「世界5大ウイスキーをブレンドした革新的な一本」として華々しく登場したサントリーワールドウイスキー 碧Ao。
店頭でその美しい五角形のボトルを見かけて、気になっている方も多いのではないでしょうか。しかし、ネットで検索してみると「碧Ao まずい」「期待外れ」といったネガティブなワードが目に飛び込んできて、購入を迷ってしまうこともあるはずです。
結論から言えば、サントリーワールドウイスキー 碧Aoは決して「まずい」ウイスキーではありません。むしろ、これほどまでに1杯の中でドラマチックに味わいが変化する銘柄は、他に類を見ないといっても過言ではないでしょう。
では、なぜ「まずい」という評価が出てしまうのか。そして、この複雑なウイスキーを最高に美味しく味わうにはどうすればいいのか。今回は、5大ウイスキーの個性をプロの視点で紐解きながら、その魅力を徹底解説していきます。
そもそも「碧Ao」とはどんなウイスキーなのか?
サントリーワールドウイスキー 碧Aoを語る上で外せないのが、その類まれなる「出自」です。
通常、ブレンデッドウイスキーといえば、同じ蒸溜所内、あるいは同じ国の中の原酒を混ぜ合わせて「調和(ハーモニー)」を目指すものです。しかし、この碧Aoが目指したのは「共鳴」でした。
サントリーが自社で保有、あるいは提携している世界5大産地の蒸溜所から、選りすぐりの原酒を集結させています。
- アイルランド(アイリッシュ): 滑らかで複雑な味わいのクーリー蒸溜所
- スコットランド(スコッチ): スモーキーなアードモアと、フルーティなグレンギリー
- アメリカ(アメリカン): バニラのような甘みが特徴のジムビーム
- カナダ(カナディアン): 柔らかな口当たりのアルバータ
- 日本(ジャパニーズ): 奥行きを与える山崎・白州蒸溜所
これら5つの個性を、サントリーの5代目チーフブレンダー・福與伸二氏が、それぞれの特徴を消し去ることなく「層」のように重ね合わせることで誕生しました。
五角形のボトル形状は、これら5つの産地を象徴しており、青いラベルは世界を繋ぐ海を表現しています。このコンセプトを知るだけでも、一杯のグラスに注がれた液体の重みが変わってくるはずです。
なぜ「まずい」という声が上がってしまうのか?その正体を探る
期待に胸を膨らませてサントリーワールドウイスキー 碧Aoを飲んだ人の中に、「あれ?思っていたのと違う」と感じる人が一定数いるのは事実です。その理由は、主に3つのポイントに集約されます。
1. 個性のぶつかり合いを「雑味」と感じてしまう
サントリーワールドウイスキー 碧Aoは、あえて個性を殺さないブレンドがなされています。そのため、一口飲んだ瞬間にバーボンらしいバニラの甘さが来たと思えば、中盤でスパイシーさが顔を出し、最後にはスコッチ特有のスモーキーな煙たさが残ります。
この「味の移り変わり」を楽しいと感じる人がいる一方で、特定のウイスキー(例えば「山崎のような上品な和のテイスト」だけ)を求めていた人にとっては、「味が散らかっている」「まとまりがない」という印象を与えてしまうことがあるのです。
2. アルコールの刺激(ピリピリ感)
一部のレビューで指摘されるのが、ストレートで飲んだ際のアルコールの刺激です。サントリーワールドウイスキー 碧Aoには若めの原酒も含まれているためか、飲み慣れていない方にとっては少し喉に刺さるような感覚があるかもしれません。これが「安っぽい」「まずい」という評価に繋がってしまうケースがあります。
3. 価格に対する期待値とのギャップ
定価で5,000円(税抜)前後という価格設定は、ブレンデッドウイスキーとしては比較的高価な部類に入ります。この価格帯なら、シングルモルトの定番銘柄も十分に視野に入ります。「5,000円出すなら、もっと洗練されたシングルモルトが飲めたはず」という心理的なバイアスが、厳しい評価を生んでいる側面も否定できません。
しかし、これらはあくまで「ストレートで飲んだ場合」や「特定の好みに偏っている場合」の感想です。飲み方を変えるだけで、この評価は180度変わります。
5大ウイスキーが織りなす「味の変化」を徹底解剖
サントリーワールドウイスキー 碧Aoを口に含んだとき、私たちの味覚はどのような旅をするのでしょうか。その複雑なプロファイルを紹介します。
まず、グラスに鼻を近づけると、最初に感じるのは華やかなバニラとパイナップルのようなトロピカルフルーツの香りです。これは明らかにアメリカン(バーボン)やカナディアン原酒の影響です。
口に含むと、シルクのような滑らかな質感が広がります。ここでアイリッシュやジャパニーズの繊細さが顔を出します。そして、飲み込む瞬間にシナモンのようなスパイシーさがピリッと走り、最後に鼻から抜けるのは、スコッチ由来の心地よいスモーキーな余韻です。
この「時間の経過とともに主役が入れ替わる感覚」こそが、サントリーワールドウイスキー 碧Aoの真骨頂です。世界中の蒸溜所を渡り歩くような体験を、自宅のソファーにいながらにして楽しめる。これこそが、他のウイスキーにはない唯一無二の価値なのです。
碧Aoを劇的に美味しくする!おすすめの飲み方ガイド
「まずい」と感じた方にこそ試してほしい、サントリーワールドウイスキー 碧Aoのポテンシャルを最大限に引き出す飲み方を提案します。
圧倒的一番人気!「ハイボール」
サントリーワールドウイスキー 碧Aoの魅力を最も手軽に、かつ鮮烈に味わえるのがハイボールです。
炭酸で割ることで、閉じ込められていた香りの分子が一気に弾けます。特にスモーキーさとフルーティさが際立ち、アルコールの角が取れて非常に飲みやすくなります。
- ポイント: グラスをキンキンに冷やし、ウイスキーとソーダの比率は「1:3.5」を意識してください。レモンピールを少し絞ると、アイリッシュ由来の爽やかさがさらに強調されます。
味の変化を楽しむ「ロック」
大きな氷を一つ入れて、ゆっくりと味わうスタイルです。
最初はストレートに近い濃密な甘みを楽しめますが、氷が溶けて加水が進むにつれて、香りがどんどん開いていきます。温度が下がることで甘みが引き締まり、最後の一口まで飽きずに楽しめます。
本質を知るための「加水(トワイスアップ)」
ストレートで「きつい」と感じたなら、常温の水を数滴垂らしてみてください。
ほんの少しの水が入るだけで、ウイスキーの表面張力が崩れ、隠れていたフルーティな香りが一気に溢れ出します。これはプロのテイスターも行う手法で、サントリーワールドウイスキー 碧Aoが持つ「真の複雑さ」を最も冷静に分析できる飲み方です。
ウイスキー碧Aoと合わせたい至福のおつまみ
複雑な味わいを持つサントリーワールドウイスキー 碧Aoは、食中酒としても、リラックスタイムの相棒としても優秀です。
スモーキーな余韻には、やはりスモークチーズや燻製ナッツが鉄板の相性です。お互いの「煙たさ」が共鳴し、深みが増します。
意外な組み合わせとしては、ドライイチジクやビターチョコレートもおすすめです。アメリカン原酒由来のバニラ感と、ドライフルーツの凝縮された甘みが絶妙にマッチします。
さらに、和食とも喧嘩しません。特に肉じゃがや照り焼きといった、醤油と砂糖を使った甘辛い料理には、ジャパニーズ原酒の奥行きが寄り添い、食事の味を引き立ててくれます。
結論:サントリーウイスキー碧Aoはまずい?5大ウイスキーの個性を楽しむ美味しい飲み方
「まずい」という噂に惑わされるのは、あまりにももったいない話です。
サントリーワールドウイスキー 碧Aoは、単なるウイスキーではありません。サントリーが長年培ってきたブレンディング技術の結晶であり、世界中の蒸溜所の情熱を一つのボトルに詰め込んだ「挑戦状」でもあります。
確かに、個性が強いゆえに万人に受ける「無難な味」ではないかもしれません。しかし、飲み方を少し工夫し、その複雑さを「発見」として楽しむ心の余裕があれば、これほど面白いウイスキーは他にありません。
まずはハイボールで、その爽快さと奥に隠れたスモーキーさを体験してみてください。その後、ロックや数滴の加水で表情の変化を追っていく。そうすれば、なぜこのウイスキーが「碧(あお)」と名付けられ、世界中のファンを魅了しているのかが、きっと理解できるはずです。
サントリーワールドウイスキー 碧Aoを手に取って、あなただけの「世界を巡る一杯」を見つけてみませんか?その複雑な香りの先に、きっと新しいウイスキーの楽しみ方が待っています。


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