「お店で食べるような、お米の芯が絶妙に残ったリゾットを家でも作りたい!」
そう思って挑戦してみたものの、なぜかベチャベチャのお粥みたいになってしまったり、逆に米が硬すぎて大失敗したり……。リゾットって、シンプルだからこそ加減が難しい料理ですよね。
でも、安心してください。実は、いくつかの「鉄則」さえ守れば、家庭のキッチンでも驚くほど本格的な一皿が作れるようになります。
今回は、イタリアンのプロも実践している「美味しいリゾット」を作るための秘密を、どこよりも分かりやすく丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたの作るリゾットが家族や友人を驚かせる絶品料理に変わっているはずですよ。
リゾット作りで絶対にやってはいけない「お米のNG習慣」
まず、リゾット作りにおいて最も重要で、かつ多くの人がやってしまいがちな間違いがあります。それは「お米を洗うこと」です。
日本の食卓では「お米はしっかり研ぐもの」という常識がありますが、美味しいリゾットを作りたいなら、その常識は一度捨ててください。
リゾット特有の、あのとろりとしたクリーミーなソースの正体は、お米の表面についているデンプンです。お米を洗ってしまうと、この大切なデンプンが流れ落ちてしまい、仕上がりがさらさらした「スープかけご飯」や、粘りのない「雑炊」のようになってしまいます。
袋から出したそのままの状態のお米を使う。これが、本格的な食感への第一歩です。
失敗しないための秘訣!スープは必ず「熱々」を用意する
「リゾットがベチャベチャになる」という悩みの原因の多くは、実は加えるスープ(ブイヨン)の温度にあります。
多くのレシピでは「スープを少しずつ加える」と書かれていますが、ここで冷たいスープやぬるいスープを入れてはいけません。温度が低い水分を加えると、そのたびに鍋の中の温度が急激に下がり、お米に火が通るスピードが不安定になります。その結果、お米の表面だけが溶けて中心に火が通らない、いわゆる「煮崩れ」の状態になってしまうのです。
美味しいリゾットを作るためには、隣のコンロでスープを常に弱火にかけ、沸騰直前の「アツアツ」の状態をキープしておきましょう。熱いスープを加えることで、お米に一定のストレスを与え続け、理想的なアルデンテを生み出すことができます。
お米の品種選びと「アルデンテ」の科学
リゾットに適しているのは、本来であればイタリア産のカルナローリやアーボリオといった大粒の品種です。これらは煮崩れしにくく、中心にしっかりとした芯を残しやすいのが特徴です。
もし「もっと本格的にこだわりたい!」という方は、ぜひイタリア米を試してみてください。
とはいえ、スーパーで手に入る日本のコシヒカリなどでも、工夫次第で十分に美味しいリゾットは作れます。日本米を使う場合は、イタリア米よりも水分を吸いやすく粘りが出やすいため、次に説明する「炒め」の工程をより慎重に行うことが成功のカギとなります。
美味しさを左右する「トスタトゥーラ(米の空煎り)」の重要性
調理の序盤、玉ねぎなどの香味野菜と一緒に米を炒める工程を、イタリア語で「トスタトゥーラ」と呼びます。ここが味の決め手です。
オリーブオイルやバターでお米を炒める際、目安はお米の表面が透き通ってきて、手で触ると「熱くて触れない!」と感じるくらいまでしっかりと熱を通すことです。
こうしてお米の表面を油でコーティングし、高温で焼き固めることで、後から加えるスープで米が煮崩れるのを防ぐことができます。この工程を丁寧に行うことで、一粒一粒が独立した、お店のようなリゾットの食感が生まれるのです。
スープを加えるタイミングと混ぜ方のコツ
スープを加え始めたら、ここからは時間との勝負です。一度にドバッと入れるのではなく、お玉1〜2杯ずつ、お米がひたひたに浸かるくらいを目安に加えていきます。
ここでのポイントは、混ぜすぎないこと。
絶えずかき混ぜていると、お米からデンプンが出すぎてしまい、粘り気が強くなりすぎてしまいます。しかし、全く混ぜないと焦げ付いてしまいますよね。正解は「水分がなくなってきたら底から優しく動かす」程度で十分です。
お米同士が優しく擦れ合うことで、適度なデンプンが溶け出し、ソースに自然なとろみがつきます。鍋の底をヘラでなぞったときに、道ができるくらい水分がなくなったら、次のスープを足す。このリズムを繰り返してください。
仕上げの魔法「マンテカトゥーラ」で究極のコクを
お米に少し芯が残る程度まで火が通ったら、いよいよ仕上げの「マンテカトゥーラ」です。これは日本語で「乳化」を意味する、リゾットにおいて最もドラマチックな工程です。
まず、火を完全に止めます。そこに、キンキンに冷えた無塩バターと、たっぷりのパルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノがベスト)を加えます。
ここで鍋を力強く振り、ヘラで素早くかき混ぜます。空気を含ませるように混ぜることで、バターの脂分とお米のデンプン質、そして残った水分が一体となり、艶やかで濃厚なソースへと変化します。
火を止めてから行うのが鉄則です。加熱しすぎるとバターの油分が分離してしまい、ベタついた仕上がりになってしまうので注意しましょう。
リゾットを格上げするおすすめの具材とアレンジ
ベースの作り方をマスターしたら、季節の食材でアレンジを楽しんでみましょう。
- きのこのリゾット乾燥ポルチーニを使うと、戻し汁もスープとして使えるため、香りの深みが格段に増します。マッシュルームやエリンギは、あらかじめ別のフライパンで焼き色がつくまで炒めておき、最後に合わせると食感が活きます。
- 海の幸のリゾットエビやアサリを使う場合は、魚介の出汁(フィッシュブイヨン)をベースにします。魚介系の場合は、仕上げのバターを控えめにし、高品質なエキストラバージンオリーブオイルで仕上げると、素材の香りがより際立ちます。
- チーズたっぷりのリゾットゴルゴンゾーラなどのブルーチーズを加えると、ワインにぴったりの大人の味に。仕上げに少々のはちみつと砕いたクルミをトッピングするのも、プロっぽい演出でおすすめです。
美味しいリゾットの作り方!プロが教える失敗しないコツと本格レシピを徹底解説のまとめ
いかがでしたか?
リゾット作りは、一見難しそうに思えますが、「お米を洗わない」「スープを熱々に保つ」「仕上げの乳化を丁寧に行う」というポイントさえ押さえれば、誰でも自宅でプロ級の味を再現することができます。
調理開始から完成まで、およそ20分。その間、鍋の中の変化を楽しみながら、お米と対話するように作ってみてください。
最後に、お皿に盛り付けたときに、リゾットが「波(アッロンダータ)」のようにゆったりと広がる柔らかさであれば、それは完璧な仕上がりです。
今回ご紹介したテクニックを駆使して、ぜひあなた史上最高の「美味しいリゾット」を完成させてくださいね。温かいうちに、大切な人と一緒に召し上がれ!

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