そう思ったことはありませんか?SNSで流れてくる、キラキラしたフルーツタルトや、ふっくらとした焼きたてのパン。見ているだけでお腹が空いてくるような、それでいて「かわいい!」と叫びたくなるようなイラストには、実はいくつかの共通した秘密があります。
今回は、食べ物の「シズル感」とイラストとしての「かわいさ」を両立させ、読者の胃袋を掴むための描き方のコツを徹底的に解説します。
美味しいイラストをかわいく描くための第一歩は「観察」
まず、私たちが何かを「美味しそう」と感じる瞬間を思い出してみましょう。それは、光を反射して輝くタレだったり、ホカホカと立ち上がる湯気だったり、絶妙な焦げ目だったりします。
イラストでこれを表現する際、ただ実物を写真のように写す必要はありません。「美味しさの記号」を抽出して、それを少し強調してあげるのがコツです。
一方で「かわいさ」は、形を丸くしたり、色味を明るく整えたりすることで生まれます。この「リアルな美味しさ」と「デフォルメの可愛さ」をどう混ぜ合わせるかが、プロのような仕上がりへの近道になります。
デジタルで描くならiPad ProやApple Pencilがあると、筆圧を活かした繊細な表現がしやすくなりますよ。
食べ物の命!「シズル感」を出す3つの魔法
「シズル感」とは、食欲をそそる臨場感のこと。これがあるだけで、イラストの説得力は100倍になります。
1. 容赦ないハイライトの追加
食べ物を描くとき、一番大切なのは「光」です。特に水分や油分を含んでいるものは、光源を意識して「パキッとした白」を入れてみてください。
例えば、イチゴの表面、ハンバーグの肉汁、とろりと溶けたチーズ。ここにくっきりとしたハイライトを入れるだけで、一気に瑞々しさが生まれます。ぼかしすぎず、あえて筆跡を残すように白を置くのがポイントです。
2. 温度を感じさせる演出
「温かさ」や「冷たさ」は視覚で伝えられます。
温かい料理なら、細くて白い線をふんわりと重ねて「湯気」を描きましょう。これだけで香りが漂ってきそうな雰囲気になります。
逆に冷たい飲み物なら、グラスの表面に小さな水滴を描き込んだり、氷の角を少し白く光らせたりします。これだけで、キリッと冷えた状態が伝わります。
3. 彩度を高めに設定する
現実の食べ物は、意外と色がくすんでいることが多いです。しかし、イラストでは「理想の美味しさ」を描くのが正解。
赤、オレンジ、黄色といった暖色系をベースに、普段より少しだけ鮮やかな色を選んでみてください。これだけで「元気で美味しそう」な印象に変わります。
「かわいさ」をプラスするデフォルメのテクニック
美味しさのベースができたら、次は「かわいさ」を盛り込んでいきましょう。
角を丸く、ふっくらと
四角い食パンでも、角をピンと立てるのではなく、少しだけ丸みを持たせて描いてみてください。これだけで、一気にマスコットのような愛らしさが出てきます。お皿やカトラリーも同様に、少し厚みを持たせて丸く描くと、画面全体が優しい印象になります。
理想的な「盛り」を追求する
イラストの世界では、現実の物理法則を少し無視しても構いません。
パンケーキの上のバターを少し大きめに描いたり、フルーツを山盛りにしたり。自分が「こうだったら幸せだな」と思うボリューム感で描くことが、イラストとしての「かわいさ」に直結します。
小さな「顔」を描き加える
究極の可愛さを狙うなら、食べ物の端っこにちょこんと目と口を描いてみましょう。いわゆる「キャラ食」風の演出です。これをするだけで、一気に親しみやすさが増し、SNSでのアイコンやスタンプとしても使いやすくなります。
ジャンル別!もっと美味しく見せるポイント
食べ物には、それぞれ「ここを描けば美味しそうに見える」というポイントが違います。
スイーツ・お菓子
クリームを描くときは、影の色を工夫しましょう。真っ黒な影ではなく、少し青みや紫がかった淡い色を使うと、清潔感があって美味しそうなクリームになります。また、トッピングのミントやアラザンなど、小さなアクセントを散らすと画面が華やかになります。
パン・焼き菓子
一番のポイントは「焼き色」のグラデーションです。中心は薄いベージュ、外側に行くほどオレンジがかった茶色、そして一番焼けている部分は濃い茶色。この3段階のグラデーションを意識するだけで、香ばしさが伝わります。質感を出すために、液晶ペンタブレットのカスタムブラシで少しザラついたテクスチャを重ねるのもおすすめです。
飲み物
液体を描くときは、底の方を少し濃い色にし、水面に近い方を明るくすると透明感が出ます。ストローを一本差すだけでも、イラストとしての構図が締まり、かわいさがアップします。
画面全体をかわいく彩る「小物」と「構図」
食べ物単体でも素敵ですが、周りの小物を工夫するとさらに魅力が増します。
- ランチョンマットや布の質感チェック柄や花柄の布を下に敷くだけで、一気に「カフェ風」のお洒落なイラストになります。
- フォークとスプーンの配置食べ物の横にさりげなく置かれたカトラリーは、これから食べるワクワク感を演出してくれます。
- 彩りの添え物メインの料理の横に、小さなサラダやチェリーを添える。赤、黄、緑の「信号機カラー」を意識して配置すると、色彩バランスが整って見栄えが良くなります。
道具にこだわると表現の幅が広がる
アナログで描くならコピックチャオのような、発色が良くグラデーションが作りやすいマーカーが相性抜群です。デジタル派なら、厚塗りが得意なソフトや、透明感の出しやすいブラシを探してみるのも楽しいですよ。
道具が使いやすいと、それだけで描くのが楽しくなり、結果として「美味しそうなオーラ」が絵に乗るようになります。
美味しいイラストをかわいく描いて、みんなを笑顔にしよう
「美味しい」と「かわいい」を掛け合わせたイラストは、見る人を幸せな気持ちにします。
最初は上手く描けなくても大丈夫。まずは自分の大好物を、一口食べたときの感動を思い出しながら描いてみてください。
「このツヤツヤした感じが好きなんだよね」「この丸っこいフォルムがたまらない!」というあなたの「好き」という気持ちこそが、イラストに命を吹き込む一番のスパイスになります。
テクニックを一つずつ試しながら、あなただけの特別な一皿を描き上げてみてくださいね。きっと、自分でも驚くほど美味しそうでかわいいイラストが出来上がるはずです。
最後になりますが、今回ご紹介した「美味しいイラストをかわいく描くコツ」を意識して、日々の創作活動をより一層楽しんでいただければ幸いです。次はどんな「ごちそう」を描きますか?

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