃的な旨さを表現する際に使われます。SNSの動画コメントなどでよく見かける最新表現です。
4. 料理の感想をより具体的に伝える味覚の表現
「美味しい」の後に、どんな味なのかを一言添えられるようになると、会話の深みが一気に増します。インドネシア料理の特徴を捉えた言葉をセットで覚えましょう。
旨味の決め手「Gurih(グリ)」
インドネシア人が食事の感想で非常によく使うのが「Gurih(グリ)」という言葉です。これは日本語の「旨味がある」「コクがある」「塩気が絶妙」といったニュアンスをすべて含んだ便利な言葉です。
揚げたてのテンペや、ココナッツミルクの効いたスープなどを食べた際、「Gurih banget!(コクがあって最高!)」と言ってみてください。現地の人の味覚に寄り添った、非常に通な表現になります。
五味を使いこなそう
- Manis(マニス):甘い。インドネシアの紅茶や、ジャワ地方の料理はかなり甘いのが特徴です。
- Pedas(プダス):辛い。サンバル(唐辛子ペースト)が効いた料理には欠かせない言葉です。
- Asin(アシン):しょっぱい。
- Asam(アサム):酸っぱい。スープ料理「サユール・アッサム」の語源でもあります。
- Pahit(パヒット):苦い。
状態を表す言葉
- Segar(スガール):新鮮な、さっぱりした。フルーツジュースや、酸味のあるスープに対して使います。
- Pas(パス):ちょうどいい。味付けが濃すぎず薄すぎず、完璧な塩梅のときに使います。
5. レストランで役立つ「美味しい」にまつわる実践フレーズ
単語だけでなく、前後の挨拶やマナーを覚えることで、食事の時間はより豊かになります。ここでは、入店から退店までの流れに沿って使えるフレーズを紹介します。
注文と食事中の会話
まず、何を食べればいいか迷ったら店員さんにこう聞いてみましょう。
「Apa rekomendasi di sini?(アパ・レコメンダシ・ディ・シニ?)」
これで、そのお店の「おすすめ」を知ることができます。
料理が運ばれてきたら、まずは視覚で楽しみます。
「Wah, kelihatannya enak!(わあ、美味しそう!)」
見た目を褒めるのも立派なコミュニケーションです。
感謝と満足を伝える
食べ終わったら、感謝の気持ちを伝えましょう。
「Saya kenyang sekali.(サヤ・クニャン・スカリ)」
これは「お腹いっぱいです」という意味。満足していることが伝わります。
お会計の際には、最高のご馳走様を伝えましょう。
「Terima kasih, makanannya lezat.(ありがとう、料理がとても美味しかったです)」
もし、現地の人の家でご馳走になったのなら、こんな表現も喜ばれます。
「Masakan ini luar biasa!(この料理、並外れて素晴らしいです!)」
「Luar biasa」は「普通ではない=素晴らしい」という意味の強い褒め言葉です。
6. 知っておきたいインドネシアの食文化とマナー
インドネシアで食事をより美味しく楽しむためには、言葉だけでなく文化的な背景を知っておくことも大切です。
「右手」は魔法の道具
インドネシア、特に伝統的な食堂(ワルン)などでは、スプーンやフォークを使わず手で食べるスタイルがあります。この時、必ず「右手」を使うのがルールです。左手は不浄の手とされているため、食べ物を掴むときはもちろん、人に物を渡すときや握手をするときも右手を使います。
右手でご飯とおかずを上手に混ぜて口に運ぶと、不思議と「Enak!」の度合いが増すような気がするから不思議です。
宗教への配慮
インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を抱える国です。そのため、多くの料理が「ハラール(イスラム法で許されたもの)」に則っています。基本的に豚肉(Babi)は食べられません。
もし、どうしても豚肉が使われているか確認したい場合は、こう聞いてみてください。
「Apakah ini mengandung babi?(これは豚肉を含んでいますか?)」
相手の文化を尊重する姿勢も、美味しい食事を楽しむための大切なエチケットです。
飲み物は基本的に「甘い」
インドネシアで「Teh(お茶)」を頼むと、最初から砂糖がたっぷり入った甘いお茶が出てくることがよくあります。
甘くないお茶が欲しいときは「Teh tawar(テ・タワール)」と注文しましょう。ちなみに、インドネシアの甘いお茶は、激辛料理と一緒に飲むと不思議と口の中を落ち着かせてくれる効果があります。ぜひ一度、その絶妙な組み合わせを試してみてください。
7. まとめ:インドネシア語で「美味しい」を伝える全表現!基本のenakから流行りのスラングまで
いかがでしたでしょうか。一口に「美味しい」と言っても、インドネシア語にはこれほどまでに豊かな表現が存在します。
- 万能な基本の Enak
- 上品で豊かな Lezat
- 香りとコクの Sedap
- 最高を意味する Mantul や Maknyus
- 衝撃を伝える Gak ngotak
これらの言葉を使い分けることができれば、現地の友人やレストランのスタッフとの距離はぐっと縮まります。美味しい料理は、言葉の壁を越えて人々を笑顔にする力を持っています。
次にインドネシア料理を食べる機会があったら、ぜひ「Enak!」の一歩先へ踏み出してみてください。あなたが放つその一言が、料理を作った人にとって最高のスパイスになるはずです。
最後に、インドネシア料理を自宅でも楽しみたい方には、現地の調味料セットbumbu indofoodなどもおすすめです。手軽に本場の味を再現して、覚えたての言葉を練習してみるのも楽しいですよ。
インドネシア語で「美味しい」を伝える全表現!基本のenakから流行りのスラングまでを使いこなして、最高のグルメ体験を楽しんでくださいね!Sampai jumpa!(それでは、また!)

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