「SNSで見かける美味しそうなイラスト、自分でも描いてみたいけれど難しそう……」そう思って諦めていませんか?
実は、食べ物のイラストを「美味しそう」に見せるには、絵の才能よりも「ある特定のルール」を知っているかどうかが重要です。複雑な料理も、実はシンプルな図形の組み合わせでできています。
今回は、絵に自信がない初心者の方でも、たった3つのステップでプロのような「シズル感」あふれる美味しいイラストを簡単に描く方法を徹底解説します。お気に入りのカフェのメニューや、今日のご飯を楽しく描いてみましょう!
なぜあなたのイラストは「不味そう」に見えてしまうのか?
描き方のコツに入る前に、まずは「なぜか美味しそうに見えない」原因を知っておきましょう。多くの初心者が陥りやすいポイントは共通しています。
まず一つ目は、色選びです。食べ物を描くときに、見たままの現実的な色を忠実に再現しようとしすぎて、全体がくすんでしまうことがあります。特に影の色にグレーや黒を混ぜてしまうと、食べ物が腐っているような、あるいは冷めきっているような印象を与えてしまいます。
二つ目は、質感が「マット」すぎることです。美味しそうな料理には必ずといっていいほど、光の反射や水分、油分による「照り」が存在します。これがないと、どんなに形が正確でも、食品サンプルのような無機質な印象になってしまいます。
三つ目は、形を複雑に捉えすぎていることです。ラーメンの一杯、パフェの一皿をそのまま細かく描こうとすると、情報の多さに手が止まってしまいます。美味しいイラストを簡単に描くためには、まず「引き算」の考え方が大切なのです。
ステップ1:複雑な料理を「単純な図形」に分解する
どんなに豪華な料理でも、基本は「丸・三角・四角」の集まりです。いきなり細部を描き始めるのではなく、まずはアタリをとるところから始めましょう。
- おにぎり・ケーキ: 角の丸い「三角形」
- パンケーキ・プリン・丼もの: 厚みのある「円柱」
- ハンバーガー・フルーツ: コロンとした「球体」や「楕円」
例えば、ふっくらとしたパンケーキを描くなら、まずは楕円を二つ重ねて厚みを作ります。その上に、とろりと溶けるバターを小さな「四角」として乗せるだけ。この段階では、綺麗な線を描こうとしなくて大丈夫です。全体のバランスを見て、「ここにこれがある」という配置を確認するだけで、完成度がぐっと高まります。
デジタルで描く場合は、iPadやApple Pencilを使うと、やり直しが簡単なので初心者の方には特におすすめです。アナログ派なら、薄い鉛筆で優しく形をとってみてください。
ステップ2:美味しさを左右する「暖色」の魔法
形が決まったら、次は色塗りです。食べ物を美味しく見せるための絶対ルールは「暖色系」をメインに使うことです。
人間は本能的に、赤、オレンジ、黄色といった色に食欲をそそられます。逆に、青や紫は自然界では「毒」や「腐敗」を連想させる色であるため、使い方が非常に難しいのです。
- ベースカラー: 実際の食材よりも、少しだけ鮮やかで明るい色を選びましょう。
- 影の色: ここが最大のポイントです。影に黒を使わず、ベースの色よりも少し濃くて「赤み」に寄った色を選んでください。例えば、黄色いパンケーキの影なら、茶色に近いオレンジを使うと、焼きたての香ばしさが表現できます。
また、コピックなどのアルコールマーカーを使うと、自然なグラデーションが作りやすく、初心者でも美味しそうな色の重なりを簡単に表現できます。デジタルなら、水彩ブラシやエアブラシを使って、中心から外側に向かってふんわりと色を乗せてみましょう。
ステップ3:魔法の一筆!「シズル感」で命を吹き込む
仕上げに、食べ物イラストの命とも言える「シズル感」を加えていきます。これがあるかないかで、イラストの価値が180度変わります。
1. ハイライト(光)を入れる
これが最も重要です。ソースの照り、フルーツの瑞々しさ、お肉の脂身。これらを表現するために、真っ白なペンやブラシで、光が当たっている部分にチョンチョンと点や線を入れます。
特にとろりとしたソースやスープを描くときは、ハイライトをパキッと入れることで、一気に「今まさに食べごろ」な質感になります。
2. 焼き色と質感を足す
パンや肉料理には、少しだけ濃い茶色をランダムに乗せて「焦げ」を表現しましょう。均一に塗るのではなく、あえてムラを作ることで、香ばしそうなリアリティが生まれます。
3. 湯気や水滴を描く
温かい料理なら、細い白い線でふわっと湯気を描き足します。冷たい飲み物なら、グラスの表面に小さな丸をいくつか描いて水滴を表現します。これだけで、温度感まで伝わるイラストになります。
ホワイトペン一本あるだけで、アナログイラストのクオリティは劇的に上がります。デジタルであれば、レイヤーを一番上に作り、発光モードなどで白を乗せるのが効果的です。
誰でも今すぐ試せる!食材別のクイックテクニック
さらに具体的に、よく描かれるメニューの「これだけは押さえておきたい」ポイントをまとめました。
- オムライス: 卵の表面には大きなハイライトを一つ入れると、プルプル感が強調されます。ケチャップの赤は彩度を高くして、卵の黄色とのコントラストを楽しみましょう。
- イチゴのショートケーキ: 生クリームは真っ白で塗るのではなく、ごく薄い水色やグレーで影を少しだけ入れると、立体感と清潔感が出ます。イチゴの粒々は、白で小さくハイライトを入れるだけで瑞々しくなります。
- ハンバーグ: 表面のデミグラスソースに、光の反射を線状に入れます。ソースの影の部分に少しだけ紫を混ぜると、高級感のある深い色味になります。
もし、描いている途中で「なんだか色が地味だな」と感じたら、少しだけ黄色やオレンジを上から薄く重ねてみてください。画面全体がパッと明るくなり、食欲をそそる色合いに変化します。
楽しみながら上達するためのヒント
美味しいイラストを簡単に描き続けるためには、完璧主義を捨てることも大切です。
まずは自分の好きな食べ物を一つだけ、小さく描くことから始めてみてください。いきなり定食セット全体を描こうとすると疲れてしまいますが、目玉焼き一つ、ドーナツ一つなら数分で描けます。
また、料理の写真を撮るときに「どこに光が反射しているか」「影はどんな色をしているか」を観察する癖をつけると、資料を見なくても描けるようになります。SNSで反応をもらうのもモチベーション維持には最適です。自分の描いたイラストで誰かが「お腹が空いた!」と言ってくれたら、それはもう立派なプロ級の表現ができている証拠です。
美味しいイラストを簡単に描くコツ!まとめ
いかがでしたか?「絵を描く」という高いハードルも、ステップを細かく分ければ、誰でも楽しく挑戦できる趣味に変わります。
最後に、今回ご紹介した「美味しいイラストを簡単に」描くためのポイントを振り返ってみましょう。
- 形はシンプルに: 複雑な料理も「丸・三角・四角」のアタリから始める。
- 色は暖色中心に: 影に黒を使わず、赤みのある色で温かさを出す。
- 仕上げに光を: ハイライトを入れるだけで、プロのようなシズル感が生まれる。
この3つを意識するだけで、あなたのイラストは見違えるほど美味しそうに、そして魅力的に変わります。お気に入りのペンを手に取って、まずは一口サイズの美味しいイラストから描き始めてみませんか?
描く楽しさと、見る楽しさ。その両方を味わえるのが食べ物イラストの醍醐味です。あなたの日常が、美味しそうな彩りで溢れることを願っています!

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